感想 せきはん 『ぜっしゃか! 私立四ツ輪女子学院絶滅危惧車学科』1巻

ぜっしゃか!‐私立四ツ輪女子学院絶滅危惧車学科‐(1) (角川コミックス・エース)
ぜっしゃか!‐私立四ツ輪女子学院絶滅危惧車学科‐(1) (角川コミックス・エース)

 大体の内容「女の子+クラシックカー!」。その筋がありましたか! という、女の子がすれば何事も角が立たないメソッドがふんだんに盛り込まれつつ、クラシックカーの話もしていく。再び言いますが、その筋がありましたか! なのが『ぜっしゃか!』なのです。
 女子高生が、クラシックカーをレストア! この文字列に当たった時は中々に衝撃でした。女の子がするものは、もう凡百からしてやりつくしていた。そう思っていたからです。しかし、クラシックカーレストア! そういうのもあるのか。と井の頭五郎顔で襟を正してしまいます。1巻では特に濃くレストアしてはいないんですが、そっちに振れ過ぎないのは逆に長所として担ぎあげられるかと思います。そっちの方に濃くなっていくのか、は1巻では分からないので、鋭意2巻以降を読まないといけないんですが、それはさておき、1巻で感じられたことについて、お話します。
 と、ちょっと勿体ぶりましたが、ここはやはり車、クラシックカーというのを敢えて整備する、ということが生み出す、エモーショナル空間! その車にある思い入れ、というのを細かく拾ってくるんですよ。それが、なんというか懐かしい光景というものを生み出しつつ、車と人の繋がりみたいなものをじっくりと描き出してくるのです。
 特にエモかったのが、メイン四人の1人、莉子さんの思い出の車が、この話の舞台、絶車科にあった、というところ。莉子さんの色々な思い出があったけど、昔どこかに行ってしまった車が、実は絶車科が回収、レストアしていた。それが、莉子さんが残したマークで分かる、というのが大変いいものであったと言えるでしょう。こういう思い出、幼少のみぎりは特にあるものですが、それが分かるように、マークを消さないでレストアしていた、というのでも、いい話だなー案件です。ちなみに、そのクラシックカーを絶車科で引き取りに来た人が、現在の絶車科の先生、というので更に倍率ドン! でもそこは変に照れ照れとか無しで、さぱっとそうだぞ! ってなってたのもポイント高いです。こういう風に受け継がれるんだなあ、という感覚と言いましょうか。いつか来るその子を待つ為、だけではないだろうけど、先生していた、ってあなた。倍率がバンバン高くなりますよ。
 さておき。
 レストアの方を濃くする方にいくかはまだ分からないと先に書きましたが、その前段階として見ても、中々とうの立った一作になっているかと思います。1話目ならキャラ紹介! というのをくどくどしないで、さぱっと済ます。偶にピックアップされる時にきっちりと描く、というテクでやられています。しかし、1話段階でも、こういう子ね。という理解はきっちりさせてくれるようにもなっているので、そこから派生して理解していけばいい。そういう所作です。お見事にござりまする! と勝手に称賛してみます。
 キャラクター話なら目つきの悪いデコ眼鏡っ子小手指さんが超好みのタイプなんですが! やっぱりつっけんどんタイプっていいよね……。他の面々がわりとふんわりしているので、そこを〆る要員としてきっちり立っているのがいいです。そして目つきの悪いデコ眼鏡。最高というか最ッ高だぜ!チ(略)案件です。メイン4人の1人ですから、今後も色々してくれるんでしょうなあ。ああ、2巻読まないと。
 ということで、今回はここまで! 2巻読むぜ!