感想 塩野干支郎次 『ブロッケンブラッド 8』

ブロッケンブラッド 8 (ヤングキングコミックス)

ブロッケンブラッド 8 (ヤングキングコミックス)

 大体の内容。「健一きゅんが脱がされるだけ!」いや本当に、健一きゅんがとりあえず事件の場に行って半裸になるだけですよね、ここ最近。という事で、『ブロッケンブラッド』も8巻目となっても通常営業。健一きゅんは可愛いなあ、男の娘最高だなあ、というのを作中キャラと共に感じるだけの簡単なお仕事です。起こる事件もどんどん深刻性が無くなり、というかほぼどうでもいいレベルになっていっていますが、まあ健一きゅん可愛いを見る為のツマですからね、事件。事件と言う名目が無いと健一きゅん動員出来ないし。という事で、今回も事件はこれはひどいとしか言い様が無いどうしようもないものばかりでありました。例を挙げると写真を撮ると被写体が貝殻ビキニ姿になるからこの力で昔の友の邪魔を! とか、広告代理店パワーでおっさんでもアイドルになりたかったけどなれなかったので復讐だ! とか、お前らもっと良いように脳使えよ…。というレベルのもので、正直に申しましてこの泥縄を越えた駄目行動っぷりは素晴らしいと勘違いしたくなりますよ。うん、酷い。
 が、その結末も更に輪をかけてこれはひどい。健一きゅんが殴って終了が二つ、余人が入ってきて終了が二つ、まではいいんですが、明日香が絡んだ終了は本当に酷く、ワンパンならぬワンビームで話の途中で突如終了する羽目になるのがしかも二回連続という無茶エンドっぷり。話の尺的にいい加減この辺りで終わらないといけないけど、なんか混乱するくらい色々混迷を極めていたのでそのワンビーム展開はありだとは思うんですが、それでもそこで切っちゃうのかよ! という明日香のデウス=エクス=マキナっぷりが凄まじいレベルになっていました。こんな使われ方をする明日香の未来は…。歌手としての才能が実際あるのが分かったりするのに、でも基本はワンビーム。なんだこれ。
 さておき。
 最近健一きゅんが出張るばかりでカシュマシュの存在感、というか源太郎さんととしお君の存在感が限りなく希薄になっていましたが、この巻の最後で今後の趨勢を占う新技を引っさげて健一きゅんの危機を救う展開に。これでこの二人がいてもいなくても別にもうどうでもいいよねとか言われなくて済みますね! 俺に! いやでも、本当にここでてこ入れされて良かったと思いますよ、源太郎さんととしお君。今後の活躍の芽が出ただけでも、良かったと思いたい。ただ、前提条件が羞恥心を高めないといけないのがネックになりそうな。健一きゅんの痴態を見たら発動できる明日香ビームに対して、積み重ねが重要なファクターですからね。そうそう連打出来そうにないし、その辺どうなるのかなあ。気にならなくて別にいい所に引っかかって、次の巻を待ちたいと思います。