感想 田口雅之 『ブラック・ジョーク』9巻

 大体の内容「第四の果実編、進行中!」。逆に言うと思った以上に長期エピソードになってきている第四の果実編が延々と続く、それが『ブラック・ジョーク』9巻の内容なのです。
 正直に申しますと、好きな漫画ではあってもこの展開長引き過ぎてませんかねー!? という叫びを最初の読み終わりで持ったりしました。全体的に謎が多過ぎる展開だったので、そのフォローがこの巻前半で消化された格好なのがその要因です。つまり説明長ーよ! なんですが、それでも基本的に色んな見せ方、色んな場面を挿入しつつ並行的にはしているので、読んだ後にその事に気づく辺りが巧みとは言えるんですが、でももうちょい早く展開終わりませんかねー!? とは言いたくなります。巧みさもありつつ、更に後半で状況が一気にきな臭くなってこっからバトル展開だ! ついでに吉良の姦計がどうなるか! というのもあり、満足度は高いんですよ。高いんですが! まあ、これはちょっと贅沢な懊悩なのでしょう。それだけ面白いからでありますから。でも(略)
 さておき。
 第四の果実編は予想以上にきな臭く、とんでもなく、訳分からんちんであります。前回の敵は完全なクローン、というのがまず無茶ですが、それが変わった選択をした(婉曲表現)国の専売特許で、クローンの国を生み出し、そこでクローンを成長させながら元本の人に何かあったら内臓などを移植出来る事を売りにしている、ってのも無茶で、その売りに対して最大手がアメリカで、そこに吉良達が追われる形になっている、ってもう何が何だか。よくこんな無茶な話にしたなあ、という気持ちでいっぱいです。楽しいんですけどね。これからどうなるか全く不明でたのしい! って変顔になるくらいには。翻弄される事が楽しいのがこういう漫画の楽しませ方だろああん! と逆切れ気味に言いたくもなります。でも、こっから本当にどうなるのか。吉良の隠し玉は何か。小玉は最新装備で固めた複数人を相手に一人で対応できるのか。あかりの仕込みはどう生きるのか。ラン・オーバーはこの状況でどう我を通すのか。イドゥンの台詞に不穏なとこあったけどそれはどういう意味か。ガンボート存在感ないまま終わるんじゃねえか。それよりジョニー死んだ!? など、本当に気になる事多過ぎです。帰ってきて早々ですが、早く10巻というか第四の果実編終わらせてください! というかあれでジョニー死亡ってそんな訳ないですよね? ね? あーんジョニー様死んだ!? ←落ち着け
 とかなんとか。