ネタバレ?感想 イダタツヒコ:広江礼威 『BLACK LAGOON 掃除屋ソーヤー 解体!ゴアゴア娘』1巻

BLACK LAGOON 掃除屋ソーヤー 解体!ゴアゴア娘(1) (サンデーGXコミックス)
BLACK LAGOON 掃除屋ソーヤー 解体!ゴアゴア娘(1) (サンデーGXコミックス)

 大体の内容「ロアナプラの闇の闇!」。『ブラック・ラグーン』で出番が多くは無かったわりにインパクトが異常に残った掃除屋ソーヤ―がメイン、それもイダタツヒコ先生が! ということで、勝手に私の期待値がもりもりしていた、そんな作品がブラクラアゴアなのです。
 ブラックラグーンを読んでない人が読むか? いや、そもそもブラックラグーンを知らない人がいるのか? という謎はさておき、イダタツヒコ先生がブラクラを!? という衝撃と、それもソーヤ―を!? という衝撃のダブルインパクトな本作ですが、その手筋、超正しい! という所作を一発目からぶっかましてきます。
 BLACK LAGOON 掃除屋ソーヤー 解体!ゴアゴア娘 イダタツヒコ (原作:広江礼威) | 小学館コミック -サンデーGENE-X-から1話目が読めるので鋭意読破して頂きたいところですが、それはさておき、一話目からトイレの中でトリップ、という攻めの姿勢が強過ぎて攻めの虎伏絶刀勢とも言える仕上がりであります。
 こういう現実とトリップの狭間なネタをすると古今無双の実力者なイダタツヒコ先生なので、本当に素晴らしい仕上がりながら、こればっかりでこの漫画進むの? というお気持ちも発生するかもしれません。その気持ちは分かる。
 でも安心してください。半分くらいこんな感じです!
 特に2話目の謎具合は大変なもので、ソーヤ―のところにしたいを買いに来る客についての話ですが、全体的に考察するにはパーツが少ない中でこれは何? というもの。
 ある意味ではホームズ物みたいな情報の非対称性がかまされます。
 その上、前に売ったしたいの目を、その買い取ったやつとその主が、というのと、ソーヤ―が襲われるんですが、そいつらがロアナプラなのに銃持ってないとか、その買い取ってるやつがそいつらをムエタイで倒すとか、更に情報が全く繋がらなくて混乱ばかりです。
 でも、イダタツヒコ先生好きーならこれこれ! と言える味わいでもあります。その全体的ななんだったんだよ感! 謎しか謎めかないこのテイスト! なんだよこれ! どこだよここ!(ロアナプラです)
 ということで、イダタツヒコ先生好きーな私には垂涎となる回となっております。
 そんな訳で、スピリチュアル、というと若干違いますが、な内容でゴリゴリとおしてくる漫画な訳ですが、それでもそれはそれでいい、と思わせるのは、主体がソーヤ―だから、という部分はあるかと思います。
 したいやさつがいげんばの掃除屋、というので、4話目のようにそれ主体の話もこなせますが、それ以外のこの世とは少し違うライン、というのもまた、掃除屋という仕事ゆえに垣間見ることはある、という位置にいてもおかしくない。
 そういうのがやたら近いロアナプラでも、更にもう一段近くなら、そういうモノを見て聞いて触るのもおかしくないのではないか?
 そう思わせるところがソーヤ―と掃除屋という仕事にはあり、だからそういうとこを主体にするのは全く正しいのではないか。とわたしは思っています。まあ、それを差っ引いても怪奇事件に遭遇し過ぎる感じはありますが。
 その怪奇事件の中でも6話目は中々ふるっています。
 話としては、過去にソーヤ―がばらした相手が復讐に、なんですが、ソーヤ―の手口が分かっているから、体に鉄版を仕込んだり、奪われた手を改造してバンボロったり、そもそもそれがバレない為に全身包帯にマントという怪人過ぎる姿だったりと、ロアナプラじゃなかったら速攻で捕まる風体がツボです。ザッツ怪人!
 あまりに怪奇寄りの姿の怪人とソーヤ―のバトルの結末については、見てください! というシャクティ顔ですが、この話の血は出てないのに血生臭い感じ、というのも掃除屋ソーヤ―だから出せる味だなあ、と感じました。その仕事ゆえに、出さなくても血生臭い、といいますか。ある意味選んだキャラとイダタツヒコ先生との相性が良過ぎる、間違いなく最良であるからこそ、とも。それゆえに、この漫画は成功している、売り上げ的な意味でははてなだけど、と思うのでありました。
 とかなんとか。