感想 えのきづ 『琴浦さん 2』

琴浦さん2 (マイクロマガジン☆コミックス)

琴浦さん2 (マイクロマガジン☆コミックス)

 大体の内容。「琴浦さん! 事件です!」。ゆるやかになったかに見えた琴浦さんの生活に、殺人事件という新たな波乱が幕を開けるのでありました。まあ中盤まではそんなん露ほども感じさせないくらいゆるやかなんですけどね! いや、一波乱あったりしますけど、殺人事件よりは大きな波じゃあありんせん。
 とはいえど、その紙面的に小さな波も琴浦さんには結構な大波。というのも、昔自分の能力で人生を狂わせてしまった母の登場と相成ったからであります。この母、夫のある身で他の男と、という人道的にアレという極めて分かりやすい人で、琴浦さんの能力が無くてもいずれ人生狂ってたのは間違いないんですが、小さい頃の琴浦さんにそのような事が分かるはずもなく、且つその母から相当酷い言葉を言われてしまって、で、一巻初期の琴浦さんの素地が完成してしまったようであります。その母登場は、ゆえに琴浦さんには大波なのでありましたが、一巻という積み重ね、色々があった琴浦さん、それに果敢に立ち向かいます。それは非常にたどたどしいと言える触れ合い方でしたが、一巻素地琴浦さんでは乗り越えられなかっただろうと想像に難くないので、この頑張りは素直に褒めてあげるべきだと思いますので褒めます。良くやったね、琴浦さん
 さておき。
 そういう波乱な一幕も混ぜながら、ゆるゆると進むかに見えたストーリー展開、実際にゆるゆる進んでいて、こちらが大油断していた中で、もう一方の、大波乱が発動します。というのが先に言った殺人事件。しかも結構猟奇で、琴浦さんたら運悪く、その犯人の心を読んでしまいます。という事で始まる大波乱、その結末とは、と言うと、この巻では決着いたしませんで、「んならこいつを見切ってみろやー!!」と謎の錯乱をして続きを所望する私でありました。しかし、クラスの皆の前で自分の能力、人の心を読めるというのをカミングアウトしたのはかなり大きなパラダイム。昔の琴浦さんでは絶対にない選択肢を、出来るようになったというのは、全くいい話ではないこの巻の後半にあって、いい話ではなかろうかと思います。これがいずれ火種になるかもしれませんが、今は良くやったね! と言ってあげたいと思います。
 さておき。
 最後にどうでもいい事を書くと、女刑事さんの腹ペコキャラがかわいいじゃない。なんか常に何か食ってるよねあの人…。
 とかなんとか。