感想 柊ゆたか 『新米姉妹のふたりごはん』4巻


新米姉妹のふたりごはん4 (電撃コミックスNEXT)
(画像のリンクが物理書籍のページ、文章のリンクがkindle版のページ)

大体の内容「これ最終回じゃないですか?」「なぬ!?」。というくらい、あまりに収まりの良かったのが、『新米姉妹のふたりごはん』4巻なのです。
初っ端からぶっちゃけますと、今回の巻収録の最後の話、あまりに最終回の香りがしました。一応、この漫画のテーゼとしては、これで終わるのは打ち切り感しかないのですけれど、でも「綺麗だろこの終わり方。最終回じゃないんだぜ、それ」ってネタっぽく台詞を言ってしまいたくなるくらいに、一つのソフトランディングな終わり方ではありました。


これから、


こうですからね

巻末あとがきでも色んな人から最終回だと思ったって言われてて、そりゃこの収まり方だとそうもなろう! であります。初見でこれ見た時は終わったー!? って錯乱しましたが、今ではちゃんと5巻出ているので、続いているんだな、と安堵であります。
さておき。
今回もサチさんとあやりさんは仲良しですが、あやりさんの方は絵梨さんと仲良くなっております。友達、ですか? ってサチさんに言われるまで気づかない辺り、本当にあやりさんの陰キャっぷりが際立っておりますが、そこを越えて、大切な友達だ、と言えて本当に良かったです。でも。本当に友達とか少ないんだろうなあ、というのもにわかに感じられるところです。同年代の友達、となるとほんといないんだろうなあ。サチさんをランニングに誘うのすら、結構勇気が必要みたいだったりしますしね。好感度かなり高めの相手にすら、なのでそうでない相手は大変そうです。
しかし、サチさんの方はわりあっさりありがとう! ってなったりするので、この経験で友達付き合いが増えたらいいなあ、とも。そりゃ、相手の好感度が高いという補正はありますけども、成功体験を得ていったら、友達も増えていくんじゃないだろうか、とか。


あやりさん、頑張ったの巻

さておき、今回の巻で好きな回はフォアグラ! 回です。フォアグラを前にテンションが上がるあやりさんが大変可愛いのです。


フォアグラ!


生ハムの時より、テンション高い?


一緒ににっこり


花咲く笑顔

生ハムの時より、というサチさんの感じ方が、それだけ相手の事が分かっているということで尊いですし、サチさんと一緒にご飯できるの幸せです! というあやりさんも尊いです。なにこれ尊いの詰め合わせかよ。というレベルで今までのこの漫画の積み重ねのメルクマールとなる部分が、フォアグラ回だったかと思います。いやあ、いいものです。
さておき。
メルクマールも来ましたので、この漫画が今後どうなっていくのか、という部分は読者の思考的にも避けて通れないものになっています。そこに対しても、ちゃんと考えはある、と見える場面がそこかしこにあるのがこの漫画のよい所と素直に言える部分です。その一例をば。


将来。難しいお年頃ですヨネ

さくっと将来はどうするのか、という重いネタが挿入されるものの、それについては匂わせる程度なのが小憎たらしいというか、やるなあなポイントです。そこはいつかは到達する部分でしょうが、だが今じゃないんだ。というこの配分ですよ。美味い美味い。
でも、二人の関係は今後、将来的にどうなるのだろうか、というのはついつい考えさせられます。ずっと一緒、って訳にもいかないだろう。いつかは別れる日も来る。でもまた会える日もあるのかも。などと、つい、休むに似たりしてしまいます。あるいはやっぱりずっと一緒ってのもいいなあ、とか。本当にどうなるのやら。
さておき。
最後にあやりさんのちょっと可愛い一コマでこの項を閉じたいと思います。それでは。


ヤギ……て