ネタバレ感想 九井諒子 『ダンジョン飯』9巻

ダンジョン飯 9巻 (ハルタコミックス)
ダンジョン飯 9巻 (ハルタコミックス)

 大体の内容。「それは神の誘いか、悪魔の罠か」。この漫画の決着点が見え始めた! でも、どっちに転ぶんだこれ? と勝手に感じられるようになってきたのが、『ダンジョン飯』9巻なのです。
 この漫画の決着地は今までそれとなく示されてはきました。最初のファリンを助ける、から、ライオスが迷宮の主になる、という地点にです。しかし、奥に辿り着いただけでそうそうなれるものでもないだろう? という風に思っていたのですが、その辺が今回において一気に方向性を示してきました。有翼の獅子が、サキュバスに襲われ(後述)意識喪失中のライオスに語り掛けてきていたのです。そして、自分を解放すれば、狂乱の魔術師もどうにか出来る、ひいてはファリンも助けられるということですが、と言うのです。そして、迷宮の主となって、民や魔物を上手く扱っていってくれ、とも。一気に話が佳境の形に! 実際奥の方に来ているのでそりゃそうなんですが、それでも終わりへと向かい始めた、というのでなんとなく時期が来たなあ、という気持ちになりました。
 などと、その気になっていた俺の姿はお笑いだったぜ。
 ここでそのまますっと終わらせない姿勢を見せるのがこの漫画の正式なムーブです。それはミスルンさんが迷宮の王になったことがある、というので、そのせいで迷宮を作らせた悪魔への殺意の欲以外を食いつくされた、というのです。その辺りの話、というのがカブルーが大体要約してくれた、そのままお出しはしませんが色々あるんですというムーブで片づけてましたが、内容なのですが、つまり、迷宮を育て過ぎるとミスルンさんみたいになる、ということらしいのです。
 つまり、有翼の獅子が、本当にライオスに迷宮の未来を託すつもりなのか、その欲を食いつくす為に託すつもりなのか、というのが読者側の方でどっちだ! っとさせられるようになってしまったのです。ぶっちゃけ九井先生にどっちですか!? って凸りたい気分に駆られます。電話番号はどこだ!←昔じゃねえんだから載せてねえよ
 さておき。
 そういう惑乱要素を、この漫画の終わり方の為にぶっこんできたわけなのですが、個人的にはライオスがマルシルに気がある、という提示がされたのが更に惑乱ポイントです。これは、サキュバスの回、サキュバスといっても悪魔のサキュバスはいるらしい程度な世界観らしく、そのサキュバスの能に近いのをサキュバスと呼称しているという、七面倒くさい回路があるんですが、それはさておきその能力で心がどうしようもなく惹かれるものに見える、ってので、色々な惹かれるもの、チルチャックだと自分の子供とかです、が見えるんですが、そこでライオスが見たのが、マルシルだったのです。
 アイエエエエ!? ニンジャ!? ニンジャナンデ!? とニンジャ関係ない感じで超困惑しました。その前の回でちょっとなんかあるっぽい雰囲気も出していたとはいえ、ライオスが普通にそう言う感情が!? となったんですよ。
 しかし、ご安心ください。そこはライオスです。単なるマルシルには「あっ、これサキュバスだ!」と気づいて、更にこれ見られたら誤解される、やばい! 隠蔽しなくては! とか言い出すします。しかしその正体というか、真の姿がモンスターへと変化した姿だ! 噛むと一緒の状態になれるよ? となるとほいほい言うことを聞いてしまうのです。お前ー!? だから本当にそう言うとこだぞライオス! しかも、モンスター姿のマルシルに超ドキドキしてるんですよ。本当に本当にそう言うとこだぞライオス! というか、そっちの方がばれたら周りから超不審がられるって何故分からん!?
 ということで、ダンジョンの奥にいる有翼の獅子を助けに行く、というのが最終的な形へと向かっていく素地となりましたが、その前にライオスの血を吸ったサキュバスがぷっくり姿で出てきてない(他は出てきた)ので、どっかにまだいるぞ、という、ライオスにとってかなりの爆弾が残っている状態で、更にライオスがこのまま迷宮の主になったらやばいからころころしよう、というミスルン隊長たち<カナリア>もやってきていて、さてどうなってしまうのか。とりあえずサキュバス出てきたらライオスの社会生命がヤバイ気がするので、どうなるんだろう……。どうしてしまうんだろう……。
 とかなんとか。