ネタバレ?感想 クール教信者 『チチチチ』5巻

チチチチ 5 (ヤングチャンピオン烈コミックス)
チチチチ 5 (ヤングチャンピオン烈コミックス)

 大体の内容「πでずるのーだけーしかー」。シリアスなところも偶にありつつも、πでずる以外のエロ行為一切不明! という部分が貫き通し過ぎたせいで何かが狂っている状態になりつつある漫画。それが『チチチチ』なのです。
 何が狂っているかと言うと、同棲してイチャイチャしてエロエロして、いるのに万光さんが童貞だということです。あそこまでと言うレベルでラブラブでエチチしているのに、ホールインしたことがないのです! 万さんが僕は童貞なんですよ! って言うシーンがあるんですが、それはその通りなのに、なんか釈然としないものがあったりしました。あれだけエチエチなことしていて、でも童貞ってなんかおかしくねえか……?
 そんな童貞のままなのがおかしく感じるくらい、この漫画のπでずるのはエロいのです。πでずるのはジェネリック性交ではないんですよ! というクー先生の魂の波動をすら感じます。それぐらい、ちゃんと性交としてクソタレエロいのです。4巻でも、このπでずる以上のことをセイコウするのだろうか? という感想を持ったんですが、それが更に推し進められつつあり、本当にπでずる以外のセイコウはないのかもしれない、と錯乱してしまうレベルです。
 というか、ホールを使う、って発想が全くないんですよね、珍太郎さんにしても真奈菜さんにしても。知らない訳じゃないっぽい。というか性教育の教科書が珍太郎さんの家のある辺りが狂っている、エネマグラが当然のように図示されていたり、なので、知識としてはあるし最悪やったこともあるのかもしれない。
 でも万さんには常に胸で仕る辺り、万さんの性癖に合わせてあげよう、という理路なのかもしれません。相手のされたいことをしてあげる、とか、どういう性教育なんですか!? ではあります。ある意味正しいんですが。
 さておき。
 ストーリーの一つの着地点として、珍太郎さんのギリの母、華名菜さんが4巻にて登場した訳ですが、精神ヤバイタイプだろうと思ったら、性交の快楽で世界に愛を! という、ミルコ・クロコップ顔で「お前は何を言っているんだ?」な発言が飛び出しました。周りの人たちも、華名菜さんならそれが出来る、と信頼を寄せており、でも色々考えて何が何でもおかしくねえか!? な訳ですよ。人は性欲のみに生きている訳じゃないでしょ? と。
 でも、言ってあれですが、性欲を満たし続けられれば、ある意味では平和というのは確かにあるのかもしれない、という錯乱もしてしまいます。
 実際、華名菜さんのメインで活動している辺り、珍太郎さんの郷里では、国公認の性産業の街となって活況らしく、ならエロい気分を上手く平定すれば、人間何でもよくなるのかもしれない、とは思ってしまいます。
 とはいえ、華名菜さんサイドは珍太郎さんを上手く家に戻したい、という目論見があり、それで万さんを納得ずくで手の内に入れようと画策したりします。当然、おっぱいのデカいねーちゃんもあてがうよ! それともここでエロるか!? とかやってくるので、頭おかしいのは間違いないんですが、あるいはそっちに生きた方が楽まではあるのでは? ということも思ってしまいます。
 手厚く扱われ、好きな人とも一緒にいれるし、それ以外のエロも完備。金も潤沢、となるとよくよく万さんはその魅力をはねのけれるなあ、と感嘆してしまいます。それが提示されたとこでは、万さんも、実際に取り込まれたら戻れなくなる! と見切って遁走してたので、あれはかなりの魅惑だったかと思います。
 しかし、華名菜さんはどうしてあんなにエロ方面の人の信託が厚いのか、というのも、この巻最後一個前の話で提示されます。以前の真奈菜がヤバくなった時にも似た、しかしそれ以上の淫の気を華名菜さんは出す模様です。道に迷っていた華名菜さんを助けたら、オートでそういう展開になってしまった万さん。その少し前の回でエロセンシティブを手に入れていた万さんが逃げよう、抗おうとするものの、あまりに強い淫の気に正気が削られ、相手の体をむさぼり始めて……。
 一応、その場はなんとか難を逃れた、ものの、次の回ではちょっと廃人になりかけてしまう形に。華名菜のヤバさが如実に出た格好です。エロコメ漫画でラスボス、って言葉がしっくりとき過ぎて、華名菜さんはなんであんなことに? となったところで、6巻にてその顛末が語られる、という前振りが始まりました。この漫画どこに行くの!?
 となりつつも、その顛末超聞きたいので、6巻には早く出てもらわなくては困るな、となるのでした。