感想 わだぺん。 『℃りけい。』6巻

℃りけい。 6 (ヤングジャンプコミックス)

℃りけい。 6 (ヤングジャンプコミックス)

 大体の内容「国木田さん家に農作業に行こう! 他」。いつも特別何かに打ち込む訳ではないこの漫画ですが、今回のメインは国木田さん家での農作業体験。というか使いっぱですが。農の人にとって友とは人出、という言葉は大変しっくりきて、名言であるなあ、と思う、それが『℃りけい。』6巻なのです。
 国木田さん回は、都合三回ある訳ですが、その三回どれも、国木田さんの表情が柔らかいのが最も特筆するべき点です。自分のテリトリーで翼をはためかせる、というのは理系ならずともある光景ではありますが、今までの国木田さんは常にきりりとした雰囲気であっただけに、今回の柔らかさは予想外に自分の内に来るものがありました。


この柔らかい表情!

 正直申しまして、今まで国木田さんはノーマークというか、眼鏡っこだけどクール系であり、彩さんとはまた違うけど、あんまり趣味じゃないかな、とか思ってましたが、今回のメイン回で見方がまさしく百八十度変換させられました。こういう側面があるのか! そしてその側面だとやけに可愛い! というので、もうメロメロです。今回の巻では堀さん回*1や武者小路さん回*2が、それぞれに個々人の良さがしっかり出ているのもポイント高いなんですが、それでも国木田さん回のゲインぶりの前では霞む勢いです。というか上記画像の表情でお茶碗三倍いただけますわー! なのにそれ以外でも気分が高まっている国木田さんの可愛らしい面がたっぷりなので、上記画像の表情にピンときた眼鏡っ子スキーの方には『℃りけい。』既刊6巻まで全部買ってみても後悔しませんよ! という謎の推しをしてしまいたくなったりもします。実際、いい漫画なのでもっと読まれればいいのにと思うんですが、それはまた別の話。
 さておき。
 国木田さんが大幅に株を上げたゆえに、自分の中で彩さんの株に重大な影響が出てきております。つまり、『℃りけい。』眼鏡っ子頂上決戦めいたものが勃発しかけているのですが、それでもやはり彩さんがいいなあ、という結論が出たりします。メインキャラだから露出多いのも要因ですが、こういう部分があるから、というのが次の画像。


大ハッスル!

 元々空飛ぶ物に心奪われてるお人であった彩さんですが、ラジコン農業用ヘリでもここまでハッスル出来る辺りほんまもんであります。そして、この前後不覚ともいえるハッスルぶりが大変可愛らしい。ちょっと引くくらいのテンションの高まりっぷりが、それがまたいい訳ですよ。本当に好きなんだな、というのが見るからに分かるのがいいですね? 他の回で女子力が無い、というのでちょっと考えてた彩さんですが、これを見るとそれはそれで可愛いので、亜種の女子力があるようには見えました。あくまで亜種なので正統な女子力との互換が無いのが残念ですが、それでもこういう面というのは可愛く見える人もいるだろう、とは思えます。彩さんが恋とかしたらどうなるんだろうなあ。メロメロになった彩さんとかみたいですね……。家では中学のジャージでチキンラーメン食ったりしてる子ですけども。
 最後に、もうひとつ画像を。


詫びてるなあ

 国木田さん回で、黙々と炭を作るトノエさんの図。楽しい、という言葉とはおよそかけ離れた表情をしていますが、何も楽しいのはヒャッハー! 水だー! というテンション高まる方向性ばかりではなく、こうやってしみじみと楽しいと感じるタイムも存在するのだ、という提示には膝を打つより他がありません。個人的には格ゲーで延々コンボ練習してる時にこんな感じの楽しいを感じているなあ、と気づいたりもします。とはいえ、炭作るのでこんな楽しいを感じる、というのはちょっと自分にはないベクトルですけれども。でも、そういうのもあるんだなー、と感じさせられるのも、この漫画の良い所であるなあ、とか思うのでありました。しつこいけど、理系女子生態漫画としてだけではなく、日常の一コマを切り取る漫画としても、いい漫画なんですよ。
 とかなんとか。

*1:堀弟君の、リサさんの制服姿にキュンと来てるとことかがポイント高い。制服で、というのがよく分かっている。見込みがある。

*2:基本的に子供なんだ、という評が大変理解しやすい回でありました。