感想 鈴城芹 『くすりのマジョラム 2』

くすりのマジョラム (2) (まんがタイムKRコミックス)

くすりのマジョラム (2) (まんがタイムKRコミックス)

 大体の内容。「今日も魔女さん通常営業」。基本的になにか大きな事が起きて魔女っ子ラムさん(26)が事件解決! という魔女っ子物テンプレートなんてくそくらえだぎゃー! とまでは言いませんが、それより更に地域密着型の魔女、あるいは平日営業の魔女としてあるのが、『くすりのマジョラム』なのです!
 さておき。
 各話の感想は今まで書き溜めているのがあるので、こちらを参照していただければいいかと思うので軽く行きますが、今巻では薬局での話がメインなのには変わらないものの、所々で出かけていく形が多かったように思われます。基礎形としての薬局での安楽椅子探偵ならぬレジ前魔女ぶりも板についたがゆえに、それに頼らない形を模索している、あるいは、それがあるから出かけるという変化球が効いてくる。そんな風に感じました。固定化が過ぎない内に策を練る。っていうのは正しい判断だと思いますっ。
 キャラをピックアップして語ると、ユキさんが結構上手くあしらわれているというかあしらえられているというか、とにかく胸ネタばかりで1巻の添え物感からは想像もつかないくらい出番が多かった。そんな風に感じます。特に市兄こと浜路市矢との見合い話の第26話目はこの漫画のターニングポイントなのでは!? と思える、つまりユキ市が有り得るという人間関係の変転が非常に見所。こういう人間関係が見事に交錯していくのも、この漫画の良さですが、にしてもユキ市はなかなか考え付かなかった道筋。ラム市はねーな、というのはかなり前から分かっていた事なので、そんな人間関係内で市兄どうするの、メインに嫌われてるなんて脇役としては致命的に致命傷じゃね? と思ったらそんな航路が! このネタだけでご飯三倍アイスクリームいただけますわー。
 さておき。
 今回の描き下ろし部分はノーラとの使い魔契約の話と無駄リアル魔法のプリンセス話。ノーラ誕生の辺りは丁寧な話で、連載中ではあまりに地味で出来ない話をここぞとしてきた感があり、それゆえにその後のノーラの出番が一層上がって面白く見えるというなかなかの仕事。良い仕事してますねー。魔法のプリンセスの方はそんなのなんて今時! って思ったらマジで無駄な設定点を活用した一発ネタでなかなかに朗らかな笑みを得るに十分な内容でした。そして師匠マジフケカワイイ。いたずら回でもお茶目度高かったですが、この魔法の国の女王役も綺麗にはまっていました。やっぱりフケカワイイ。本編に本格参戦する日が待ち遠しいです!