感想 蛇足せんたろう 『ヒメとトノ 1』

ヒメとトノ (1) (まんがタイムKRコミックス)

ヒメとトノ (1) (まんがタイムKRコミックス)

 大体の内容。『乙女の恋はニヨニヨニヨニヨ!』。きららニヨニヨ東の横綱である所の『あっちこっち』がディフォルメ絵でエロさなんかよりちんまく可愛くでニヨニヨ出来るのに対し、この『ヒメとトノ』はリアル頭身且つたまに炸裂する半裸のエロス、それらのフレーバーがあるけどやっぱりニヨニヨ出来る作品と相成っておられます。個人的な話で言えば、きららニヨニヨ西の大関席くらいは与えてもよろしいのではないかと考えていますが卿らはどうか。
 さておき。
 そんなわけでこの漫画は基本、トノ(乙女)がヒメ(野郎)にラブきゅんきゅん、なんだけど通常時はデレれず、ツンというかクレーバーな対応であしらってしまう、もっとラブしたいのに! というのを傍目から見てニヨニヨ見る漫画なんだよッ!(キバヤシ断言)
 ニヨニヨ漫画(今命名)の例に漏れず、女の子の悶々が大変に可愛く、その可愛さが主原料として成り立っているわけですが、その雄である『あっちこっち』がそれだけに収まらず色々な手、まれにトリッキーな話を混ぜて来るのに対し、『ヒメとトノ』はトノの可愛らしさとエロさで全押し。この全押しこそ『ヒメとトノ』スタイル。可愛い女の子が可愛い所を発揮してるのを可愛いといって見る、清い女の子がエロい所を妄想してエロス!(by佐天さん)する、それ以外何がいるって言うんだ! と言う力強い言葉を感じます。力強すぎるというか、直情過ぎてやや攻撃がパターンなのよね! な傾向があるのがあえて言える難点ですが、なに、これだけの物が食えるなら、似た味だろうが大丈夫! あの手この手で味を変えようという手腕を楽しむのもまた粋と言えるでしょう。
 さておき。
 漫画には限界登場キャラ数というモノがあるのは皆さんご存知だとは思いますが、あえてご教授させていただきますと言うほどでもない事を書きますと、漫画というのには出てこれる限界のキャラ数、というのが存在します。これには下限と上限があり、作者によってその限界値が違います。その限界登場キャラ数、この漫画の場合の下限は2人、上限は今の所5人となっておりますが、その時のキャラの動きを見るに、大体3人が限界値と見ていいでしょう。
 このキャラ数、下限と上限が近いほど話が狭くなり、話が巡りにくくなるわけですが、『ヒメとトノ』はそん中でも力強く歩いている部類、流石にそのエキスパートである『キルミーベイベー』に比べると色々とキャラを出してみようっていう茶目っ気もありますが、ではあります。そんな狭い話でめぐらせてるこの漫画ですが、それでも話が駆動するのはやはりこの恋心がピュアだからでしょうか。まっすぐ貫いて、でも言い出したりは出来ないもやもやした辺りから発動されるニヨニヨ、これですよ。そういった安心のニヨニヨ、いいものでございます。とかなんとかいってみるのでありました。