大体の内容「前巻からの温度差！ 風邪ひくわ！」。13巻ラストの時点で割と風邪ひいてましたが、そこから二転三転と温度差が繰り出されて、リアルに風邪ひきそうにさせられる漫画。それが、『はぐれアイドル地獄変』14巻なのです。
14巻は基本エロコメに戻っています。エロコメに戻れるんか？ という危惧も13巻のエロコメオチ見てもまだ少し持っていたんですが、これが全然問題なく戻るから恐ろしい。きっちり戻していますからね。よく戻せたな！ まであります。
しかし、全く元に戻ったか、と言われるとさにあらず。海空さんにとって色々考えてしまうことも多い、というのがなされます。
それは、グゼバさんの行動だったり、老格闘家とのエキシビジョンなとことかで、自分の人生について、あるいは自分に何ができるのかについて思い悩むことになるのです。
特に格闘者として、世界の上の方となった。んだけど、自分は特に変わりないつもりだし、その上周りは狙っている、というのにピンときてないのが、今回の巻で浮き彫りになります。
それゆえに老格闘家におくれをとる形になったりも。そこでグゼバさんの生き方を見て迷っているのも見抜かれますが、でもどうすると。
そこのところが今後も細かく立ち上がってくるのでしょうが、とはいえ生きていくためには仕事しないといけないので、基本エロ話がされます。
そんな中で、以前下着ドロしていて、さらに海空さんのレズックスを見せつけた少年との絡みもあります。絡みといっても、ヌードデッサンのモデルになってくれい！ なのであり、芸術！ なのですが、この漫画はエロコメなので、少年はホールインはしないものの三度達したりしていました。まあ、海空さんはエロいしね。
までなら、まだ普通のエロコメなんですが、たぐいまれなのは、この件によって少年の人生が大きく変わってしまう点です。
諸賢も覚えておられるでしょうが、この少年、下着ドロ回ではその後さらに裁判官になる、となっていました。
しかし、今回のエロデッサンで人生が変わったのか、ヌードデッサンの名匠になる、とその後のこととして描かれるのです。
前のやつと今回のやつ、どっち信じればいいんだよ！ な案件ですが、人生のうねりと、出会いの機微というもので、その後なんて簡単に変わってしまうのだ。ということでしょうか。とか適当にほざいてみます。
どちらにしろ、海空さんの人生変え能力は高い、ということも可能かと思います。13巻での深い闘いで、グゼバさんの人生も決まったところがありますし、それ以外でも大なり小なり影響を与えているので、そういう不思議な星の元に、海空さんはいるのなな、とか思ったりもしました。
そういう話はさておき。
今回の14巻、話の半分があちこちで書かれた特別編です。それに気づいた時は、まさかここで打ち切り終了とかじゃねえだろうな！？ ってなりましたが、タイミングとして収録できるのがここだった、というだけで、特にまだ終わってなくて安心しました。
この特別編、エロコメどころじゃなかった時期のものだからか、わりと今ここでやるしかねえ！ みたいなピーキーなネタがぶちこまれます。
中でも白眉というか眉唾というかなのが、セーラさんの自伝の話。かなり濃い自伝らしく、その辺においても流石セーラさんですが、本屋大賞みたいなのにノミネートされた、からの展開ももまた、流石セーラさんと言うものでした。
業界の大物の作品が結構ある、からの、つまりあれだな、接待だな！ まではまだ100歩譲っていいんですが、そこはセーラさんなので、それは当然性接待。乱交パーティーだ！ となってしまいます。
もうここまでくると譲れる歩幅もない。その上で、その乱交を録画していて、それを……。というので譲った100歩返せ！ と言う仕上がりでした。しばらくでてなくても、セーラさんは凄い。と語彙がなくなるくらいのものですよ。
さておき。
方向性としてエロコメに戻ったものの、大会は海空さんにとっては、意外と不可逆だったのかと。本人はまだその不可逆な部分に気づいていないけど、その影響で周りを変えるところが、ジワジワ出てきたなと。
そこで、この漫画は海空さんが芸能界で一瞬だけど光り輝く話だ、という点を思い出したり。てっきり大会がそれなのかと思っていましたが、まだ別のところで、あれ以上に。そういうことなのかなと。
でも、あれ以上あるかー？ ってなお気持ち持っちゃいますが、はたしてこの漫画の着地点とはどこなのか。
そういうとこでまだ目が離せない作品。それが『はぐれアイドル地獄変』なのです。
