感想 宮原るり 『恋愛ラボ』5巻

恋愛ラボ 5 (まんがタイムコミックス)

恋愛ラボ 5 (まんがタイムコミックス)

 大体の内容「星見会と勉強会の二つの会!」。基本的に恋愛研究と依頼解決をバックボーンとしつつも、藤女生徒会活動などがメインストリームとしてあるのがこの漫画の展開の特色ですが、それが二軸が存在、混在する形になっているのが、今回の『恋愛ラボ』5巻の特徴なのです。
 という訳で星見会と勉強会です。星見会というのは単に夏の夜空を見てみよう会という物で、基本的に藤女において退屈な行事という認識でありましたが、今回は依頼で恋のチャンスを! というのがあったので、それが出来るようにマキさん達藤女生徒会が奔走してみる展開となります。いい案も出て、いけるか、と思われましたがしかし。軽く結論から申しますと、それは半ば達成、半ば失敗の形となりました。とはいえ、マキさん初め藤女生徒会は有能なので*1、それでも楽しめる会にしようという形になり、結果星見会はイベントとしては大成功するのでした。その上、失敗になったかと思った出会いの場としても、スズさんとレン君初め、ちょっとは成功している辺り、本当にマキさん率いる藤女生徒会は有能であるのが理解出来ます。恋愛研究以外にもこういう行事で楽しませるのはこういう漫画の基本ですが、それらは大行事中心。元々は大した物ではないのを大した物にする、という軸は意外と少ないので、こういう話を作れる宮原せんせは出来ておる喃……。と、謎めいた視点を獲得してしまいます。
 もう一方の会である勉強会は、ナギとリコさんが塾での学年ドベとなり、それを是正する為に塾での学園トップのヤンとマキさんが駆りだされる形で実現に向けて動いていきます。この巻では星見会の方が比重が大きいので、あくまで動いていくというだけなのですが、。その段階であるのにヤンはマキさんに対してライバル心がむっきむき。かと思えば藤女の生徒会長褒めなどをいつもしないキャラなのにしてきたりして、マキさんを無意識に翻弄します。マキさんが藤女の生徒会長と知らないとはいえ、あれだけイヤミしてたのがころっとしたら、そりゃマキさん自分の事だから喜ばしいのか恥ずかしいのか分からなくなるわ。ヤンマキは本当にどうなるか読めないですよね。ナギリコが比較的見えやすい形になりつつある、リコさんがナギにぐらっと来てる部分があるっていうのに、あの二人ときたら! まあ、単純にヤンマキって決め付けられる展開になるかどうかは不明瞭であり、結局なんでもない事になるかもしれませんが。
 さておき。
 今回もマキさんは妄想と行動がやばいし、リコさんはツッコミがびしりと決まるし、スズさんは小動物可愛いですし、エノさんはたまの暴走とバス酔い話が以外濃厚でしたが、やはりサヨさんがいい場面が小粒でも山椒のようにぴりりと辛い。リコさんが嘘の謝罪として皆でカフェに行こう! ってなり、皆でおめかしして集合したら酷い私服センスで大変予想通りで良かったですし、ホールで食いたいという無茶を通そうとして言質撮り用のICレコーダーまで用意してたりも良かったですが、特別編な噂の彼氏との馴れ初め話がそれはもう。彼氏の人も色々大変そうですが、それでも好きなのは、みんなが見たことに無い顔を、俺は知っているし、それが可愛いと思うんだ。って事なんでしょうね。故意ではないとはいえ、スカートに突撃して見れた顔というのは、こういう端から見ている我々読者としても眼福でありました。その後は隙を見せぬようにズボン姿になる、というのもまたいい。素晴らしい。ビューティフル!
 とかなんとか。

*1:マキさん初め、変人が多いですが。