格ゲーについて由無し事を

 格ゲーの問題点というのはなんだろうか。というのを色んな場面で聞くにつけ考えてしまう、由無し事について書いていきたいと思います。
まず初めにこちらを

 先にURL貼ってそっちに行かせておいてあんまりリンク先の話をしない予定ですが、まあそれはそれという事でお願いいたしたい、という前置きをしつつ。
 格ゲーの問題点、というのは大体において初心者及び初級者から動議される場合が多いと認識しております。上級者が動議した、というのは寡聞にして聞かないので、そこに、初心者初級者という所に問題点の勘所がある、と見るのが妥当でしょう。あるいは上級者で動議した人もいるのかもしれないですが、ワタクシ、その辺あんまり知らないので、誰かそういう動議の話を教えてくださると大変助かりますが、それは本筋ではないので、ここでは流していきます。
 さておき。
 この手の話の基本は初級者及び初心者が全く面白くないんだよ! という叫びを上げる所にあります。コンボを一方的に入れられてぬっ殺されるとか、画面端で固め殺されるとか、中段下段打撃投げ表裏等二択が分からないで潰し殺されるとか、飛び道具に対抗出来ないで削り殺されるとか、大体その辺りがお定まりであります。格ゲーが分かってないと、あるいはそのゲームや相手キャラが分かってないと、往々にして起こる局面であり、そこが全く分からない状況だからこそ初心者初級者な訳なので、こういう動議が初心者初級者から生まれるのは理の当然とすら言えます。
 それに対する格ゲーする人、中級者以上の回答は大体、努力しろ、という形をとります。自分も万年中級者くらいなので、大体こちらの意見の肩を持ってしまいます。しかし、こんな理不尽を前に努力しろなんて! というのが初心者初級者の対抗的な言い分でもあります。確かに、理不尽を、あえて言い換えると途方も無い壁を前にして努力しろ、というのは無茶を言っているようにも見えます。
 ですがやはり、その壁を越えてもらわない事には対戦型格闘アクションゲームの、格ゲーの良さというのが分からないのではないか、というのが常に中級者以上にはあるんです。格ゲーはどうしてもハードルは高い。ボタンだって普通のアクションより多く使うし、レバー操作は複雑だし、状況判断は密で且つ素早くしないといけないし、必要な知識は膨大だし。それが分からないと先に書いたように理不尽にやられるばかりであります。とはいえ、それは誰でも通る道。だから頑張ってその壁を乗り越えて欲しい、その為には努力する以外の道が無いのだ、というのが、中級者以上、あるいは格ゲー経験者の思考の流れになるのです。でも、初心者初級者にその理不尽を通り越した先が見えるか、と言われると、見える人は逆にかなり奇特な人ではないか、という気もします。普通、無理ですヨネ。
 そこが、その無理に見える状況が、努力しろ! と、こんなんで努力出来るか! という意見を同時に生み出す根源となっています。無理を越さないとどうにもならないけど、そんな無理が越えられると思えない、といえば良いでしょうか。ゆえにここが、格ゲーの問題点の根底と言えましょう。では、何が無理に見せている、あるいは無理にしてるのか。
 それについては当然、中々に根深い物があります。一言で、一つの原因で、書き表せられる内容ではないのです。あるいは格ゲーのシステムの複雑化、あるいは格ゲーコミュニティの変貌、あるいはアーケードから家庭用に主戦場が移った事、あるいは格ゲーの衰退ゆえに。ぱっと考えてもこれくらい出るのですから、根が深く広いのは間違いないと思いますし、それら単体で見てもしょうがない部分もあります。とはいえ、考えていくには一つずつ潰していかないといけません。これは長くなりそうなのと、頭の中でまだまとまってないのとで、また別の機会にしたいかと思います。
 さておき。無理に見える、と言う部分をどうするか、というのは色んな考え方があるかと思いますが、中級者以上の格ゲー勢は、努力しろ、としか言い様が無い。これは自分が努力してきたから、という部分も起因しています。自分はSFC版スト2で格ゲー産湯に浸かったというそれなりに古参であるがゆえに、努力もしてきたし、格ゲーの文法とその変転を知っているので努力の方向も大体分かるから、努力しろ、って言ってしまうんですが、それがない人には、あるいは方向性が見えない人には言われてもどうしようもない、というのもまた現状ではあります。
 しかし、その方向性を見つけるのも、やはりやってみないと、そしてボコられないと、結局は見えてきません。ある程度酷い目に遭う覚悟が、格ゲーには付いて回るのです。あるいは、どんな事にも、そういう時期、あえて言うなら下積みの時期というのが存在するはずです。そこを忌避するというなら、下積みなんて格ゲーでやってられるかと言うのであれば、結局格ゲーとは縁が無かった、とまで言い切れるかと思います。そういう考え方もまた、格ゲーへの新規参入への壁として建っている訳ではありますが、そこは、下積みは、負けまくるという事実はどうしても避けては通れないので、そういう言い方にしかなりません。
 とはいえ、ここは溝が埋めれる部分でもあるかもしれません。努力しろ、だけではなく、どう努力すれば良いのか、どういう努力が必要なのかをレクチャー出来るなら、つまり、そういう事が出来る環境が作れるなら。あるいは、上手く初級者をくみ上げられる、格ゲーの面白さに辿りつけさせられるかもしれない。
 とは思うんですが、例えば先にあげたURLの話とかを見ると、酷く断絶があるという感もあります。飛び道具がそれ単体で強い訳じゃないのとか、画面端とかの意味合いとか、全然調べずに意見をたれている姿を見るにつけ、そも、調べるとか聞くとかするつもりが無い人には、努力の仕方をレクチャーする事も出来ないんじゃないかと。そして聞いてくれてもそれが出来るというのは当然ある程度の知名度は必要でもあります。自分みたいな市井の辺境bloggerには、とても無理な事でもありますし、また大体の中級者以上の人も、そう思っているのではないかと勝手に考えたりもします。努力出来る環境づくりしてくれよ! と言われても、その環境だってロハでは出来ない、という面も当然ありますし、あっても本当に使うの? あなたは頭を下げて聞きに来るの? と言う疑問だって出てきます。大体、そういうのは自分で掴み取るしかない部分もあります。この辺も、格ゲーマーとそうでない人との溝なのかもしれませんが。改善出来るならそれはこの伝えるという部分ではあるけど、双方歩み寄りが必要であり、それゆえに生半にはいかない所でもあるかと思います。
 さておき。
 話は若干変わりますが、大体の場合において、格ゲーに対して文句を言う人は今の仕組みがどうしてこうなったか、という知識、もっと言ってしまうと教養と思考が足りない場合が多いように思います。先のURLのとこの人も、画面端というシステムが何故こうなったかというのを知らないし、それがどういう意味を持つのか、何故画面端は導入されているのかについて考えようともしていないように見えます。それもまた、努力しろ! という言葉を吐かせる一因であるかと思います。こういうのはなんというか、格ゲーなんかに思考使って堪るかっていう風に見えるんですよ。でも、格ゲーは考えないといけない世界。考え無しでもいける人はいますけど、それはあなたなの? 飛び道具も全然処理出来ないあなたが? という風に思ってしまいます。そういう意味では、格ゲーは軽く見られているのではないか。とも思えます。真剣に考えるのが勿体無い世界である、というのが、その考えてない発言から見て取れる訳で、ゆえにこういうのを見るとイラァとしてしまうのでしょう。でも、そういう風に考えないで、手軽にカジュアルに、もっと簡単に楽しく出来ると思うから、初心者なのかもしれません。
 実際問題、そういう風に軽く楽しめる部分が格ゲーにはあるのか、というとそれは全くであるのは、確かに問題点であります。ここは改善出来る部分ではあるはずですが、しかし解決案は全く浮かんでこない。色々とゲームに寄っては対策が提示されますが、上手く行っている例は無いというのが現状です。あるいは、対戦アクションの醍醐味を新たに切り抜いて、全く新しいシステムで、というのも考えられますが、それは格ゲーとは違う様式になってしまう、という懸念もあります。そこを格ゲーとして組み込めるくらい、格ゲーに度量があればいいですが、今はもう硬直してしまっている世界でもあり、また新たな操作形は大概受けなかったという事実もあるので、大変難しい道ではあるかと思います。
 でも、格ゲーは楽しいんですよ。難しい操作を乗り越え、知識をつけ、キャラを自在に扱い、そして自分の意思と戦い方を通せた時の快感、というのは、ハードルが高いからこそ大きい訳でありまして、だから安易に、無茶な方法でハードル下げられるのも、どうしても納得出来ないという狭量さも、自分の中にはあったりします。だから、硬直化してる訳でもあるから、本当に面倒な事である訳ですが。でも、この仕組みで作られた世界で思うように動かせるように、というのは格ゲーの基本的な楽しみ所なので、ここに達すれば自分の意思通りに動いて楽しい! ってなるんですけども。そこまで、初心者初級者を持っていければ、勝ち負けより楽しいを感じられる方向性が分かってもらえれば、とは思うんですが、あー、ねえ?
 やっぱり、既存のシステムで軽く出来る格ゲーというのは出来ない気もするので、最悪新規がいなくなってしまう世界、完全に衰退するという先も、受け入れないとなのかなあ。上手く、初心者に格ゲーを楽しませる方法論が生まれる、あるいは格ゲーの教導という意識が生まれる時代というのが、来たらそれはそれで面白いのだけど、未来がどうなるかは全く分からないからなあ。
 とかなんとか。