わがままDIY 1 (DOS/V POWER REPORT)
- 作者: ざら
- 出版社/メーカー: インプレス
- 発売日: 2011/12/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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大体の内容。「わらし様が作ってる」。基本的に一話2ページ完結のショートストーリーなこの漫画ですが、それでも十二分に内容が詰まってるのが流石のざら仕様。その対価は掲載誌の大きさから半分程度の状態になった影響、つまりちょっとちまいせいで細かさが仇になってる事でしょうが、それがこの漫画の面白さを減じるかと言うと、とんでもない!と答えられると思います。それだけみっちりPCネタのざら味漫画、それが『わがままDIY』なのです!
この漫画がいかなる経緯を持ってPC誌に載っているかは余人のあずかり知らぬ事ですので、ご縁があったんだろうなあ、という駄反応でうっちゃって、もう少しこの漫画がどういうものかを説明すると、と言ってもまあ大体の内容として書いた通り、ざしきわらしのわらし様が自作PCってるのを基本コンセプトに、PC絡みのネタを交えつつ、面藤さんとわらし様の毎日が繰り広げられます。途中新キャラ投入等のてこ入れもありつつも、わらし様が変なPCを自作るという基礎は揺るがない辺りがこれまた流石のざらテイストと言った所でしょうか。出来ておる喃、ざらは…。
漫画としてのネタの方はPCネタを随所に盛り込みつつ、時代時代のオタネタもふんだん。どれも絶妙のタイミングで使われるので、元ネタが良く分かってなくてもなんとなくノリで楽しいと感じられる点は大変良いパロディノリだと思いました。時期的に『ふおんコネクト!』終盤と重なってる分、パロディネタのフり方が上手いと感じました。タツジン! しかし時代は下って『しかくいシカク』連載時期へと突入すると、そういうネタをフる事が少なくなり、内容で勝負だろ、内容で、という面構えへと変化していきます。そういう意味で、ざらヒストリー、あるいは漫画家としてのスキルの進展を見るにもうってつけの漫画かもしれません。ごめん、スキルの進展って言いたかっただけだ!
さておき。
最後にどうでもいい事を書くと、剣津原さんが眼鏡装着で出来る女に進化する、というキャラ性の立ち上げ方はスゴイナイス事案であったなあ、と思います。眼鏡っ子が眼鏡を取ると、はオタ世界のチャメシ・インシデントですが、その逆を突く見事な采配が功を奏し、ノー眼鏡っ子が眼鏡っ子になる理由付けとして高いレベルでまとまっていたと思います。裸眼っ子にこんなに自然に眼鏡を掛けさせられるなんて、思いもしませんでした。『P4』の眼鏡をつける理由付けとタメを張るナチュラルな理由付けではないでしょうか。つまり何が言いたいのかと言うと、眼鏡っ子、イエスだね! でファイナルアンサーであります。サエさん実際カワイイ!