感想 山本祟一朗 『それでも歩は寄せてくる』1巻

それでも歩は寄せてくる(1) (週刊少年マガジンコミックス)
それでも歩は寄せてくる(1) (週刊少年マガジンコミックス)

 大体の内容「歩、てめえああああああああああああああ!!」。八乙女うるし先輩と田中歩は二人きりの将棋部。そこでうるし先輩は気づきます。歩、こいつ私の事好きじゃねえか? ということで、恋の盤外戦が激しく交錯する漫画。それが『それでも歩は寄せてくる』なのです。
 てめえあああああああああああああああッッ!!!
 と、いきなり叫びましたが、それも仕方ないと思っていただきたい。それもこれうるし先輩が好かれている!? ってのに、そして実際歩は好いているというのに、歩のやつが、うるし先輩に勝つまではその好意を表さない、としている、だけならいいんだけど、それがちょくちょく漏れ出てて、それでうるし先輩が惑乱してうわあああああああああああああああああああああああ! 可愛いんじゃあああああああああああああああ! ってなるのです。そして歩許すまじ! となるのです。
 というか、歩、お前好意隠す気実際にはないだろ!? って感じでわりと漏れに漏れています。それのおかげで、うるし先輩がてれってれする様が見られるわけですが、それが可愛すぎるんです。可愛すぎるんですようるし先輩は! とパンツ声になってしまうくらいに、とにかくうるし先輩が可愛いのです。このカワイイヤッター! でひたすら読者をコントロール戦術してくるのが、この漫画です。とにかくうるし先輩が可愛いのです。
 この可愛さは、歩を意識するからこそ出るムーブですが、それゆえに、歩が暖簾に腕押しでばかりにのらりくらりするのが大変むかっ腹が立ってくるの回避するのは不可能、と言えるでしょう。絶許! レベルのはぐらかしを、歩はするのです。偶にぐらっとくるところもありますが、基本的に歩の野郎が自省して事なきを得る、過程でうるし先輩が可愛いんですよ! この、この二人の関係が上手くいって欲しいんだけど、でもこういう焦れ焦れさせられるのを毎度ってあなた! な訳です。完全に山本先生の手管に飲み込まれているのが、分かるだろう?
 個人的に好きなシーンというか好きなうるし先輩は全部ですがそうじゃねえ! 落ち着け! 好きなシーンは、何故かと金のロゴのTシャツと芋ジャージのうるし先輩です。何故と金なんです! 何故だ! でもそのチョイスも超可愛いです!
 じゃなくてシーン! 部室で寝て、将棋部の新入部員が! 部として成立する! と、いう夢だったんだ。のとこですね。いくらなんでも油断し過ぎで、その寝ている様をおもうさま歩に見られていた、というのが大変歩絶許! 感があって、あれこれ好きなシーンじゃない!? いや、好き好き。油断して寝ちゃううるし先輩超可愛い。歩が絶許なだけで、その寝てて見られているシーンを想像すると微笑ましいってやつですよ! 絶許だけど!
 ということで、とにかくうるし先輩が可愛いを推してくる漫画であり、ついでに歩絶許! な漫画なのです。歩の絶妙なお前隠す気ないだろ! ムーブと、それに翻弄されて可愛いから更に可愛くなるうるし先輩を見る漫画、それが『それでも歩は寄せてくる』なのです。