感想 柊ゆたか 『新米姉妹のふたりごはん』6巻

新米姉妹のふたりごはん 6 (電撃コミックスNEXT)

新米姉妹のふたりごはん6 (電撃コミックスNEXT)

  大体の内容。「ごはんが供出される時、仲良き哉の道、開かれる」。などと訳の分からないことを言ってしまうくらい、ごはんは皆を繋げるものなのです。ということで、ごはんが重要な『新米姉妹のふたりごはん』も6巻となりました。

 いつも大体いい漫画なこの作品ですが、中々に長期連載になったがゆえに出来る部分も増えてまいりました。それは、話では出ていたけど実際に今までは出てなかった方々のご登壇です。ということで、今回は絵梨さんの妹梨奈ちゃんと、あやりさんのお母さん&サチさんのお父さん、つまり二人の両親が登場と相成ります。

 梨奈ちゃんの方は、いつも通り緊張で顔が怖いあやりさんが、クレープを作る事で図らずも接近し、仲良くなる。書くとそれだけのことですが、そこはそれ、食事が繋ぐ縁としては完成していますし、一緒にクレープを作っていくことであやりさんの良さが梨奈ちゃんに伝わっていくと言うのは、なんだかとっても、ありがてえじゃねえか……。とCVが稲田徹になってしまいます。最後の絵梨さんの言葉、妹同士だから、というのが非常に納得できるくらいに仲良くなってて、ああ本当にありがたい。

 さておき。

 あやりさんとサチさんの両親のご登場の方は、みのりさんがジビエしてくれい! と肉を持ってきた話から連結されます。自然な導入! と戦くところですね? そして、そこから両親の墓参りをしてから、両親にご飯を、という流れに。ここであやりさんとサチさんの成長をしれっと見せるのもまた美味し。あやりさんが自ら作りたいと申し出るのもいいですし、サチさんが厨房に入って手伝いをするのも成長を見せています。こういうちょっとした成長が、ご両親には堪らないんだろうなあ、とも思いました。その辺が、あやりさんのお母さんがサチさんをお姉ちゃんとしてきっちりやってくれたのね、ありがとうお姉さん、という方向へも導いた形になっております。そしてお姉さんと認定されてちょっと喜びがさく裂するサチさんは可愛かったです、よ!

 さておき。

 個人的に好きな回は篠田さんが桃を持ってきたので、それで料理を作る回。この漫画らしい雰囲気でありつつ、細かい所でボケを刻んでくるのが大変良かったのです。サチさんが桃が苦手だった、というのでザワッとしたり、桃でスープ、え? ジュースじゃない? で一瞬宇宙したり。特にサチさんが桃が苦手だった、というのでざわつく辺りはこちらも一瞬ざわっとして、同じようなこと考えていたのを確認してくすりときました。あの食べる事大好きっこに、苦手な食べ物が!? となりますよそりゃあ。でも流石に拾い食いとかは考えませんでしたが。あやりさん案外そういうとこ考えることあるよな。根がまじめだから……。ああ、料理の方は相変わらず美味そうでした。内容がゆるい回でもそこは揺がないのは流石です。

 ということで、あやりさんとサチさんのご両親も出てきましたので、ここは大きく変わる前段階かしら、と一瞬畏れつつも、どうあっても付き合うぜ。という立ち位置を維持しつつ、この項を閉じたいと思います。