感想 田口雅之 『ブラック・ジョーク 3』

ブラック・ジョーク 3 (ヤングチャンピオンコミックス)

ブラック・ジョーク 3 (ヤングチャンピオンコミックス)

 大体の内容。今日も悪いお仕事が続くのであった。そういう漫画ですからね。クライム物にしては基本部分に変なアッパー部分のある漫画でもありますけれど。小玉、あかりの基本的に超人としか言い様のないのに別に特別に超人設定がある漫画じゃない辺りもしかりですが、細かい所でこの巻ではランオーバーの組織の統領が、ランオーバーを(当然ハイテク車椅子込みで)2mくらいの高さに片手で悠々と持ち上げている絵は、周りは普通の事だって顔してるのもあってこの巻における最大のツッコミ所です。無粋なので言いたかないですが、いやそれおかしいだろ。
 さておき、二巻目はジョニーが悪目立ちしすぎでしたが、この三巻はメインメンバーの出番が程よくあって、大変バランスのいい巻になっております。吉良が最後以外での若干目立ち方が弱いですが、荒事するタイプじゃないから仕方ない。荒事しないのに一定以上の存在感がある方が凄ェ! ってものです。そういう中にあってもあかりの荒事話『恍惚A嬢』は白眉というか眉をひそめるというか。“ミノタウロス”もいい感じに無茶で、だったのに。いい加減、あの死亡フラグどうにかなんないの? って部分もあれですが、あかりが乙女しすぎであれです。乙女しながら破壊活動してるのを見たのが、自分がこの漫画を初めてみた瞬間で、一気に「ああ、頭おかしいんだこの漫画」って引き込まれる事になるのですが、それは余談。
 他は吉良と小玉の馴れ初め(語弊)辺りが特に人死でる話ではないので異色ながらも、どうしてこいつらつるんでるの? って辺りの当たり障りのない回答なので、余計に端々の無茶さがにじみ出る結果になっているのも見逃せない所でしょう。つか、剣山無くてもあの高さだと下手すりゃ死ぬだろ。っていう辺りに突っ込みを入れつつ読むのがジャスティス。