感想 ビリー 『シネマこんぷれっくす!』5巻

シネマこんぷれっくす!(5) (ドラゴンコミックスエイジ)
シネマこんぷれっくす!(5) (ドラゴンコミックスエイジ)

 大体の内容「鰐人の言うように、何を見せられたんだ?」。と、宣伝ツイートみてないと分からない発言を軽々にしてしまうくらいなんだったんだあれ……。な祝先輩卒業回があるのが、『シネマこんぷれっくす!』5巻なのです。
 この漫画は全体的になんだったんだあれ、で構成されていると言っても過言ではないくらい、得体のしれない展開がぶっこまれるのですが、この巻はそれが如実に如実な回が多過ぎます。そこがいいんだ……。というキッド・ホーラ顔でもあるんですが、でも冷静に考え直すとなんだったんだろう、この回。ってなってしまいます。それが色濃いのが、『男はつらいよ』全話一気視聴回、御池さんによる新海監督作品語り回、そして祝先輩卒業回です。
 『男はつらいよ』一気視聴回は、死ね部のお約束として作られた『男はつらいよ』を一気視聴する会を通して、鰐人と小津さんが寅さん強火オタになる回です。全体的なツッコミどころが『男はつらいよ』寄りなので、本当に寅次郎はろくなやつじゃないんだなあ、というのと、それでも妙に肩を持つ人がいるのもまた分かる。という、その状況自体がツッコミどころになる回でありました。3日かけてみれば、そうもなろう! と鉄仮面での理解が捗る辺り、イニシエーションって大事だなー。と思いました(顔を背けながら)。
 御池さんハッスル回は、小津さんが鰐人に対する恋心に覚醒して、でもどうしたらいいの? あいつすぐ映画の話する! というお悩みの解決策を探る中で、御池さんが新海作品で攻めればいいんや! とその場で新海作品で攻め始める回です。後半完全に新海監督褒めたいだけやろ! という状況がヤバイ。御池さん、友達の恋路に対していい案を出したいのは分かるんだけど、ヒートアップすると方向性間違えてしまうんだよなあ……。いい人なんだけど……。そもそもアニオタバレしたのもヒートアップしたからだったので、しゅくあってやつですね……。で、結局小津さんはどうしたかって? うふふ。
 そして、この巻の最大の問題作、祝先輩卒業回。その少し前の回で、マリア先輩が祝先輩にラブ! というのが決定づけられた後で、卒業式終わって歓談、なとこで祝先輩がいない! とマリア先輩が言ってくることから、最終的によく分からないことだけが分かるオチへと向かっていきます。以前から単行本おまけでよく分からないことをしていた祝先輩ですが、それが最終的に訳が分からないで回収された、といえばよく分からないと思いますがこちらも訳が分からないんだよ! でも、マリア先輩は祝先輩と一緒に行けたので、それで満足するしか、ないじゃないか……。と不満足さんにならざるを得ません。その上で、この巻のおまけで特に遠くに行ったわけじゃない、というのが示唆され、ますますじゃあなんだったんだよこの回はよお!! というのが立ち上がりまくりんぐです。とりあえずマリア先輩が良かったなら良かった。それでま(略)。
 さておき。
 4巻の途中である意味この漫画の最高潮みたいな瞬間が、つまり青春! があり、この後どうするんだろうこの漫画。と思っていたら、そう言えば映画撮るとか言ってたな! という部分が立ち上がってまいりました。その件を混ぜつつ、端々でその話を仕込む手管は見事。でも、どういう映画になるやら。死ね部の日常ってだけで相当あれなのが撮れそう、という気もしますが、はてさて。
 という感じの5巻でした。次の巻は新入生とかあいつが転校してくるとかあるらしいので、大変期待です。期待ですったら! とかなんとか書いて〆とさせていただきます。