ネタバレ感想 OYSTER 『新婚のいろはさん』1巻


新婚のいろはさん : 1 (アクションコミックス)
(画像のリンクが物理書籍のページ、文章のリンクがkindle版のページ)

大体の内容「きびきびとした甘々!」。オイ先生の甘々が見たい。それはかなり以前からある情動でした。『超可動ガール1/6』で偶に甘々な瞬間がありましたが、本当に偶に、稀にであり、それが主眼に置かれる形ではありませんでした。なので、オイ先生の甘々が見たいというのは既にフラストレーションレベルで溜まっていたのです。それが開放されたのが、『新婚のいろはさん』なのです!
ネタバレするようなストーリー性の無い、ある瞬間の切り取りで成り立っている漫画でありますが、一応続き記法にしました。そしてこれで僕の気持ちが全開になります。
で、全開にして言うのは、年上の黒ロン女房最高だな! というシンプルな話です。年上の、黒ロンの、新妻! なんと聞こえのよい言葉か―――。これだけで満足したぜ。と鬼柳京介顔になろうものです。それが基本的には甘々なんですよ。なんとき(略)。もうね、それだけで金払った甲斐があった、手に入れた甲斐があったといえるものです。最高というか最ッ高だぜッ! チームサティスファクションの復活だッ!!(カーン)レベルです。黒ロンの段階で100点中1000点くらいですが、更に年上女房というので私のセンシティブな部分にジャストヒット! ローリングヒッポ! ですよ。その年上女房がもう可愛いんですよ。いろはさんが可愛いんですよ。夫の始さんとは高校時代辺りで離れて過ごしてたらしいですが、それだからセーラー服見せてあげようって回とか特に最高中最高。ベスト最高。最ッ高だぜッ!(略)です。単発的な甘々度の高さだとあそこがピカ一ですね。
それでいて、オイ先生のらしさ、きびきびとした4コマ展開が繰り広げられます。オイ先生の良さというのはきびきびとボケたり、きびきびと突っ込んだり、きびきびと意味不明だったりする全体的なきびきび感にあると思っていますが、それはこの漫画でも全く揺らぎません。そして甘々なところも、当然きびきびとしています。のぺー、という語感のゆっくりとした持続ではなく、しゃたーん! というきりのいい、思い切りのいい切り上げ。これですよ。これによって、甘々でありつつも不思議とゆったりしない、不思議な甘々が完成されているのです。
それを、僕はずっと、待ってた! これだよこれ! これこそOYSTER節の甘々! 本当に待ってた! 今までラブ的な話はあっても、ここまでやるのは初めてじゃないですかねえ! オイ先生が甘々してくれる夢、見ていてよかった!
その良さが爆裂するのは一話目。面白いマンガはね、一話目で決まるのよッ! は『コミックマスターJ』の名言ですが、その物言いからするとこの漫画はもう面白いのが確定していると言えましょう。どういう経緯で結婚したのか全く分からないし、どういう経緯で新居に移ったかも分からないけど、そんなことこの漫画の前では些事マジバーツ。この漫画がOYSTER漫画であり、且つ新婚家庭を見る漫画なんだ、というのを100%中の100%魅せきる見事な一話目になっています。これだけで満足してしまうレベルですが、それ以降もオイ先生らしいきびきびとした話運び、ギャグの混ぜ方で見せつけてくれます。
個人的に大好きな回の話をすると、ラーメン屋さんに行く回がいいですね。この巻では2回あるんですがどちらもいいです。
1回目は始さんがラーメン屋に行きたいというのだけど、それがちょっと小芝居なのをいろはさんが気付くけど一生黙っていようというのが大変良かったです。その導入だけで面白いのが確定している回でした。
2回目はいろはさんが里帰りというので始さんが寂しいなあとラーメン屋に行って寂しがるというのが大変良かったです。意外といろはさん好きすぎるんだなあ、という納得が出来るのが良かったです。
さておき。
この巻で一番始さんといろはさんの二人がいいなあ、と思うのは実は裏表紙。何気なく二人でソファに座って各々、というものですが、それが逆にこの二人のお互いに対する空気感が出ていて素晴らしいです。何気にいろはさんが始さんの足に足をのせている辺りがポイント高いです。どっちもそれを邪険にしないのが、大変いいなあ、と。こういう空気感、イエスだね! と書いてこの項を閉じたいと思います。