感想 山東ユカ 『スパロウズホテル 1』

スパロウズホテル(1) (バンブー・コミックス)

スパロウズホテル(1) (バンブー・コミックス)

 大体の内容。「腕ありワケあり胸ありの佐藤さんのホテル業務」。ホテル、業務…!? とやや愕然とするのが佐藤さんの業務です。基本フロント係ですが、本当は用心棒、というかなりドユコト!?感が満載で働く佐藤さんは楽しそうなのでなによりです。働く職場がいいのは大事ですよね!
 そんなわけで腕ありワケあり胸ありの佐藤さんが、繁華街にあるせいで色々あるホテルでの業務をこなしながらホテルに仇なす相手を実力行使で潰していく、と書くとバトル漫画のような風体を感じるでしょうが、基本的にお仕事漫画の側面が強い漫画で、というか佐藤さんに勝てる相手がいないのでバトル展開なんてあるわけないのでありました。という事で佐藤さんの驚異的な肉体ポテンシャルはホテル業務に影響のある範囲の酔漢などに向けられる以外は、基本的にホテルでのお仕事な話だったりします。まあ、この絵柄と題材でガチバトル物されても困惑するしかないので、その選択、イエスだね! と思う事にします。
 そんなこんなでちょっと天然で巨乳で高身長で腕ありの佐藤さんがバタバタする漫画なわけですが、その力強い可愛い感は結構なもの。一生懸命で礼儀正しいというのも付加されて、天然も嫌な感じが無く、素直に可愛いと思えます。それでいて基本的に超強いという設定の通りに大の男をばったばったと気絶させていくわけで、それが相まって力強い可愛いという変な装飾を飾りたくなります。俺も、気絶するならこの人の手で…。という訳の分からない気持ちにすらなりましたよええ。
 さておき。
 佐藤さんの脇を固めるように見えてもう一人の主役、主に佐藤さんが異常である事を具体的に示すサイドの塩川さんも可愛いです。当初生真面目系かと思えた塩川さんですが、的確に佐藤さんをに使役したり、意外と黒い側面があったりと単なる驚き役では終わらないポテンシャルを秘めておられて、実際力強い可愛いVS仕事人可愛い頂上決戦で佐藤さんを蹴散らす場面も見られる大活躍を(私の脳内で)繰り広げてくれました。というか、佐藤さんのいい所をしっかりと汲み取れる塩川さんはマジ大人であるなあ、と思うのであります。この上司だったら俺ついていけるよ! ちょっとお兄さんがシスコンこじらせ過ぎて問題のある人間なのが惜しいけど! 塩川兄は一回捕まる方がいいんじゃないだろうか…。←流石に言い過ぎ
 そんなわけで、ホテル業務の裏側、と言うほどではないけど一応お仕事系の漫画として佐藤さんという異端を美味く使っている、それが『スパロウズホテル』なのです!