大体の内容「ダンジョンにはウサギですか?」。ここまでわりと危険なタイミングはあったものの、何のかんので全滅はしてこなかったライオス達。しかし、ここにきてさりげなく全滅の危機に!? というのが都合二回あるのが、『ダンジョン飯』10巻なのです。
一度目の全滅の危機は、ウサギにやられかける、というもの。ダンジョン、下層、ウサギ……。当然タダで済むわけがなく……。ということで、迷宮の兎が超強いという、ウィズやってた人なら当然だよなあ? な展開に。派手に首は飛びませんが、でも喉笛を刈っ切られて、どんどん絶命していくライオス達。こんなところで超ピンチ! ですが、そこはマルシルの魔法で何とかなりました。マルシルの魔法、そういう操作とかも可能なのか! 君は小説家になれるな! とせがさん顔になるくらいにこの世界の魔法って多岐に渡るんだなあ、ってなりました。なんとかなったけど、マルシルにはトラウマ植えられた感じです。
そのマルシル、実はとてつもなく無茶なことを考えていた、というのが今回明らかになります。それ、単純にやったらいけないんじゃないか? 許されないんじゃないか? という本当にトンデモなんですが、そこに思い至った経緯などを知ると、……いや、やっぱり許されないんじゃないか? となります。そこに悲劇性があるのは分かるんだけど、それひょっとしなくても不老不死よりも角がぶっ立ちますね? というレベルでトンデモで、そのタイプの悲劇性に対する対処としては私は初耳だったので、とても新鮮に感じました。成程、そこがライオスパーティーに加わった経緯と繋がるのか。
さておき。
9巻の時に、悪魔が望んだものを与える代わりに全てを奪っていく、という話になっていて、その上で翼獅子の真意が不明瞭である、と言うのが提示されましたが、そこに更にプラスαとして、マルシルの願いについても翼獅子が若干悪い顔していたのが印象的でした。そういう願いを持つ対象がいるなら、誰でもいいのか、あるいはまた違うダンジョンを作らせるようなことを、するのか? という謎がぶっこまれてきた形です。その辺は、読者に予断を持たせる作りで成り立っている部分ではありますが、でもいい加減やきもきしてきているし、そろそろ決着もつきそうなので、さて本当にどうなるこの漫画。って感じではあります。他の悪魔に魅入られた人たちのように、ライオスも、あるいはマルシルもやられてしまうのか。
とはいえ、翼獅子は封じられているとはいえ、狂乱の魔術師に対して全てを奪うムーブをしていない点が気になります。あるいは、そこをする前段階で封じられたのかもですが、その点は気を付けておかないといけない部分と言えるでしょう。というか、ラスボスはこういう立ち位置のやつだよなあ。という感じもあるんですけども。ファリンを元に戻す算段の為には、この翼獅子のダンジョンを受け継がないと、という情報が提示されたので、倒しちゃまずい気もしますし、でも倒さないといけないやつかもしれないしで、その辺の加減がどうなるか、というのも見所ではあります。
さておき。
文字通り死ぬ思いでなんとかウサギを捕獲からの糧食として、作ったカレーを囮として使用し、キメラファリンをサツガイしたライオス。とうとう奪い奪われる覚悟も決まった模様で、果たしてそれがどう大勢に影響するのか。そしてこの巻二度目の全滅の危機に、ライオスの魔物鑑識眼がどう炸裂するのか。そしてカナリア面々とはどういう感じで相対することになるのか。あれ? なんかそういう部分も超面倒臭いぞ? 一気に決着するのかこの辺り!? ということで11巻を早く読みてえ……、となるのでした。