感想 紙魚丸 『惰性67パーセント』1巻

 大体の内容「男女四人六畳間物語」。といいつつも、特に起伏のあるストーリー、物語が展開される訳ではなく、男女四人いてここまでどうしようもない青春してていいものか。と、つい問題提起したくなる漫画。それが『惰性67パーセント』なのです。あ、一応旅行とかも行きます。でも、そこでも……。
 さておき。
 基本的には男女四人、古澤(女)、北原(女)、西田(男)、伊藤(男)が、古澤さん宅でぐだぐだして終わる漫画でありますが、しかし本当にグダグダして終わるだけなのでなんとも申し様が無いアトモスフィアがあります。その印象をぶっこまれるのが最初の一話目で、内容の方も古澤さんが漫研のお題でエロ漫画持ってこいというのだけど、てぃんぺる見たトキねーのにどうしろと、ということでそれが分かる男子を北原さんに連れてきてもらって、そして始まるてぃんぺる談義といういきなりド下かよ! というので、この漫画についていけるかのジャッジがなされます。いきなり具体的なほーけーの話とか、どういう形状かぐぐるとか、女性器は見て描いたのか……!? とかしておいて、最後にどうせ消すから意味ないんじゃね? で決着する辺り本当に酷いです。褒め言葉です。ここまで初っ端からグダグダ下ネタ劇を見せつけられると、なんというか、堪らなく愛おしいじゃないですか。このどうしようもないどうしようもなさ。何時まで経ってもきっと輝かしくならない暗黒の時間。そういう時期ってありますヨネ。そういうのが更に一転して肯定できるようになる時期も、いずれ来ますが、そうそうの年ではそこまではならないですので、この時期を思い出す社会人時代とかでおおお……、ってなればいいと思いました。それくらい、どうしようもないグダグダさであります。
 さておき。
 この漫画の全体のトピックを挙げると、先に書いたようにぐだぐだというのと、後は下ネタ豊富というのがあります。一話目から下ネタぶっぱでしたが、この後も折々で下ネタ、パンツはいてないとか酔って脱ぎだすとか、読み合いゲームで適当な発言をする女性陣に対して西田が処女じゃないなんて嘘だそんなことー! とかしますが、これがわりとぐっとくるのがこの漫画の特筆点でしょう。がっつり局部を見せると言うことは全くしないのですが、それゆえに仄見えるようなギリギリのエロスというのがしっかり重点されております。個人的には脱ぐ回のブラ外しからの縦セタ脱ぐぜー、がご褒美でした。他にもエロを入れに入れる、ぶっ込めるなら何でもする精神がしっかりとしているのです。基本はぐだぐだした青春に、そこにエッセンスとしてのエロ、という塩梅ですが、そのエッセンス美味し過ぎる&オチネタ過ぎるので、印象的にエロス!((c)佐天涙子) というのと、グダグダ! というのが混ざったものが感じられるのです。エロネタが冬だから出来るのをやってるので、季節が一周回ってからが本番な漫画かもなあ、とかなんとか。