3話目になる住吉九『サンキューピッチ』が楽しすぎたので感想書いた

今週もサンピ更新あり

 今週も『サンキューピッチ』の更新があった! ということで喜ばし音頭をチャラチャラ踊りましたが、それはさておき今回も感想を書いていきます。
 とりあえず、今回も面白かったので、どう面白く感じたかを記していきましょうか。

三馬との投手戦の決着

 前回はエースである三馬がヘタレモードに入った状態で次の投球、というところで終わり、このままだと普通に三馬が負けじゃないか? ここでエースの意地がでるか、と思ってましたが、普通にラッキーで即負けは回避しました。
 が、すぐに桐山がもう一枚取り、ピンチ継続からの展開が今回の見どころでしょう。簡単に負けたら面白くない、というとこをならちゃんと面白くしましょう! とする作劇の良さよ。
 しかし、このピンチはほとんど三馬の一人相撲なのが、このエース大丈夫なのか案件として立ち上がってきます。実際大丈夫じゃないから桐山が求められた訳ですが、それにしても今回のストラックアウトでの三馬はひどい。調子がよければいいで調子に乗りすぎるし、悪いと幻覚と会話したりする。難人物すぎる。
 しかし、その調子悪い時に見える幻覚、単に不利益だけの存在でもなさそうなのが、この漫画の奥行きです。というのも、その幻覚、弱気の虫としましょう、がかなり冷静に状況を見ているのです。
 今回の後半までストラックアウト勝負でしたが、その中で追い詰められた三馬があの的を狙えばズレて隣に当たる! とバカの思考に到達するのですが、弱気の虫がその思考ちゃんとバカの思考回路じやん! とツッコミを入れているのです。弱気の虫がいるだけではなく、状況を把握しているのです。
 この部分が活かせれば、三馬は一皮剥けるのではないか? となるとこです。弱気の虫の状況把握をうまく使えればより強いエースになれそうです。だけどうまく扱えるのはかなり先のことになるんだろうなあ。すぐなんとかなったら話にならないし、三馬の様子だとそこをうまく使えるようになりそうに見えないし。どうやって冷静になれるようになるんだろう。とりあえず、ここは一つ見どころでしょうか。

桐山がわりとイカれている

 野球部相手に勝負を夜な夜なしてただけで十分イカれている桐山ですが、今回は勝負できる喜びでどんどん三馬追い詰めていて、その様がイカれてました。こういうのできてなかったから嬉しいんだろうなあ、ではありますがもう全部開いたストラックアウトを続けようとするな! もう勝負ついてるから! こいつかなりの勝負バカだな!
 しかし、桐山の豪胆さは特筆に値します。三馬と違って勝負強い。だから白羽の矢が立ったにしても、隣接した的がある簡単なとこを取らずに敢えて角の難しいとこを取る辺りにハートの強さが感じられます。追い詰められる程燃えるタイプと言えます。燃えすぎるのが難ですが。
 でも、そこが三馬の打たれ弱さと噛み合って今回の話でお互いを魅せる形になっています。弱気のエースと強気のリリーフ、と書くと意外とありがちですが、そこがそう単純じゃないのが『サンキューピッチ』の良さと言えるでしょう。どっちもどっちで短所はあるけど長所がそれを上回る感じ、いいね!

次回に向けて

 今回で三馬に桐山のことを伝える形になったのは、前回今回の三馬の醜態を見ると理の当然と言えます。エースの座がかかってしまうと、すぐ弱気の虫が発動するのは目に見えている。そこを読者に分からせてから、という手の込んだことをしてきたので素直に飲み込めます。あれじゃあ意識しすぎるとダメになるよな。と理解可能にしてから明かすのは流石に手が込みすぎと言えますが、そのおかげで三馬と桐山のキャラが立ったので、問題nothing! 桐山の決め球、ナイアガラフォークも出たしね!
 何様はさておき、今回最後で謎のムーブがありました。ベランダもない場所に人影が? となったところがそれです。桐山の話をしたのが4階の部屋で、なのでベランダもないなら外に人がいるわけがないんですが、何かいたっぽいのは読者には見せているので、何かある。
 でも、この段階で桐山のことを探るやつ誰がおるの? ではあるので謎です。野球部内の誰かが可能性としては高いですが、新聞部とかそういうゴシップを求めてるやつら、というのもあるかも。いきなりエースに勝ったのはネームバリューありますし。
 まあ、どちらにしても4階の外にいた理由が分からんといけないですが。トリックなのかフィジカルなのか、とにかくどうやったのかが明らかにならないとなんとも言えない。野球漫画でなんでそんな謎が! ですけども、それはそれで! となるくらいにはこの漫画好きです。次は何を見せてくれるんや! と身構えて、今回はここまで。