感想 平野耕太 『以下略』

以下略

以下略

 大体の内容。「駄目人間をこじらせるとこうなる」。ちょっとこういう風に生きてみたいと言う駄目人間妄想を抱くくらいには、駄目人間。店長くらいの駄目人間になりたいとは思いませんが! いやでも、あそこまで落ちてしまったらそれはそれで楽なのかもしれない。楽と言うよりは苦しみが別ベクトルになってるだけなんだろうけれど。
 さておき。
 エース版が載ってないというハンデ――版権取れなかったんだろうなあ。やんぬるかな。でも「一万円と二千円くれたら」は見たかった。――はあるものの、それでも、いやそれだから十二分に頭がおかしい出来になっているギャグと言うか躁漫画。全体的に頭がおかしいというか、頭がおかしいと言うか、頭がおかしい。後、ゲーム中心にオタネタ分かってないとぴくりとも来ないどころか引いてしまうこと確定なノリなのが凄いです。それが平野ギャグというか平野躁の持ち味といえばその通りで、それを求めて買ったのでその通りで非常に安心しました。新キャラの店長とヤクザもどちらも悪い意味且つ別方向で駄目人間なので、もう駄目人間ノリが縦横無尽すぎて笑うしかないのがステキであります。特に店長の駄目人間っぷりは「駄目人間とはどういうことなのか、分かっているのか!」ってキャシャリン顔でこいつに言われたら「凄い説得力だー!」と後ろにガビーンだして納得するくらいに駄目。良く今まで生きてこたよなあ……。途中で死んでてもおかしくないんだけど、どうしていたんだろう。顔か、顔なのか。ただしイケメンに限るのか。
 それはさておき。
 収録話では大体全部の話が好きですというお定まりですが、特に好きな話はひぐらしネタで突き抜けてどうにかなってしまっている第四話「どですかでん」。「嘘だ!」って叫ぶだけで全く話が通じない相手の相手はイラつくよなあ。当然のようにバットで殴打だよなあ。次にいいのはへーザービームの第十三話「消えた中隊」。空飛ぶピラミッドヘッド・シングって語面のかっちょよさと現実の絵とのギャップとかがぐっと来る。後、いつものただの躁漫画とは一線を画したような画してないようなな第十八話「暁の脱走」。誰もいない町という意匠は実際に起きたらゲームと混同するのも仕方ないのか、とも思ってしまうくらい現実感の無い展開が良かったと思います。ゲーム脳こえー。
 個々のネタで一番笑ったのは「スタンバーイ」と「何で俺が平野綾と結婚できねーんだよ!!」と「ほとんど鳥肌実じゃねえか」、でした。全体的に躁なノリだけで押し切られた気もしないでもないですが、でも狭山さんのぱっつんっぷりは確かに怖かったですよね……。
 とかなんとか。