大体の内容「ほんとに本番に行かねえなあ……」。万光さんと珍太郎さんの、執拗なまでに本番にはいかない、けど執拗なまでにパイでする。その姿勢は修羅を越え、羅刹を越えて、ある種神域へと向かいだしている。などという訳の分からない言葉がするっと出てしまう漫画なのが、『チチチチ』4巻なのです。
放っておくと永遠にパイでずるだけになりそうなエロコメとしての部分と、案外マジなストーリーの部分を併せ持つ、という書いてて頭おかしいんじゃねえか? な漫画な『チチチチ』ですが、どちらの面も徐々に収束する方へと向かいつつあります。
ストーリー面は要素が意外と多岐に渡っているこの漫画ですが、その、珍太郎(女性。所謂デカパイ)さんサイドの方が結構一点に向かい始めています。以前から、珍太郎さんの性に対する異様さというのは顕著で、更に現在の実家の方もどうにもおかしく、それゆえにこの人のバックグラウンドは何かある……!! とされきた訳ですが、今回、その部分の元凶へと話が踏み込みます。
その元凶、というのが、珍太郎さんとその妹、真名奈さんの育ての親、華名奈さん。この人が様々な意味で、珍太郎さん達を縛っている、というのが今回の巻で分かってきたことです。
華名奈さんについての情報が出るのは都合2か所。それと分かる一件も含めると3か所ですが、そのどれもが、こいつ、ヤバい! と戦慄を余儀なくされるもの。
一つは、間接的な部分ですが、真名奈さんが帰省から帰ってきてからの行動です。万光(男性。おぱい絵本作家)に対して、いきなり何かしらの術をかけ、エロ拷問をし始めるのです。この漫画なので当然パイでずるのみですが、幻覚なのか実際にされているのかよく分からない中、ひたすらにちまい姿ながらの豊乳でパイで様々にずる、という桃源郷めいた地獄! こういう状態に真名奈さんを追い詰めた何かが、華名奈さんにはある、ということです。この時点でコワイ! 実家コワイ! と唸らされます。*1
二つめ。これもやや間接的ですが、珍太郎さんが完全に引きこもりをしているところに、華名奈さんがやってきて、言うことは言って去っていく、というだけのシークエンス。ここに、珍太郎さんの実母(幽霊)が捕捉を入れてくるのです。それによると、珍太郎さんの行っていた高校の風紀を狂わせ、街の雰囲気も淫蕩なものにしてしまっ原因とのこと。何その話ちょっと待って? 何したの華名奈さん!? 事案であります。
最後の三つめは、とうとうご登場の華名奈さん本人が成程ヤバイ! というもの。そのエロに向かおうとする圧がとにかく凶悪で、真名奈さんが使う謎のエロ術の発端なのが分かりつつ、其れよりも遥かにヤバイ、と納得させるだけの力を見せてきます。なんだよエロコメなのに力って! 案件ですが、本当に力というしかないものなのです。この謎のエロ圧力と、殆ど異星人レベルでは? というエロメンタルが絡み合って、異常!
と即断させられるのです。成程、こいつはマジヤベーわ。そりゃ真名奈さんもエロモンスなことしてたわ。
そういう、ヤバいキャラ華名奈さんが、今後どのようにこの話に絡んでくるか、というのが、この漫画の一応の結末へと導く駆動系として立ち上がった、というのが4巻のストーリーの展開なのです。
さておき。
エロですよね。今回も究極的にパイでずります。以上! というやつなんですが、このパイでずるタイミングがどんどんと変わってきて、色んな所でパイでずるようになってきました。大学の人の来ないというトイレとかですね。
でも、個人的にはご同業、絵本作家ですよ? おぱい絵本作家ではありませんよ? な雪代岬さんとの討論、ファミレスでおぱい絵本について、という謎シチュエーションの中でやったとことが一番やべーでしたね。スプーンを、と屈んだところでテーブルの下に入り、やる! という珍太郎さんがヤバイというのを加味させつつ、でもここ以外入れられない! という場面なので理解したい、けどやっぱどうなの!? という疑義も持ち込ませる見事なところでした。軽く刑事罰発生しかねんシーンでしたよ……。でも、だからこそ背徳的で……。
さておき。
3巻の時も、これ本番出来るの? というかそれは本番として意味があるの? と思ってきたこの漫画ですが、4巻でも本番は当然なく、しかしパイでずるのは永遠じゃねえよ、無限だよ。レベルであるという、パイでずるの天空城という佇まいでした。ここまで来ると、もう本番じゃ逆に納得できねえぞお! の域に、読者を叩き込んできている。そう言って差し支えないでしょう。むしろここまでパイでずることへの欲望を剥きだしにして、読者を追い込んで、それで普通に本番で終わったら、これはもうキレる以外に何をすればいいんでしょうか。そうなってしまった読者に対し、きっちりとした本番以上のパイでのずり。これで終わって欲しい。そう思うのでありました。
何言ってんだ私は……。(冷静になった)
*1:ここのシーンは、珍太郎さんの意志の強さが勝る、というので終わりますが、崩れていたら……。