- 作者: 双見酔
- 出版社/メーカー: 芳文社
- 発売日: 2011/10/27
- メディア: コミック
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大体の内容「最強魔王と最弱勇者」。そういうだけなら結構類型がありそうな内容ですが、その最弱勇者に最強魔王の分身が身分を隠してひっついていて、そしてほぼ魔物は魔王が倒してる、という状況は勇者しっかりしろ! と激を飛ばしたくなります。実際問題勇者アルシャさんはこれから強くなるのりしろあるの? と言うくらいへっぽこです。元はただの喫茶の駄目息子(一応、出自に謎があるけど)なので、当然のヨワヨワではありますが、そもそもこの世界の成長システムって普通に鍛えていくしかないというRPG的に見えてやたら現実的というか、堅実的です。魔物倒しててレベルが上がっていく、というのはありません。実際雑魚魔物なら一匹は頑張れば倒せるアルシャさんですが、それを積み重ねても特に強くなった感じがなかったり。魔物の方がレベルアップが早いし。それに勇者じゃないと踏み入れない場所に入って伝説の剣を手に入れても、それはあっさり壊れちゃうし、もう踏んだり蹴ったり。それでもなんとか道中をこなしてみたものの、そしてこの巻の最後でアルシャさんは酷い目に遭い、そして、という形でさて、どうなる! と、次の巻へと橋渡しされます。この巻でも謎はたくさんでしたが、次の巻の範囲内でも謎が多いので、じっくり連載が続いて欲しい。そう思ったり。
にしても、勇者が居たというのが完全に御伽噺の世界になっている、というのはありますが観光地化してるとか、色々な文献があるとか中々現実味がある世界であります。そんな世界に勇者として生まれたっぽいアルシャさんの前勇者の道程を追う旅、という側面もあって、なかなか見ないから面白い見方だなー、とかも思ったり。前勇者の情報もかなり風化してるけど、あるにはある、というのがまた現実味。
さておき。
魔王様が女の子、というのもある意味よくある時代になってきましたが、この魔王様、記憶がほぼなく、そして勇者に分身を付き従えさせちゃったりしております。実際、このまま魔物の世界にする意味があるのか、とか考えちゃう辺りが新鮮だったり。そも、魔物も基本頭が悪いというか知性が無く、知性が有る強い魔物は我が強くなって変態になるというどうしようもない感じなので、魔物の世界にするのは、どうなのかなあ。じゃあ、魔王って? とお思いになられるでしょうが、それはまた続きでどうなるか待たれてください。と、いいます。実際その辺が開陳されるまで続くのか不明なのが辛い所ですが。