ネタバレ?感想 nonco 『カナン様はあくまでチョロい』2巻

カナン様はあくまでチョロい(2) (週刊少年マガジンコミックス)
カナン様はあくまでチョロい(2) (週刊少年マガジンコミックス)

 大体の内容『チョロいがゆえに、純!』。今回の巻でもカナン様はひたすらチョロいという展開を見せつつ、天界からの使者であるジャンヌさんも絡まってきて、話がごちゃごちゃしてきたけれど、でもやっぱりカナン様はチョロい。というものとなっています。
 だがしかし! まるで全然! このチョロさが純すぎるんだよねえ!
 と4声がでるくらいに、このチョロさが逆説的に今の時代に効果を持ちます。なにせ手をつなぐだけでドキドキするというベタベタの手が使えるのですよ!
 そうなのです。どこかのトライアングルが超速でそういうのを通過しつつ、素早いんだぜえ、俺は! とテクニカルにエロネタをしまくっている昨今にあって、手をつなぐとか抱き着くとかが全然できない、というのをカナン様がチョロいという部分を持ち込むことで、純な交際を見せるという亜空の手つきをもっています。ゆえにこの漫画はチョロい系漫画としても純なラブコメ漫画としても展開するという濃さを持つことが可能になっています。ついでに供犠の友人益荒男撫子さんがM系変態素質、この巻で登場のジャンヌさんが天真爛漫系無自覚エロをかます為、どんどんと濃さが増し過ぎて国士無双十三面待ちレベルのどういう地点目指してまして!? の状態となっています。
 詰まる所、nonco先生の変態性とこの漫画の純さが絡み合うと、例えば耳かき回みたいなどこに行かれるのですか? というレベルとなってしまうのです。耳かきでエロはイマドキではある意味通常技ですが、それを純と変態の二正面作戦でかましてくる為、最終的にカナン様が耳が弱点になる、という亜空の形で決着します。そーきたかー。
 さておき。
 そういう純と変態の合わせ技をメインとして、更に2巻のトピックは三点。それが先に書いた撫子さんのM属性開眼、ジャンヌさん登場、そして学校ぶっちって海デートとなります。
 撫子さんの変態性の開発回は、カナン様が供犠に対して辛辣に当たるのを、撫子さんがそれを私にも向けてください! という次元にまでその回一回で一気にのし上がっていくわりとクルクルパーな話です。カナン様が供犠以外には意外と当たりがいい、学園を餌場として醸成させてたからそうなるんですが、その扱いが撫子さんには物足りず、からのM開眼というのが一回だけで一気に植わるという高速性がいかれています。この辺りは流石にイマドキの漫画という感じですが、それにしてももっとこう、手心というか……。撫子さんが恋愛に絡まないにしても、変態として絡むのはありなのかというか……。
 つか、下手すると供犠と撫子さんがカナン様を取り合うという形すらあり得るので、「お前は何を言っているんだ」とミルコ・クロコップになるのもしょうがないと思っていただきたい。その辺の無茶さがnonco先生の持ち味とも言えますが。
 さておき。
 ジャンヌさん追加については、無自覚エロスと天界の人なので聖人属性が合わさって最強に見える。という感じですが、カナン様と明確に対立する相手でありつつ、その割にまだそこまで強い威力は出ていません。こっちも純ですが、カナン様ではできないひっかきまわし役としてはかなりのスペックはあり、登場回から話をぐちゃぐちゃにしてたりします。もっと濃い回か、あるいはマジで供犠に惚れる回などがあれば、一気に話全体をぐちゃぐちゃにする火力はあると思います。ここまででもまだ秘めているといえるでしょう。nonco先生なら、たぶん凄い弾にしますよ……。
 さておき。
 学校ぶっちの海デートは、先に書いた純と変態の組み合わせが、特に純にふった回と、特に変態にふった回の二回をつなげることによって、この漫画の現在地を見せる形になっています。というか供犠は偶に頭おかしいのに、偶にちゃんと純だから結構わけわからん気持ちにさせられます。カナン様とのツーショット自撮りしたと思ったら、海で濡れた後に着替える服としてバニースーツを提供するので、本当に純から変態に振れるこの漫画の存在意義を感じざるを得ません。つか、供犠マジ良く分らん奴だよなあ……。
 ということで、イマドキ出来ないような純と、イマドキ出来る変態が上手く組み合わさったのが、『カナン様はあくまでチョロい』の2巻の醍醐味なのです。