感想 高遠るい 『はぐれアイドル地獄変』4巻


高遠るい はぐれアイドル地獄変 4
(画像のリンクが物理書籍のページ、文章のリンクがkindle版のページ)

 大体の内容「海空さんはどこへ行こうというのか」。一瞬だけ輝くアイドルの星になる、というていで始まったこの漫画も、どんどん方向性のアトモスフィアがおかしい、という言語野やった感じの感想がまろびでる。そんな『はぐれアイドル地獄変』4巻なのです。
 この方向性のアトモスフィアの変転、というのはあまりにも海空さんが武に長けるがゆえ。女性としては破格の強さなのでそれも頷けるのですが、それでいて海空さんはわりと天然にアイドルしたいという方が強く、なもんで自分のしたいことと出来ることとのギャップ、それが今の状況、あちこちから武方面でアテンションされるという状況を作り出していたりします。ボクシングの試合のリングガールなのに試合しようって挑発されたりしてましたし、ちょっと悪人成敗したら逆恨みで命狙われたりしましたし。どっちもされるのがあり得る、というのが海空さんの天然自然のポテンシャルなんですが、裏にはどうにも海空さんのお父さんが絡んでいるっぽいと示唆もされ、そしてバトる展開へと話の方向が傾き始めました。やはり武の子は武の子ということなんでしょうか。海空さんも、高遠るいせんせも、その辺は抜きがたいものがあるということなのかなんなのか。とりあえず、このままいくと地下格闘トーナメントみたいな世界になりそうな塩梅であります。ほんと、どう決着するんだこの話。
 さておき。
 今回は細かい話が色々ある展開でしたが、矢島さんとクリスさんが正式にお突きあいしだした話と、海空さんがアキラさんとのレズックスするのやめたいとか言い出す話辺りの、サブプロットいきなりぶっこんで消化しきれるのか感が最高に好きです。この漫画もだいぶ連載が続いている訳ですが、海空さんがお突きあいする話を出来ない。それは秘蔵っ子=エロ話の要員が足りない! というので脳内電球が点灯したのかなんなのか、とにかく出来るだけのエロ要素を! という感じであります。出来ることしまっせ! とやっているようにも見えるのが大変楽しいんですけど、ちゃんとこの枝綺麗に出来るのか、とはやはり不安です。いや、エロいのはいいんですよ。眼福なんですよ。でも、豪島さんで一回破格のやつやった後だと、どうしてももうちょい、まだできるはず、と思ってしまうんです。エロのインフレーションというか。どんどんやばい話を求めてしまっている自分がいるんですよ。この上がりきった期待が裏返って失望になるのが怖い。という謎の境地になっていたりします。あるいは、バトる展開になってエロが消えたらどうなるのか、と言う部分も怖さを感じているのかもしれません。ある意味で、着地点次第で評価ががらりと変わる。そういう予感を持たせる4巻だったかと思います。いい意味でより良く、とは思いますがはてさて。