感想 茶菓山しん太 『チェリーブロッサム! 1』

チェリーブロッサム! (1) (まんがタイムKRコミックス)

チェリーブロッサム! (1) (まんがタイムKRコミックス)

 大体の内容。「タチの悪い青春の幕開け」。帯背表紙側、作者名入りの部分に書かれたこの言葉が非常にいい重みを持って受け入れれる。そんな明るいけどマジここを平素で抜けられるのかしら…。そんな感じの大咲君の青春の幕開けなのが、『チェリーブロッサム!』なのです!
 さておき。
 もうちょっとどういう漫画なのかについて説明するのが面倒なのでかいつまむと、この漫画は部活系漫画です。部活系漫画とは何ぞや、という問いには端的に言って部活中心の学校生活ですよ、くらいで済ませたい所です。『けいおん!』大ヒット前後に、雨後の筍の如くぽこぽこ湧いた、部活系漫画ムーブメントの一翼というと大げさですが、きらら本誌においてはそれくらいの存在感で立っているのが、この漫画であります。あまり部活してる場面が多いわけでもないですが、まあ部活系漫画は部活してないで部活の面々の人間関係で押すのもまた、一つの醍醐味ですので、その辺は割り切っていただきたい所です。
 さておき。
 乱立する部活系漫画の中にあってこの漫画が他より浮く部分、異質異形の部分はどこか、という話になりますと、やっぱり基本的なおっぱいん押しでしょうか。先輩二人と顧問の先生が見事なおっぱいんであるだけでなく、ちゃんと貧要員も備えているという二段構えの策。でも、あんまり貧の方は押しが強くなく、やっぱり豊かな方が中心。その選択、イエスだね! と喝采を上げたい所です。意外とセックスアピール的なエロさ、というのはきららには少数派であり、そういうエロ的な要素もわりあい爽やかさすら感じるサバサバさで処理しているのも、この漫画が異質さであって、それをもってきらら本誌にいられるのではないか、とか考えてみると、エロさも使いようだなあ、と思ってみたりなかったり。
 さておき。
 基本的にキャラ漫画であるこの漫画において重要なキャラはもち先輩二人、脳筋な人とセクハラの人なんですが、それよりも出番が少ないにも関わらず異様に大きい存在感を持つのが妹ちゃん。兄スキーという良くある設定ながら、控えめそうに見えて意外と押しが強く毒舌も吐く。敵対する者には牙を向き、兄の幼馴染に偽情報をつかませて相手の恋心を隠蔽してみたりと、なかなか面白い子であります。兄スキーは大体病むのがその筋の基本法則ですが、わりあい冷静に病む事もなく兄が好きだという気持ちを持っている、って感じです。最初の登場時は不思議ちゃんぽかったですが、あれはなんだったんだろう。主人公の男の子である大咲も最初とこの巻の最後の方でキャラがぶれてる感じがあるけど、それと同じように、キャラ固まってなかった、という事かしら。
 とかなんとか。