感想 椿いづみ 『月刊少女野崎くん』4巻

 大体の内容「野崎くん達の日々の馬鹿馬鹿しさよ」。青春! 青春? 青春! それが『月刊少女s野崎くん』4巻の大体の概要なのです。
 といってこれで何がそうなのか理解出来る方が居たらちょっと所ではなく怖いのでちゃんと説明しますと、毎度の様に野崎くん達がバタバタとする中で、青春だなーという部分が見え隠れしつつも、これ、青春でいいのかな? と疑問を持つような、でもやっぱり青春なんだよなあ、というのを感じるという意味合いです。この漫画の青春さというのはどっちを向いても馬鹿っぽさが付いて回りますが、それでもこれはこれで! と感じ入る部分もあるので、中々侮れません。とはいえ、やっぱり馬鹿なんですが。恋愛要素も基本的に馬鹿っぽくネタっぽく処理されてしまうし、青春特有のよくわからない情動に突き動かされてよくよく考えると意味不明の行動に出てしまったりしてます。そこがまたいいんですが、でもそこもまた馬鹿。そういう漫画なので大変楽しく読まさせていただきましたよ。
 今巻でいい所はたくさんあるというか全部ですが、特にと言うと携帯を使わないでどこまで出来るかを試した「第35号」は大変良い物でした。今は携帯あるから待ち合わせ場所で苦労する話って難しいですよね、から、じゃあそういう環境やってみたらどうだろう! に発展する野崎くんの思考回路はどうなっているのか。そして実際に千代ちゃんとミコリンを巻き込んでやってしまう行動力はどうなっているのか。というか、ほぼドッキリの呈をなしていて、ミコリンがいるとはいえデートめいてる! ってなってる千代ちゃんが事実を知らされての崖っぷち感を感じさせる辺りは大変酷い野崎くんクオリティです。お前なあ。食いものめぐりになりかけていた点といい、中々出会えないミコリンが最後に取った切り札といい、この漫画の馬鹿っぽさが総結集した雰囲気の回でした。というか、ミコリンは恥ずかしがりのくせに案外恥ずかしめに突撃しますよね……。
 さておき。
 恋愛要素が馬鹿っぽさで中和されてラブコメ? 違うねッ! こいつは生まれついてのバカコメだッ! という体裁になっているこの漫画ですが、今回の巻ではちょっとラブコメっぽい所が多くて、おおっ! と思いましたよ。主に千代ちゃんが野崎くんの何気ない行動にドキドキするんですが、本当に野崎くんが何気なくドキッとする事言ったりしたりするので、千代ちゃんは大変だなあ、と思ってしまいます。今まではもっとネタっぽく、この巻だと瀬尾さんと若松くんの関係みたいな感じで処理されていたのに、なんだか今回は直球で演出されており、馬鹿も入らないというので、ちょっとずつこの漫画の様相も変わってきているのかな、と思ったりも。でも、瀬尾若松組みたいなままのも好きなんですけどね。瀬尾さんが若松くんの事をだいぶ気にいっているみたいで、なんやかや関わろうとしたり、ローレライの件を知らない若松くんの言動でちょっと喜んだりしたりするのは大変良かったんですが、やっぱりそっちは馬鹿っぽい処理なんだよなあ。若松くんは瀬尾さんが好かないみたいだから尚更だし。でも、この辺も野崎くんと千代ちゃんみたいになっていく可能性も微レ存?
 さておき。
 今回は最後の数ページにキャラ設定が開陳されたりするんですが、実はここが今巻の最大の萌え所となっております。堀先輩の手作り物食べられない設定の内実と、そこで明かされる鹿島君だったらという部分もいいですが、最萌えはやはりミコリン。器が違います。基本人見知りする彼が後輩にはそれがない、というのの理由が、とても萌えます。そういう部分もあるのか! もー! ミコリン、もー! なんだよお前可愛いじゃねえか! となる事必須なので、皆もじっくり読んでみようぜ!
 とかなんとか。