感想 わだべん。 『℃りけい 1』

℃りけい。 1 (ヤングジャンプコミックス)

℃りけい。 1 (ヤングジャンプコミックス)

 大体の内容「理系っ娘、世に憚らない!」。基本的に対外的な折衝するより、己の内に篭って思索する研究者タイプが揃いも揃ってるのに、よく話が回るよな…。という思いに囚われてしまいますが、理系JK生態漫画、という触れ込みから考えれば、とにかく理系的に動けばどうという事は無いのよ! と理解できる所であります。アグレッシブにストーリーが展開する漫画じゃねーからこれ! とでも言いましょうか。お前それでいいのか? と言う向きにはそれでいいのだ! で返しておきたいものです。
 さておき。
 大体どういう漫画かというのは上記した通りの理系JK生態観察漫画であり、どの辺が理系かというと新入生獲得の為の部活紹介でハンダゴテやるとか、身体測定にゴトシ靴下を考案するとか、そういう方向で理系です。意味が良くわからないと思いますが、まあそういう漫画なんですよ。そしてそれ以上の振れ幅は特に無いんですが、それゆえにキャラ物としても妙味は混載満載大喝采。わりと天真爛漫系トノエ、研究者肌というか内弁慶の気質の強い彩、やや寡黙系巨乳蘭、運動も出来るタイプなのに高度なPCオタ聖、やや巻き込まれキャラくらいしかこの巻では出てない花織、の五人でお送りする、それが『℃りけい』なのです! 花織さんがキャラ性薄いにも程がある、という説については然り、としか答えようが無いですが、それはおいおいなんでしょう、と勝手に期待するのが一番いい感じ方ではないかと思います。
 キャラの立ち筋で言うと、基本的に突っ込み役だけど人前では借りてきた猫状態になる彩さんと、懸賞で当たった危険なPCパーツに最高に良い笑みをしてしまう聖さんが双璧。正直申しまして、両人ともこんな可愛い子が存在するわけがない! と思わせてくれるファンタジー領域の立ち方ですが、だが、それがいい。彩さんの理屈好きっぷり、仲間内には強いけど対外的には劇弱っぷりなんてリアルに考えると面倒なだけですが、しかしここは漫画なのです! 永遠の遠さで断絶があるからこそ、安心して可愛いわぁ、萌えェ…とか言えるのであります。ありがとう、漫画!