感想 平つくね 『ラッキー・ブレイク 1』

ラッキー・ブレイク (1) (まんがタイムKRコミックス)

ラッキー・ブレイク (1) (まんがタイムKRコミックス)

 大体の内容。「デザイナーズ・ワーキング!」内容は基本的にファミリー4コマ世界に近き物、お仕事物です。その職はデザイナー。デザイナー! なんと聞こえのよい言葉かー! という事で語面からは華やかな印象を持たれがちだけど結構地道臭いデザイナー職に、なんか偶然で就ける形になった陸さんをメインな女史面々が果敢に立ち向かう。それが、この漫画『ラッキー・ブレイク』なのです!
 お仕事系漫画、つまり社会人系漫画はその仕事の深度のどの辺まで食らい込むかで味わいが変わってきますが、この漫画はデザイナーという、ぱっと聞いたらハイソでエレガントでフラワリーな感じを想像してしまうお仕事を、しかしきっちりする事は泥臭いですよ、他の仕事と同じですよ、と見せるタイプ。その辺のイメージギャップが、成る程これもお仕事じゃねーの、って言葉を吐き出させてくれて、ゆえに覗き見る楽しみもくすぐってくれもします。無論、華やかーな、フラワリーな所が無いわけでもないんですが、そういうのよりも、工場でクレーム部分の調査したり、仕事場のG退治したりしてる、っていう部分が当然あるだろう部位であるがゆえに、なんとも地に足が付いた漫画だなあ、という印象を与えてくれます。ふわふわした雰囲気が多いきらら系4コマにしては、足場がしっかりとした立地にある、虚栄が少ない、とでも言いましょうか。
 さておき。キャラ的な話ならメイン主人公である陸さんよりも、キシモンさん大好きいくさんよりも、たまに可愛い過ぎるけど基本男前なキシモンよりも、ライバル登場で一番ぐちゃぐちゃしたちゃこさんよりも、デイさんの話が最優先です。流れに貢献度が高い上記四人に比べて、フレーバーの側面が強いせいであんまり出番無いデイさんですけど、でも出てくるタイミングではかなりのインパクトを残すのがデイさんです。中でもやっぱりG対策でクゥモ(『鉄拳』シリーズの“クゥマ”っぽく)を導入、しかし見てないうちに逃げられて、でもいいかって開き直ってる所は白眉でした。クゥモ放置! なんとk(略)なんで対策出来るクゥモを所持していたのか、という辺りがペットであるという以外語られないですが、たぶん自分の家でもクゥモで対策してるのかなあ、と思わせてくれるのがデイさんです。部屋では放し飼いなんだろうなあ。デイさんだし。でも、そのクゥモ対策出来るアシダカ系じゃないですよね? それでも捕まえる事は出来るのだろうか…。まあ、自信満々で連れてきてるんだから出来たんだろうなあ。
 そんな不思議系感満載のデイさんですが、ちょっと褒めが入ると照れが入てキレるという、耐性が低いのかなんなのかな習性(習性?)がありまして、それがまた可愛いわけですよ。照れ入る不思議系って素敵やん? というか、デイさんは不思議系に入れていいのだろうか、とか思ったり。ちょっと違うだけじゃないですか! やだー!
 違う、というと社長(1巻段階ではネームレス)も一味違い、学生漫画でいう所のポンコツ先生役なんですが、だからって、ポンコツだからって社員に学生服着せて仮装! というのはどうなんですか。自分も女教師装備したりしてるけどどうなんですか。職権乱用じゃないですか? と、思わないでもないですが、女教師装備が素晴らしかったので不問にしたいと思います。そんな感じな社長さんであり、それがまた可愛いですね?
 んなわけで、お仕事物と女の子キャッキャウフフ物の融合、というレベルまできららが進んでいる、という見方が可能な、そんな漫画だと思ったと記帳しておきたいと思います。