『まんがタイムきららミラク』2013年月11号 感想

今号の巻頭漫画感想

タチ『桜Trick

 始まる二年生生活。しかし、新入生はいないので、三年生がいなくなった分、少し寂しいのでありました。意外とこの漫画のまとめの形というのは見えているのかなあ、という寂しさも見え隠れしたり。実際、新入生という新キャラ導入可能枠を使わない、というのは十二分にテクニカルな物であります。既存キャラだけで回すという、しかも年長者は去っていく、というのだから、よくもまあそんな内容を考え付いて、しかしそこはメインじゃない漫画を作った物だなあ、と感心させられます。その部分の為に導入されたスミスミ会長も、色々変だけどやる気は伝わってくるし、でも、一年経つといなくなる。これはやっぱり大きいんだなあと、美月さんの退場からも感じたりしました。
 それはさておき、内容面も次第に深まっていっております。美月さんのおかげで、優さんと春香さんの関係というのに今まで入っていなかった成分、あって当然とも言える成分である“好き”が導入されたのは大きいです。二人の関係とは、つまりなんなのか。好きというのはなんなのか。百合とかそういう言葉だけでは言い表せないような、そういう方向に伸びを見せ始めた『桜Trick』の先が気になります。アニメ化は、この辺のあわいを含んでくれるのだろうかなあ。

個別チェック三連撃

タダタグ『寄り道ファミリ』

 お姉ちゃんとしているはずだけど、あんまりお姉ちゃんっぽくないんじゃないか、といわれる史夏さん。お姉さんぽさってなんだろう、というのを考えつつ、いつもの生活であったのでした。女子高生が親子関係!? という不可思議な感があるのがこの漫画ですが、でも段々とそれっぽく見えるようになってくるんだから、役柄の振り分けというのは恐ろしい。まあ、それでもJKだ、女の子だ、という部分もあるのがこの漫画の良さでありまして、お父さん役の彩音さんがお父さんぽいこと狙ってやりたくないなあ、と思ってるのになんかの星の巡りでそうなってしまう、という小ネタもあったのが印象的でした。そうそう、お父さんというと新聞ですよね。

ぼるぴっか『青春過剰Sisters』

 萩乃さんうぜえ! 超うぜえ! でも、うぜえ可愛い! 胸大きくない方がいいよね? というのに「・・・・・・ふっ 雑魚が 負け惜しみを」と心の声つつ、妹と牽制戦しだす姿はお笑いだったぜ。そして結局豊乳を求めていく辺りに、萩乃さん一強であるなあ、と思わせる事態でした。

庄司二号『TEI OH-!』

 最終回手前! 突如轟さんの財力で生まれた帝王の穴に、葵さんが今、向かう! という事で最終回前だからって前回の事とかマジかなぐり捨てんぞしてくれて、もう、馬鹿。何故か帝王となる為に帝王の穴での戦いを、ってどう考えても男の子回路ですよね。基本的に頭おかしいのが帝王部でしたが、最後の最後でぶっぱしてまいりました。というか、葵さんの台詞じゃないけど「お金を何だと思ってるんだ!!」なインシデントですよね。どう考えてもこんな施設要らないし、使っても一回こっきりだろうから無駄過ぎる!
 という事で、雪乃さんを救うという名目も加味された帝王の穴攻略。初手の轟さんはまあ勢い勝負なんですが、二番手が琴音さんという悪夢。しかも可愛い攻撃が、耳栓でキカナイ! となって出た手段がとんでもない。エーッ!? でも、最大の効果が発揮されて、琴音さんも轟沈。これで後三人はどうなるのやら。勢い過ぎるんだけど、これが最後まで続くのか!?

今号の巻末漫画感想

めの『まんなかノート』

 今回はちはるさんサイドではなく、えーりサイド。ちはるさんはちょっと見栄張ってしまっている部分が強いのが前回で明らかにされましたが、えーりさんはえーりさんでちはるさんには弱い所は見せたくないとしつつもやっぱり見えてる感じであったり、ちはるさんとの交換日記が非常に心の支えだったり、と、こちらはこちらでちはるさんには見せていない部分もあったり。でも、基本えーりさんのがしっかり者に見えるですよね。ここぞでは度胸があるとか、ちはるさんが見たら凹むような……。とはいえ、ちはるさんとの交換日記があったから、ちはるさんがいるから、というのが良く見えていい感じでありました。
 この漫画が今後どうなるか気になる所。丁寧に片方ずつの状態を出した後、三回目でどういう手管を使ってくるか。正念場でしょうから、いい物が見れるように祈りたい所です。片方ずつの話をずっとしていくという漫画と言うのも面白いかもなあ。でも、どうなるやら。

一応の総評

 今号は『となりの魔法少女』、『リリィ』が周り番で、『寄り道ファミリ』も休載明け、という事でゲスト少なめの誌面でありましたが、一方で『くじらジュブナイル』の連載終了、そして『TEI OH-!』が次回終了のアナウンス、という事で別れの季節感が色濃くなっております。なんでや!『TEI OH‐!』はまだまだやれる子やろ! 『くじらジュブナイル』もだ! と思ってしまうのは、現行のゲストののし上がり率が低いのも影響しているかもしれません。特にゲストから連載になった『TEI OH‐!』がいなくなる、というのは新陳代謝として致し方ない部分はあるにしても、ミラク誌の精神というのが定着し切れてないがゆえの出来事のように思えて仕方ありません。こう、上手く定着するタイプの漫画が来ないかなあ。
 『くじらジュブナイル』の終了も、一つの区切りであります。別れの後のそれでもヨロシクやってる感が満載であり、悲壮感とかは全く無いけど、ゆえに前向きであるなあ。とか。変にしみったれた終わり方なんてするものかよ! という面構えと、青春だなー力と、そして最後のドクの持っていき方とが絡まって、すっきりとした終わり方になっておったかと思います。結局くじらとはなんだったんかが分からんままでしたが、そういう事もあるよな、という納得をして、心の平均を保ちたいと思います。正直もうちょい見たかったんですけどね……。
 さておき。
 次回は『城下町のダンデライオン』も無いので更にゲスト攻勢になるんだろうなあ、と思うと、そこでいいのが入ってくれないかしら、とか思うのですけれども、それよりも『純粋欲求系リビどる』帰ってこないかなあ、という方への思いが強かったりも。いや、あれ本当に好きな漫画だったんですよ! 眉毛せんせカムバック! とかなんとか。

今回の掲載順変動

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