感想 tugeneko 『彼とカレット。』

彼とカレット。

彼とカレット。

 大体の内容「イケダとカレットのぞんざいな関係」。イケダ家(一人暮らし)に突如現れるカレットさん。彼女は家政婦ロボですが、妙に態度がぞんざいで、横暴で、特にデレもなく、イケダを虐げる。それが『彼とカレット。』の基本です。
 とはいえ、イケダの行動は大体変態で、しかもガチの変態だー! というのではなくそこはかとなく変態だー! なので始末が悪いというか、それゆえにカレットさんにぞんざいに扱われてもしょうがないな、と思えてしまうから困ります。そこの匙加減、カレットさんにぞんざいに扱われても当然と思わせる加減はとにかく絶妙ではあります。そうでないとこの漫画動かないというか、カレットさんがほぼ能動的に動くという事をしないので、動かす為の動力としてのイケダがあると言った方が適切でしょう。でも、本当にイケダは変態です。それもそこはかとなくであるがゆえにあちこちでその変態性が発露して、その度にカレットさんに制裁されて、ああ……。ってなってる訳で、且つそれゆえにこの漫画動いてますが、カレットさん来る前まではこの人ちゃんと生きていけていたのか、警察のお世話になってなかったのか、とも思わされます。ちゃんと警察は仕事をしているのだろうか。とかなんとかまで。
 さておき。
 イケダばかり目が行ってしまいますが、カレットさんのだるだるさ加減も大概です。基本的に食う寝るだけというお仕事加減で、家政婦ロボとしての職能は全くなく、というかどうしてこういうロボとして生まれたのか、あるいはどうやったらこういうロボに育つのか。作ったやつおかしくね? と思ったらやっぱりちょっと駄目駄目でした。カレットの事を厳しく言う事もありますが、大体冒頭の生活っぷりの見え方と、送り出しの時の様子、そしてよくイケダ家に来るようになるのを見ると、ダダアマだったのは明白です。そういうので育ったから……。と、相手がロボなのにそんな事を思ってしまいますよ。でも、このダウナー加減とイケダの変態っぷり、そしてちょっと楽しいだいぶグダグダの生活をたらたら、と流されると、何とも言えない味わいがあるのでした。どの季節でも、イケダとカレットとその他の皆さんはよどみなく、偶によどみあるく生活しておられます。その生活感は中々いいなあ、と。そこにイケダの変態性が絡んだり、カレットさんのダウナー部分が絡んだりで、単なる生活にも変な深みがあるように感じたりも。なんか、無限に続けられそうで、続けたらイケダ流石に捕まる感じだなあ。そうなったらなったでカレットさんがどっか別のとこ行く形になるのもいいなあ。イケダでないと暴力出来ないから不満溜まりそうだけど。
 とかなんとか。