感想 平坂読 『僕は友達が少ない 5』

僕は友達が少ない 5 (MF文庫J)

僕は友達が少ない 5 (MF文庫J)

 内容を要約すると「円熟」。キャラが一般的に友達とこなすイベントをバタバタこなすだけで楽しい。不思議! それもこれもキャラの旨みが円熟の域に達してきたからに他ならない、そういう説を提唱したいのでありますハイパーン!(机打) 今回はやや脇キャラの側面の強い幸村と理科がだいぶクローズアップだった回なわけですが、そんな中で行われた幸村のキャラの大変革は、やっぱり今までの積み重ねがあって、それらが全て萌え要素として立ち上がってくる瞬間の花咲きっぷりの見事さが見所でありまして、平坂読よ、しでかした! と大笑せざるを得ませんでした。つーか、そのパターンかよ! 『ホーンテッド!』を思い出せっていう婉曲なメッセージかと思ったじゃねえか! 勘違いだって分かってるけど! でも、そのネタかよ!
 一方、理科は不憫でありました。まあ、重力に対してファッ○とか言ってるのに正統派な異性意識っぷりである髪型チェンジでモーションという時点で、自分の色物性が理解できてない哀れさが炸裂してきます。正直に申しまして、理科はもう普通のモーションだとどうにもならないと思うんですよね、あれだけ初期に色物度を叩きつけちゃってるからには。もう、色物なら色物らしい攻め方する以外に道は無い、とは読者サイドの思いですが、実際そういう道通りそうな節も。パッキンツインテってお前…。
 さておき。不憫というと、基本『はがない』の女性陣は小鷹がニブチンなのと、皆攻めが超苦手な為にどうしても皆不憫なのですが、今回の夜空の不憫度はどうした事でしょうか。絶叫マシーンで叫ぶ時ですら小鷹の名前は小声になるとか、幸村の秘密を知って脅威に感じて策を労じて大失敗、とかどうしたの夜空、不憫可愛いじゃねえか! メインではあまりない場所でも不憫度を高めるなんて、流石メインヒロインであるはずの事だけはある!
 一方のメインヒロインである肉は基本的に不憫というより残念でしたね、今回。いや、残念じゃない回が無いのが『はがない』の魅力ですが、ったて小鳩を篭絡しようとしてついぼろがボロボロ出てしまって更に嫌われる辺りは残念すぎます。しかも嫌われてるのも少しいいみたいな所は本気で…。4巻終わりで結婚話が飛び出たと思ったら5巻始めではなんともなかったぜ! されただけの事はあるなあ。とかなんとか。