感想 島本和彦 『アオイホノオ 2』

アオイホノオ 2 (少年サンデーコミックススペシャル)

アオイホノオ 2 (少年サンデーコミックススペシャル)

 大体の内容。焔燃の不完全燃焼。今回も80年代オタ周辺の息吹を存分に発散しながら、どうにもならない日常が島本ノリで突き進みます。何か成したいけど成せない。そんなじりじりとした所もありつつ、ある種いつもの島本ノリ。そんなアンビバレント
 見所。

わかっちゃいないんですよ!!

 無闇に叫ぶのが島本漫画の基本のキですが、毎回高角度で感情の爆発が変な叫びとして立ち上がってくるのがこの漫画。「金田動き!!」辺りの感嘆力と解説力の高さがあいまった叫びなどはその真骨頂ですが、「漫画界!!」とかは流石に発露が激しすぎて、そこだけ取り出すと意味が完全に不明です。そこら辺がこの漫画の評価を分ける所ではなかろうか、とかなんとか。
 基本軽いノリで助けられている、というか迷彩掛かってますが、これって結構重くなる話だよなあ。青春といえば青春だけど、このどうしようもなさってのは、見ててああー、といいたくなるというか。確かにどうしようもないのも青春で、だからどうしようもないんだけど、その辺をオブラートに包むのではなく、どうしようもなさで包んで笑い所にする、というのはいい手だなー。これをアオイホノオ戦法と名づけよう。
 とかなんとか。