この項について
ここは、まんがタイムきらら4コマの2巻、3巻で終了した作品について語っていく項となります。前からやってますが、ちょっと期間が開きました。中々取り掛かれないの魔物に、というかゲームやるの楽し過ぎたので、そっちに傾倒していました。
さておき、きららにはいろいろな作品がある。それも少数巻作品だと本当に多彩にあります。
しかし、ここは巻数が少ないが故に長く語られない。長い作品は長く語られます。トートロジーというかある意味当然というかです。
しかし、短い期間で終わった作品は、中々長く語られない。連載が終わると一気に退潮します。
それでも、なんとか折に触れて、思い出してもらいたい。あるいは知ってもらいたい。
そういうのを思って、ネタとして語りたい欲を昇華させるのが、この項の主な作成動機になっています。
当然、個人的に好きだったをメインの駆動系としてやっていくものですので、偏りとかはあります。歴史的な価値? クソくらえデース……。とディビット・ライス(『魔人探偵脳噛ネウロ』)顔にすらなります。ふーふふんふふん……。その辺はご容赦願います。
さておき、今回はごくごく最近の2巻乙漫画、こんぱる&ふじしまペポ『のむラリアット!』について語っていきたいと思います。
それではいってみましょう。
『のむラリアット!』とは。
梟池高校に入学した、野村桃&みるく姉妹。そこで偶然であった空条翼さんに連れられて、行ってみた先は女子プロレス部! 部活で青春したいみるくさんと、女の子を愛でてぐへぐへしたい桃さんの思いが同時に満たされる場所だ、ということで、流れで女子プロレス部に入部する桃さんとみるくさん。はたして、そこで彼女たちを待ち受けるものとは……。
地味に以前に書いた文章もあるので、内容面が気になる方は、
hanhans.hatenablog.com
を参照していただくとより分かりやすいかと思います。
さておき、そう言う感じで、部活物で女子プロレスをする、というきらら部活4コマ漫画なのが、『のむラリアット!』なのです。
きらら部活4コマとは。
きらら部活4コマとは、まんがタイムきらら系列の4コマで、学校の部活を題材にしたもののことです。と書くとそりゃそうだろ、となられるでしょう。
しかし、この区分の仕方は重要です。意外と、この区分に入る漫画が連載には多くないからです。
というより、これは明らかに一つの作品の成功により、連載でもですが、特にゲストには一時期にはこの部活4コマが溢れる事態になったのです。
それは、皆さんもご存知、かきふらい『けいおん!』です。部活ものがそこまで顕著ではなかったきらら系に、旋風を、あるいは暴風を、ボーンフーンで吹きとべぃ! と巻き起こしたのが、『けいおん!』なのです。
そして『けいおん!』以後のきららでは、部活4コマが明らかに、有意に増えます。雨後の筍のごとくの部活4コマ全盛期ほどではないですが、今でも時折ゲストに、あるいは新連載でも、部活4コマがあるものになるくらい、そもそもかきふらい先生が今『けいおん! shuffle』を連載していることだけでも、『けいおん!』の衝撃はすごかったと分かります。そこについては語り出すと結構な紙幅になるので、今回は割愛します。別の作品の時に仔細したいかと。
さておき。
とにかく『けいおん!』の産んだ部活4コマという筋道に、この『のむラリアット!』も乗っている、といえるのです。
部活4コマの基本形への順応と逸脱
『けいおん!』の付けた轍は大きいものでした。しかし、その後の部活4コマ作品で、『けいおん!』ほどのヒット作は出なかった辺り、部活漫画は大変なのが見えてきます。
部活漫画は多種多様ですが、基礎としては素人が加入して波乱を巻き起こすというのがあります。上記『けいおん!』でもこの流れは変わりません。一応経験者である律さんと澪さんがいて、そこに唯さんが加わる形ですね。
『のむラリアット!』でも、野村桃さんとみるくさん姉妹が女子プロレスに関しては素人であります。そこに先輩や期待の新人の翼さんとかとやっていく形です。
ついでに、その分野に何故か適正がある。というのもあります。『けいおん!』でもメインの1人である唯さんはやればできる子、という素質がありましたが、『のむラリアット!』でも野村桃さんはタフネス、野村みるくさんは反射神経とスピードと、どちらにも素質がある、というのが翼さんに見出されます。
こういう部分では、部活4コマの基礎に大変順応している、という域にあるといえます。
ただ、この漫画がそれから逸脱しているのは、格闘技系部活である、という点です。一応、記憶では格闘技系部活4コマというのは『のむラリアット!』が初めてだ、と思っていますが、違ったらすいません。
とりあえず、そうだという建前でいきますが、女子で格闘技、というのでしかも4コマ。きらら以外では出てこないだろう発想ですが、この格闘技、と言う部分が他の部活4コマとは逸脱、一線を画しています。
何が一番一線を、というのは当然ですが勝ち負けがある点です。これは地味に大きいことで、他のきらら部活4コマでは基本的に勝ち負けの要素がありません。成功失敗の要素はありますが、勝負は基本しないのです。*1
その中にあって、明確な勝利と敗北、という部分がこの漫画を他の部活4コマとの違いとなっているのです。
勝つ人がいて、負ける人がいる
勝敗のある題材で、勝敗を付けないのはありません。なので、この漫画では勝ったり負けたりが結構あります。
特に桃さんと3年の海音先輩とのコンビは、大会ではよく負けます。しかし、それで負け癖がつくとかはなく、勝つ為に考えていく、という展開がされます。そこがコメディ的なのですが、でもそういうとこがちゃんとしている漫画と言えるのです。
また、翼さんと因縁が生まれる谷渋高校のヴェスパーさんが、中々に味わい深い。初めての対戦において、色んな手を使っても翼さんに負けてしまったヴェスパーさん。そのリベンジとして、大会においてまた対峙する、というのが中々熱い。
大会なのもあるけど、遺恨試合でもあるこの一戦で、こすい手は使わず、全力で翼さんと戦うヴェスパーさん。この部分の熱さが、その試合がこの漫画最終戦だというのもあって凄まじい。4コマ漫画になってないとこもあるんですが、それだけここは魅せたい! という意志を感じる、共にヘロヘロだけど力をもって戦う様。ふつくしい……。ってなるとこです。
ここの勝敗と、決着からの流れはマジふつしいので、出来れば全国民が見て欲しい所です。
関係性構築美!
上記以外で見所としては、梟池2年のセンス高い星先輩と、みるくさんがタッグになる流れでしょうか。星先輩は器用な為、様々な部活に助っ人として呼ばれるという体育優良児。女子プロレス部でも器用に戦っていましたが、みるくさんとタッグを組むことになり、その器用さで自分だけで勝っちゃったりします。
そこで、でも、タッグってそうじゃないですよね? という提起をみるくさんがして、話し合い、そして戦いの中でタッグへと成長していく、というベタながら中々熱い展開をしていきます。ここの流れが本当に見事なので、やはり出来れば全国民が見て欲しい所でしょう。
ここ以外にも、桃さんと海音さんのタッグも、なんやかやで上手く機能していく形になるとこもいいです。結構水と油な性格の不一致、及び海音さんがAカップなので桃さん的にダウトなので、ケンケンするんだけど、それでも次第になんか上手くかみ合っていく。タッグになっていく。そういう関係性の良さもある漫画なのです。
まとめ。そうねえ。
女子プロレスという、きららでありそうでなかったラインを攻めたこの漫画。2巻乙で、しかも2巻一発目で俺たちの戦いはこれからだ! なネタをしておいて、最終回でも同じ形にもっていく、という、ある意味切ないものがある終わり方になりましたが、題材の面白さとそれを魅せていく手管には大変よいものがありました。
こういうのも、きららにはあるんだ。そう知っていただけると、個人的にはこの文章を書くのに腐心した甲斐があった、というものです。
と、書いたところで書くことが思いつかなくなったので、ここまで! したらな!
前回はこちら
*1:勝負する作品もないわけではないんですが、僅少です。