大体の内容「エダさんの過去編! そういうのもあるのか」。ということで、CIAエージェントのエダさんが、暴力教会に行く前の話。それが『BLACK LAGOON エダ イニシャルステージ』なのです。
ブラクラにおいて、過去を語れないキャラ、というのは結構います。そこを書くというのは核心の時だ、というべきホテル・モスクワとか、語るべき時を広江先生が溜めているだろうダッチとか。、あるいは意味不明になるか逆にしっくりきすぎるかだろうロットンとか。
とにかく過去をギリギリまで語らないことでキャラクター性を保つキャラ、というのがブラクラには結構いる訳です。
その中で、今回のスピンオフで語られるのが、エダさんのCIAエージェント時代。いや今もそうなんだけど、今の印象だと暴力教会のシスターがいい意味でも悪い意味でも似合い過ぎてています。そっちがメインだろ、まである感じです。その過去が、今回開陳されます。
実際問題として、このCIAキャリア最初の頃から始まるイニステで、エダさんは初っ端からクソタレジョブに付き合わされます。いきなり獅子身中の虫というか、CIAエージェントを笠に着てマフィアと繋がりがあるやつとかいるのです。そして新任でそいつの尻拭いとバタバタをすることに。
どういう初任務だよ! ですが、そこから始まるエダさんの受難の時代を見ていると、今のロアナプラの生活の方が少しマシなのでは? まであり、現在わりとノリよく暴力教会しているのもやんぬるかなといえるレベルです。
というか、エダさんを任務に就かせている上層部、あえてクソタレジョブのとこにぶっこんでんのか? まであるので、CIAも大変なんだなあ。という感覚に襲われます。そりゃあ、つつがなくスパイ仕事してたら面白さが無いのは分からんでもないんですが、もうちょっと、なんというかこう、手心というか……。そらロアナプラの仕事のが、ってなるわの案件です。ブルシットジョブなんて甘いですな。
というか、本当にエダさんこんな仕事遍歴で、逆にCIA辞めなかったのマジかよ、レベルです。もうちょっと、過去に何があったか話がないと、こんなクソタレ仕事ずっと続けるメンタルの意味が分からん。いや、CIAだからそっとやめるの難しいんだろうけど。でも、初手の仕事から腐らず次の仕事の為に訓練しているとことか、一体そのモチベーションはどこから、と言うのが気になり過ぎます。元から過去は気になっていていた部類ではあるエダさんですが、更にもっとオリジンが知りたい、と思わせてくれたので、この漫画は成功なのでは、という気持ちが勝手にあります。
さておき。
ブラクラスピンオフシリーズ、第二段な今作ですが、作画にやまむらはじめ先生を迎え、悲願は達成されました。と謎のお気持ちが出てきます。違う漫画家が描く、というのではそれがどこまで原作に近付くか、あるいはどこまで作家の方に寄りつつ原作のイメージが出るか、という形になりやすいですが、今回はエダさんの過去編なので、地味にシスター姿以外をやっている。ゆえにエダさんのイメージが違うのは当然なので、なんか姿が違う! というのが理の当然としている。そらそうよ。よってパンツスーツスタイルでも違和感がない。まさかの絵柄違いでもそれが気にならないという業前となっています。不思議!
とはいえ、やまむら先生もかなり広江先生の絵柄に寄せています。イダタツヒコ先生も寄せていましたが、それ以上に寄せている。でもやまむら先生漫画。この辺りの違いを楽しむのも、ロアナプラサイドストーリーズの面白さでしょう。
ある意味では、スピンオフ祭の良さというのがこういう所。違う腕で作られるその話の別側面というのが流れてくる訳で、それに対してありがてえなあ。となるのがブラクラファナティックの姿であろうなあ、とか思います。本気感謝(マジあざっす)!
とかなんとか。