- 作者: クール教信者
- 出版社/メーカー: 芳文社
- 発売日: 2014/01/07
- メディア: コミック
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大体の内容「小森さんに、気になる男子!?」。小森さんと妙な縁が出来た男子、大谷君が登場しつつも、小森さんの断れない生活は依然変わりなく続いているようで、徐々に一つの節目も近づいている。それが『小森さんは断れない!』2巻なのです。
この巻で重視するべきは三つ。小森さんに気になる男子登場の事、根岸さんフューチャーの番外編の事、そして中学時代が徐々に終わっていく事です。
小森さんの気になる男子、というのが先に書いた大谷君。いきなりの登場ですが、これは前々から仕込まれていたという事はなく、気になる男子というのが実はいた、みたいに降って湧いた訳でもなく、新学年になってからの出会い、縁を持つようになります。気になる、とはいえ好きとか嫌いとかというのはまだなく、ぐっと惚れてる展開が挿入されるでもなく、であり、ちょっとした知り合いから、本当に気になるだけと言えばそういうだけなんだけど、な相手へと、じわじわと変わっていくのが見所になります。今まで単行本化している漫画では『旦那が何を言っているかわからない件』では既婚なので馴れ初め以外は既にラブ話、『おじょじょじょ』では1巻でまず告白まで速攻、なので、こうやって知り合って気になってをじっくりと、というのはまだ見た事が無かったんですが、ほう、いいじゃないか。こういうのでいいんだ、こういうので。という井の頭五郎台詞がするっと湧いてくる感じで、気になる、というのを演出していて、これはこれでいいものであるなあ、とも思いました。速攻で気になる男子いるのが友達にはバレバレなとことか、気になる男子に彼女がいた!? で放心状態になるとことか、大変良いものです。この関係性は、今後進んでいく事になるのは、この巻の段階でもじりじりながら進んでいるので確定事項と言えますが、それがどのような結末を迎えるのか、というのは気になる所です。いい落とし所に落ちて欲しいもんですよ。
根岸さん番外編は小森さんと仲良くなる前から友達となる辺りを三回かけて描かれますが、根岸さんは小森さんと仲良くなれて本当に良かった、幸いであったのだなあ、というのを感じられる番外編でした。小森さんの人の良さというのがいい影響を与えているのは、本編でも感じられますが、それがどの様に始まったのか、というのが見れて大変嬉しい不意打ちでした。側面を変えるという部分も強い三回でしたが、それゆえにこの漫画の優しさを幅をとって見れる様にしてもらえたのは大きいと言えましょう。それにしても、根岸さん姉は性格が悪いというか、ひねくれ者なのは根岸さんと変わらないけど、凝り固まってる感じは根岸さん以上で、だから根岸さんに悪い諫言しちゃうし、それで根岸さんが混乱するしで、ちょっと毒な感じが強かったように思います。カバー下のおまけではもっと負のオーラを強くした絵で出ていたけど、それで本編出てても問題ないんじゃないか、印象変わるんじゃないか、って思うくらいでした。でも、好きにはなりたい、って思う根岸さんいい娘さんやないですか……。こんな子を混乱させる姉は、だからちょっと酷い人であるなあ、とか。この単純にいかないとこは、ここもまた作品の幅に影響出してるように感じたりもしますけれども。
中学時代が徐々に終りに向かっている、というのは、ちょっと意外というか。くるくると同じ時間軸を回る漫画というのは、既に時代遅れなのかなあ、とすら思える展開です。実際問題、既に時代遅れというか手管としては違う道筋が多いようにはなっていますが、こう明確に中学時代が終わるのを意識している、というのは、大きな変化を皆が自覚している、というのは、なんか個人的にはっとする所があったりしました。高校や大学になってどういう変化を見せるのか、というのを考えていなかった自分の不明を恥じいるばかりです。でも、その考えが励起されれば、確かに色んな方向性で発展していけるのか、とも思い、そういう変化はこの漫画にはプラスなのかもなあ、とも思うのでありました。
今回で個人的マストは公募キャラ創作回。大谷君含む各人のイラストとセンスがしっかり出ていていい回でした。小森さんの描いた断れないさんを大谷君が褒めるとこでの小森さんの表情変化は可愛い過ぎる重点でした。気になるけど、まだ惚れてるとかではない、というのがまだ出ているなあ、と。ここから一気に惚れてしまって盲目になるのか、今の距離感を維持していくのか、というのも気になります。案外盲目になりそうな照れ顔やったけども。その辺も含めて、いい回だったかと思います。
さておき。
次の巻では中学卒業するんだろうけど、どういう風になるんだろうなあ。大谷君との気になる関係の展開とか、西鳥さんが小森さん達と同じ高校に入れるのかとか、気になる所が多いです。まあ、三巻をじっくり待ちましょう。とかなんとか。