『まんがタイムきららミラク』vol'1 感想

手始めに

 この感想は、素晴らしい日々さんのクロスレビュー企画に反応して、やってみる! という事で書いてみたものです。詳細はリンク先参照ってことで、これ以上の前置きは抜いていきますよー。
 以後の分はこちら

今号の巻頭漫画感想

小波ちま「リリィ」

 今回は初回、という事なのかなんなのか、表紙絵の方がそのまま巻頭も描いておられます。という事で、その感想を。
 絵はイラスト畑の人というらしい*1ので端整且つ可愛い絵を描かれるなあ、という印象。後、微エロい。風呂シーンとか。嘘泣きとか。表紙のへそとか。こてこてのエロさを狙わないのは好感が持てますね? きらら系でこてこてのエロさを狙ってる漫画ってあったっけ、とか思わないでもないですが。
 後、序盤のカラーと後半白黒との描き込み比がえらい事になっておる、というのが思った事の一つ。とは言っても、後半から悪魔さん? との会話シーンとなり、別の世界かなにかに飛んでるので、その分もあって描きこみ比が出てるんですので、それは勘案しないといけません。でも、やっぱり熱量が違うような…。
 さておき、話の方、と言ってもこちら、まだ駆動前というか、承前の段階。この話ではまとまっているものの、これからどうなるかは、全く不透明で謎を残して、という状態であります。悪魔さんとかは一体なんなのか、表紙のメインビジュアルの時の久美さんの服装と、悪魔さんの服装が同じなのは一体どういう事なのか、とか、謎。これで次のミラクが出なかったらどうなるって言うんだ…、と恐々としておりますが、恐々とするという事は結構気になってるというわけで、そういう意味では悪くなかったのではないか、と考えてみます。

個別チェック四連撃

眉毛「純粋欲求系リビどる」

 主人公君(男)のリビドーを求めてくる娘達! ミラク内どころかきらら系でも類の少ないバトルヒロイン物、かしら。今回のミラク内では一番、キャラ出し、話の概要、絵がうまく行っていた漫画だと思います。『コミックマスターJ』の名言を借りるなら、「面白い漫画はね、一話目で決まるのよッ!」がしっくりくる漫画だったのではないでしょうか。実際、きちんとまとまって、これがゲスト扱いの一回限りになっても問題ないくらい。いや、今後連載してもらいたいですけどもね!
 漫画としてはバトル物になりそうなのにバトルシーンの端折り方が納得いかない感じでしたが、まあ4コマでアクションは厳しいのでその辺は煮詰まってきてどう表現できるようになるか、という楽しみとして取って置きたいところです。それとかがうまく行ったら、結構いい漫画になりそうです、絵もコスチュームも微エロいですし! 個人的にはレンちゃんのコスがエロくて素晴らしい出来ではないかと思います! はみ出ろ!←わりと最悪の発言
 内容的には、最初にも書いたように一回目として完成度の高い見せ方で、主人公君のキャラとそれゆえの特殊事情とか、三人娘と憧れの君のキャラ見せとか、上手い。憧れの君がややキャラ弱いというか、主人公君の妄想ばかりでしたからね…。でも最後でいい子っぽいのが分かったので、まあ許容範囲内です。三人娘の方も抜かりなく、何故か主人公君に絡んでくる、というので主人公君がもだえる展開が素晴らしい。実際可愛いですし! ホント、ちゃんと続いてくれたらなあ。

name「前から二両目」

 女子高生愛づる女子高生! 端的に言うとあなた思春期の中高生ですか、で大体の内容が分かっていただける物ですが、あえて書くと女子高生が女子高生の電車内姿で萌え萌えする話です。あまりに視点がJK萌えに傾倒してるので、苦手な人には食い辛い作品ですが、ゆえに自由! って感じがします。
 今の所、内容的に基本は電車内限定っぽい話になりそうですが、それすぐネタが尽きますよね? というか今回で結構ネタ吐いたのか、最後の方は学校>喫茶店に移行しており、今後は電車より喫茶店とか学校での話が多くなりそうな。でもそうなると題名詐欺に…。電車中心のノリは維持していただきたい所です。
 漫画としてはやや動きがぎこちない場面があるものの、絵で何しているか表現するという十分条件は満たしているので、以後鍛わってくれば良い良い良い。そういう意味でも話の基礎的な意味でも、今後に期待という言葉がぴったりと来る漫画といえましょう。
 キャラ的な話をすると、このミラク内で一番立ってたキャラは誰か、といわれるとこの漫画の三葉さんではないか、ってくらいのキャラ立ちしておられました。特定シチュエーションでの女子高生が好き過ぎるのが痛い程理解できる。というかイタイ。でも、痛くせねば覚えてもらえませぬ。って誰かが言ってた。アレくらいイタイ方が、キャラとしては分かりやすいんだなあ、とかなんとか。それでいて、エプロン姿&ポニテはかなりいい感じで、やっぱりポニテール三倍段という言葉に嘘はないなあ、とかなんとか思うのでした。

柊ゆたか「Good night! Angel」

 女子高生殺し屋! 一瞬『キルミーベイベー』を彷彿としてしまいがちですが、あちらが基本的にバカ話でソーニャちゃんが殺し屋っぽい事してる場面皆無なのに対して、一話目からその辺もしっかりとしてきたこのグナガ(適当な略称)はその辺をきっちりしていこう、見せていこう、という腹積もりのようで、見ていてやる気を感じます。そのやる気、イエスだね!
 しかし、殺し屋ってキャラ付けとゆえに友達がいない>でも高校からは! が無理の無いマッチングではなかったかと思います。友達いないキャラが友達を作り始めて上手くいく様、というのもこの漫画の基礎になるようですが、片や高校の普通の友達、片や母の陰謀かなにかでパートナーを組まされる形になった殺し屋っ娘、と、ゆりっぺのどちらの顔にも仲間を作る、という点は見事な配役。これでどうなるか、殺し屋稼業の話が濃厚になるのか、それとも今回だけで後はゆるい日常へと回帰していくのかが良く分からないですが、その辺はまあおいおい分かってくる事なので、続きを期待したい所です。
 後、ゆりっぺ可愛いですね。天の与えし黒髪ロングツインテ!←駄目発言

奄美あまゆ「Lisa step!」

 先生物。この学校の先生レベルたけえな…、と思わせるものがあります。特に御子神先生がこういう漫画に良くいる良く分からないタイプで可愛いですね? ちっさいし! もしゃもしゃ食ってる様も小動物っぽくていい! 飼いたい!←え?
 この一話はメインになるであろう先生を順繰り出しつつ、メインであるリサ先生がどういう人か、ってやるタイプの一話目でした。話ったってリサ先生がドジっ子発動したり、皆で飯食ってるだけですし。駆動の仕方なんて分からない、あるいは分かり易すぎる。という事で今回で分かった事はリサ先生迂闊可愛い、御子神先生良く分からんかわいい、小宮先生胸カワイイ、でしょうか。なんだよ、可愛いのだけかよ、といわれてしまいそうですが、特にストーリーのあるタイプの漫画にはならないだろうから、可愛いって言っとけばいいんだよ! 先生漫画は駆動する方向があまりないですし。というか、駆動する時は終わる時だし…。ある意味きらら系として順当な漫画ではなかったかと思います。自由といわれてきらら系のものデフォルトをするものがいてもいい。自由とはそういうものだ。ってロジャーが言ってた。

今号の巻末漫画感想

白滝キノコ「びぎなーす9」

 野球するよ! という話。スポーツ物として部活作りから始まるのは王道ですね。ストーリーラインはそういう話で、先生と対決! という展開が今回の山場。先生は白衣でバットをぶん回す形になっており、わりとちゃんと野球経験あるっぽさを演出します。白衣でぶんまわしてるって良く考えなくてもなんで脱がないんだよ、ですが、多分はためく白衣が描きたかったんだよ。
 絵が荒めに見える所もありますが、スポーツ物に必要な動きの感じはしっかりあるので、一応及第点ですかね! アニメでも動く画が荒くなるのは逆に臨場感があっていいのと同じ理屈です!(何様
 しかし、野球漫画、とは厳しいスポーツを選んだなあ、という印象。定員数の多い野球漫画は、相手先が増えたりするとキャラ立てが難しくなる、相手の主要選手が少なくても2,3人は目立たないと駄目、なので、そういうキャラを見せる形の多いきらら系には向いているのかどうか怪しい感じです。でも、やるという意志は尊重してあげたいですね!(何様

最後に総評

 きららタイプの漫画雑誌でなくてもよくあることです、内容は玉石混合なわけですが、そんな中でもメインの雑誌スタイルである“自由”と“新ヒロイン”はどれも頑張って目標としていたと思われます。
 バトルヒロイン物、JKのJK萌え、殺し屋、悪魔憑依、スポーツ、先生、おかしくなった地球、西瓜。
 やりたい放題とまでは言わないでも、好き勝手で手前勝手、きらら系列ではなかなか出来ない話がまとまっていました。どれも平たく言うと売れ線じゃない、といいましょうか。でも、生物多様性じゃないですが、色々な漫画が無いときらら系列もいきなり世の中の軸がぶれたら大変なわけで、そういう時の為の一作を作っていく、というのは必要な策ではないか、とポジティブに見ることが出来る、そんな雑誌になっていた、と思うのでした。

*1:この雑誌自体がそういう人を中心にしている、らしいとは聞いてるけど、誤情報だったらどうしよう。