大体の内容「マジで100人出すって本当ですか?」。マジと本当で本当と本当がかぶってしまった。と井の頭五郎顔になるくらいにマジならヤバい漫画。それが『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』(以後100カノ)なのです。
100カノは……、おえんのです……。
とついつい言ってしまうくらい、おえんのです。
おえんとはいけないという意味ですが、本当にそれ以上いけない。というレベルでラブコメというジャンルの最終兵器になるのか? という雰囲気がある漫画です。
もうちょいちゃんと内容を書くと、中三までで告白100連敗した男、恋太郎が、しかし高校になっては100人の運命の人に会える!
ということで、え? 100人の運命の人!? となる漫画です。
ちなみに、その運命の人は、運命の相手である恋太郎との恋愛に失敗すると運気を使い切って最後は不幸にも死ぬ、ということで、恋太郎には異常な判断が課せられることになります。
もうこの段階でわりと無茶苦茶です。そもそも恋の神様の手違い、ラピュタみて発奮してたら運命の人の数を書き間違えた、というので何言ってんだお前!! なんですが、それに対して恋太郎は運命の相手に会うたびにやる気を増していく、という謎の精神バフで相対していきます。
そういう訳なので、100カノは……、おえんのです……。となるのもしょうがないと思っていただきたい。まだ1巻で本当に100人の彼女と運命の人になるのか、というのは濁されていますが、聞いた話だとガチらしいので、もう、バカ。となってしまいます。
そういう無茶苦茶な人間に積極的、ドネートだ。するのも我々ジュラル星人だ。あと、ボーボボボ・ボーボボという文字列が冠されると、気になってしまうのも我々ジュラル星人だ。
ということで、聞いた話でこいつはよいぞ、今後買うか? のその試金石にアニメ1話(今月からやっているのだ!)を見て、走れ! ニンジャスレイヤー走れ! して本屋に走って1巻をカカッと買ってきてしまいました。それだけのパワがあったのです。
で、1巻読んだわけですが、話に聞いていた濃い。
というのが濃くなるのがもうちょい色々キャラ出てからだろうと思ったら、1巻範囲で3人でも十二分に濃いという、逆に言うと今後この濃さが更に増す、……ってこと!? と正直驚愕しました。それくらい1巻でも十分濃いのです。
この濃さは、初手の運命の相手が同時に二人、花園さんと院田さんが一緒に衝突! という流れから既に現れています。最初の相手は一人からやろ、などと、その気になっていた俺の姿はお笑いだったぜ。というくらい、いきなり二人の運命の人が! という展開をぶっこまれる訳です。
そのまま、展開に妙な遅滞など一切なく、告白の流れに突入していくんですが、そこで同時に告白だったので一旦ステイ! した恋太郎が、流石に困って恋の神様に行ったら先ほどの運気使い切って死ぬという情報を叩き込まれてしまいます。そこからの上手く二股をかければとなるんですが、そこを自分で一蹴! するとこは感心しました。
今まで100人に告白して拒否されてきた、そんな恋太郎が惚れられたからってそういうことはしないんだ! というのが提示されるのです。流石に幼児(正確には生後8か月)で告った男は違います。様々な意味で違います。
ではどうするか、というのは、そこで運命の人、残り98人! になったということ、そしてマジでやるのか!? と先述しているのでご理解ください。そういうことです。
さておき。
個人的な信仰を告白させてください。
小さくて、本を取るのにぴょんぴょんする図書委員の子ってステキじゃないですか?
ねえ?
ねえ!!
と信仰を突如爆裂させたのは、当然小さい図書委員の子が出てきたからです。
好本静さんです。
ようやくまことの図書委員の子に出会い申した。
無頼の月日、今は悔ゆるのみ。
今日ただいまより 萌えの礼をとらせて頂きたく……。
道場は芝居をするところではござらぬ、ですがドツボなんすよ……。小さい子が何か取ろうとぴょんぴょんするの、あ~心がぴょんぴょんするんじゃ~。なんですよ。
そして本好きというのでその本で会話をとる、というのがまたよい。本に知悉している! というのの表現と、そういう変なことをしてしまう、というコンプレックスとがあり、そこに対して恋太郎がまたいいことするんだ。
そこが100人を彼女にする、というどう考えても頭おかしい行動をやろうとするだけあるなあ、となんとなく納得できるとこなんです。マジで粋且つ静さんのコンプレックスに対するいいアタックなので、これが100人を彼女にする男……、ともなります。
さておき。
この漫画、濃い漫画だとは聞いていたんですが、前述通り1巻から既に十分に濃ゆい。特に1話はアニメ1話と同じ区間なのですが、アニメの段階で濃くてこれ元は1話だけなの? だったんですが、実際1話目をきっちりアニメ化してのものでした。そーなのかー。
しかし、この濃さ、イエスだね。と上から目線です。『コミックマスターJ』の名台詞で、「面白い漫画は1話目で決まるのよッ!」というのがあります。
正確な言い回しは違うんですが、とにかく1話目が漫画には重要、ということです。
更に個人的には一番最初の1話ではなく、読者がたまたまみた1話でも、とも思っているんですが、それはさておきこの100カノの1話は、というとそれがよくなかったらこの漫画買ってねえよ! というのは分かっていただきたい。
アニメの1話としても完成度が高いものでしたが、それがちゃんと漫画の下敷きの時点で面白かった、というので、マジであの名台詞は正しいよなあ、という感想になりました。『コミックマスターJ』の台詞はマジで漫画オタ人生の参考になる。
しかし、恋太郎は今後どうなるのだろうか。
というか、おせっせする、という展開になったら大変過ぎないか? キスでも大変だったのに。
100人とおせっせ、って一人一晩でも100日かかるわけで、そのほうの力が漲っている高校生にあっても、流石に難しいのでは? という下世話方向が今は気になっています。
果たしてそういう方向にふれたらどうなるのか。腹上シとかにならんだろうな……。
とかなんとか変な気の揉み方をして、今回はここまで。
したらな!