ネタバレ?感想 作画やまむらはじめ:原作広江礼威『BLACK LAGOON エダイニシャルステージ』3巻

BLACK LAGOON エダ イニシャルステージ(3) (サンデーGXコミックス)
BLACK LAGOON エダ イニシャルステージ(3) (サンデーGXコミックス)

 大体の内容「なんと、休暇でもブルシットジョブ!」
 2巻の話で精神がくさくさするエダさんは休暇をもらって憂さ晴らしに出る。しかし、その旅程で、またしてもブルシットジョブに遭遇することに。休暇でもブルシットジョブになるエダさんの明日はどっちだ! というのが3巻の大半の内容なのです。
 3巻冒頭から始まるトンチキ話は2巻の話が暗い話過ぎたので一気に明るく! という目配せだとは思うんです。でもだからってここまでトンチキにする必要ないだろ! 加減しろ莫迦! というくらい火薬量が多い回となりました。
 火薬量もトンチキですが、話の内容の方もトンチキで、エダさんがいかれたおっさんに娘認定されて話がごちゃごちゃになる、というやまむらはじめ先生を俺は今まで侮っていたのか!? というレベルで無茶苦茶な話でした。もっと精緻にするタイプだと思ってた! いや、この話もちゃんと精緻ですけど!
 とにかくお話のカタストロフィ感というのがひどい。
 いかれたおっさんのいかれ発言のせいで、そのおっさんの娘にフラれて金もってとんずらこかれたマフィアが、その娘が帰ってきた! と襲い掛かるんだけど、あっちでもこっちでも裏切りの連鎖が起きて無茶苦茶になってしまいます。
 この襲い掛かる方が普通はやばいんですが、いかれたおっさんはマジでいかれており、そのマフィアが襲ってくる時の為にブービートラップ、もちろん火薬量過積載、しかけていて、それでマフィアの方があらかた片付いてしまうという展開にもっていかれます。
 それでも残ったマフィアが襲う訳ですが、それもやはり過剰な火器やあらかじめ作っておいた逃げ道などを駆使してぶっ倒していくという展開で、あまりにもさぱっとしております。使用される火薬量に比例して頭のねじが緩んでいくタイプの映画に感じる頭おかしさです。
 しかし、さぱっとはしていますが、ブルシットジョブであることには変わりありません。ちょっと煽り運転しただけで行かれたおっさんにさらわれて、最終的にマフィアがつぶれる展開になる無茶苦茶なブルシットジョブです。鉄火場で銃撃戦することになるので、エダさんのスキルが無かったらやばかったとこはあります。いかれおっさんだけで倒せた可能性も結構ありますが。
 なので、なんだこのクソ仕事としか言えませんが、これが仕事でやりにいったならまだマシであるのは論を俟ちません。今回は完全に休暇でいったらこんなブルシットジョブですから、クソオブクソです。本当にどうしてこんなことになったのかとしか言えない内容となっています。
 そんなブルシットジョブの女帝、エダさんですが、アンガーさんにはCIAが結局向いている、という発言をもらいます。
 その理由が、2巻の話で助けられなかった、それも組織の力でも助けられなかった、というのが棘となって刺さっていた、というもの。結局組織の人間なのが、エダさんなのだ、と提示される訳です。そういう視点なら、確かにCIAの力を使うものとして向いているのだな、とは思います。
 とはいえ、ここまでブルシットジョブに見初められているのは前世で何か悪いことしたの? 神に逆らったの? レベルであるのもまた事実。3巻後半からの話で、そういうタイプと周知されつつあり、更にその話でもまたブルシットジョブになるのが確定的に明らかになっており、ここまで行くとCIAの相当な有名人になってしまうのでは? という方向性も見えています。
 ある意味ロアナプラに送られたのはそのせい、その知名度のせいなのかも、という方向性すら見えてきております。よくそれでロアナプラ潜りこめたな……。まであります。ホテルモスクワ辺りは実際CIAって知ってる可能性すらあるんじゃないのか? とか勝手に妄想するレベルで知名度高くなってるよな、と。
 これ以上ロアナプラ行く前に色々あると、マジで知名度上がり過ぎるのでは? というので、この漫画そんな長く出来ないのか? ともなってしまいます。マジで有名過ぎて欧米では使えなくなった、とかまでいったらもうとんでもなく楽しそうですが。
 そういう訳で、とうとう休暇すらブルシットジョブにしてしまったエダさん。この伝説的なブルシットジョブ被弾をどこまで続けるのか。そういう意味で大変楽しみですが、あんまりし過ぎるとこの漫画の命脈がすぐ尽きちゃうのでは? でもあります。そういうひやひや込みで、この漫画の今後を楽しみにしたいと思いつつ、筆を置きたいと思います。