感想 田口雅之 『ブラック・ジョーク 4』

ブラック・ジョーク 4 (ヤングチャンピオンコミックス)

ブラック・ジョーク 4 (ヤングチャンピオンコミックス)

 大体の内容。まさしく小玉無双!
 今まで強い相手とは戦えないものの、強い部分、というかほとんど超人というのは描写されていましたが、今回の“紅の虎”編はその部分が強く強く露出する話となりました。色々ハンデがあったんですが、やはりモブではネームドには逆立ちしても地球が裏返っても勝てないのが、この漫画の基本だな、と思うしかない圧殺っぷりでした。ああ、ネームドには一応自称“紅の虎”が居たっけ。最初強いんじゃないか、って雰囲気だしてたのに、俺様劇場がばれたら途端に弱くなったのは、やっぱり最初の見せ場くらい作ってやらなきゃっていう慈愛なのか、登らせておいてからのはしご外しなのか。後者の気がするのは、やっぱりやられっぷりが酷かったからでしょう。まあ、相手が作者的に人間じゃないって言われるキャラだから、人間の範疇じゃあ、ああなってもしょうがないか。
 さておき。
 “紅の虎”編で出てくるソナム一家、というのが今までと違う絵、簡単に言うとリアル路線の顔だったのは、軽く驚くべきことかと思います。今までリアルというより超リアルとでも言うべきデフォルメの掛かった顔が多い漫画だったのが、ここに来て突如リアル路線顔を、この回だけのキャラだというのはありますが、したのは、模索期に入ったのか、リアル顔でどこまでできるか試してみたのか、辺りではなかろうかと邪推してみました。なんでこの回で、というのはまったく不明ですが。にしてもホントリアル調って、所謂不気味の谷にはまってしまうんだな、ってくらいに違和感があるので、ある意味必見。この回だけかもしれないですしね。