『まんがタイムきららミラク』2012年3月号 感想

今号の巻頭漫画感想

柊ゆたか『Good night! Angel』

 皆で行くぜ、テーマパーク! という事で前回加入した三人娘と白霜さんとの五人でテーマパークを満喫する、けどその裏では。という話でしたが、いやあ、ゆりっぺの友達と行くのを想定してのパーフェクト下調べ(事前に行ってるのも含め)は最高でしたね! そこまで友達に良いトコ見せたいですか。そういう所も含めてゆりっぺの可愛さがじっくりと染み出るエピソードでしたね。
 それが良かったゆえに、ハゲワシ登場そしてその微妙な人間っぷりが際立つ形に。友達、はこの漫画の基本的な目標ですが、それにしれっと立候補するハゲワシの良く分からなさは結構なものでした。アンタ良い大人だろ…。とか、JKと友達になりたい大人…。とか思う所も色々と。後、ハゲワシとゆりっぺ母との因縁がある風に話が展開してるのも含めて色々とあるのだろうなあ、とか。
 しかし、新規でいきなり増えた三人娘がやっぱり目立つ形になってるなあ、とか。今回なんて学校友達組の存在感のその字も無かったし…。その上、三人娘のキャラ立てもまだ途中。学校友達組の今後の出番が心配です。

個別チェック三連撃

七葉なば『となりの魔法少女

 ウサ可愛いよウサ可愛いよウサ可愛いよ人間。世が世なら、あるいは後世になればマッドサイエンティストキャラとして立ち上がるものを持っているウサさんが、しかし今の時代なのでちょっと好奇心が旺盛旺盛してる女の子として描かれるのはなんとも良い時代であるなあ、とか思ってしまいます。
 そんなウサさんがあきさんの秘密を暴かん、として普通のJKを演じるとして挙動がおかしいという辺りが今回の良い所。なんで普通がこんな微妙なんだこの子。でも、その甲斐あって、あきさんとよりお近づきになりつつ、今回の奥であったという謎も解明する事になるという展開に。果たして今回の裏でなにがあったのか。それは次々号を待て! っておいいいいい!

パイン『きしとおひめさま』

 謎の騎士団の人が穴危ないマジ危ないついでにあんたらの調査邪魔、と断じつつ、なにやら説明出来ない含みを見せて会議終了の運びに。基本的に謎の多いこのお話において説明が為されるターンでこの含みっぷり、というのはなかなか楽しいように感じるようになってきたり。騎士団とはなんなのか、速人/ハヤトって? なんなの結局穴って。そういう色々と明かされない事が積み重なって興味深い、といいましょうか。謎が解けてから再読したら楽しいタイプって、いいよね! そこまで行けるか不明だけど!
 さておき、この漫画の評価において微妙な所を醸しだしているのがシリアスへのギャグ調の混ぜ方だったわけですが、今回は話の腰が折られるようなギャグ調は無く、話の延長線上でギャグ調になっても問題ない辺りでやっていたのが印象的でした。2回目辺りがちょっと、だったんですが回を重ねる毎に良くなっているように感じれて、このままいけば結構良い漫画なのかもな、という判断してたり。どういう振れ幅になるかも、まだ分からないので予断を許してくれませんけれども。

奄美あまゆ『Lisa Step!』

 リサ先生の休日。ホラー見て怖くなって学校に、ってこの先生カワイイヤッター! 過ぎましたよ。水泳着のリサ先生もキュート。そして、日本食にココア、というリサ先生はなかなか新機軸でした。考えたらちょっと甘さが強すぎやしませんかね、という結論でしたが、リサ先生はおいしくいただいているので、全く問題ありません!←典型的イエスマン 

ご新規さん一喜一憂

川井マコト幸腹グラフィティ

 一人ご飯おいしくない! やっぱり一緒にご飯が一番だよね! という始まり方となった新連載。ご飯が下手になった、ではなく一人だとおいしくなかったというのはなかなか白眉でしたよ。
 前作『にじげんめのうた』がスターと掛かるの遅すぎた、遅きに逸した感が爆裂したまま終わった事の反省か、今回の漫画は一話でまずしたい事をきっちりまとめた印象です。女の子、女の子、ご飯、食べる。今の時代のトレンドである食べる系女子ネタをきっちりと提示してきて、しかも独自の方向性を見せるというのは、見事なジョブと言えましょう。食べる女の子、エロス! という辺りを横糸として織り交ぜてくる事、続いてどうなるかというのも含めて、なかなか先が楽しみな漫画になっていると言えましょう。

今号の巻末漫画感想

あfろ『月曜日の空飛ぶオレンジ。』

 時、それは冬! という事で日本的なのにどこか日本ではない感じだった舞台の情報開陳しつつ、その冬の訪れを描いたのが今回となります。ヨシノが最初眼鏡取ってたので殺意の波動ってこんなのなんだ、って自分で理解出来る程の怨嗟が心の内に湧いて出た時はどうしようかと思いましたが、後でちゃんと掛けなおしてくれたのでバイバイ殺意の波動。にしても、適応して髪が伸びる話でヨシノのロングが見れなかったのが口惜しい。先に刈っておけば伸びても問題ないのよ! というのはなかなかありな話ですが、ロンゲのヨシノもですねえ!←何このヨシノ押し
 さておき。
 巻末枠が『びぎなーず9』の卒業によって空いた。そこに滑り込むのは何だ! と思ったらこれだったのに対しての感想は、この雑誌の締めがこの漫画になるというのは、なんだかとっても、ありがてえじゃねえか…。(CV稲田徹) ミラク誌においてもっとも巻末が似合う漫画、というのが名実共に認められた瞬間と言えましょう。そんな名があったのかどうか全く知らない=自分が勝手につけた名ですけれども。でも、なんかこのとぼけた味わいが最後に来ると、なんとなく終わったような終わってないような不思議な読後感になって、良いような悪いような気持ちになって印象には残りますよね。その印象操作、イエスだね!←本当かよ

一応の総評

 今回で月刊化一回目となりましたが、それゆえに目立つのがゲスト感満載だった基礎連載陣に対して更にゲストをぶっこんで来るという事態。基礎連載陣は既にある程度の安定感を持っているのですが、それでもまだ5回しかしてないのでまだまだ青い果実なわけですよ。それの上に更に若い葉が乗せられたが如き所業! なのでそれが目立つ後半手前はかなり軟調に見えました。その反面、ノリの固まってきた前半と後半後手は確かな仕上がりを感じさせるものがありました。この雑誌をどう読めばいいのか、がこちらに分かってきたからかもしれませんが、意外と安定するもんだなあ、という評価に。
 それ以上に気になったのは、隔月連載の多さ。4作ってどうなるんだよ、来月。ゲスト更に載せ載せになるのか、それとも隔月連載が更に舞い込むのか。確か『Seed』は来月にあるんだったんでしたっけね。となると、やっぱり隔月の物が増えるのかも。出入りの多い雑誌だなー。とかなんとか思うのでありました。

今回の掲載順変動

 掲載順がどう変動したのかのメモを残しておきたいと思います。作品の並び順は便宜上、第一回を基礎にしていますが、何時か変える時も来るでしょう。

作品名 vol'1 vol'2 vol'3 vol'4 vol'5 今回 位置±
リリィ 1 1 2 2 4 4 ±0
桜Trick 2 5 3 3 3 3 ±0
純粋欲求系リビドル 3 2 4 7 1 2 -1
夜森の国のソラニ 4 7 7 1 7 10 -3
メラン・コリー 5 3 13 8 5 12 -7
Good night! Angel 7 4 1 4 2 1 +1
月曜日の空飛ぶオレンジ。 8 8 17 3 11 19 -8
Lisa Step! 9 15 16 13 6 16 -10
おきまりラブ 11 6 5 15 9 18 -9
きしとおひめさま 12 13 8 5 13 8 +5
Seed 13 9 19 19 18 - -
スイート マジック シンドローム 14 14 9 10 8 15 -7
福33三色バンチ 17 12 14 9 15 13 +2
tune! - - 10 16 - - -
となりの魔法少女 - - 11 6 10 6 +4

ゲスト枠

作品名 今号 位置±
TEI OHー! 5
くじらジュブナイル 7
幸腹グラフィティ 9
そこにいず 11
虹色教室 14
彼女は彼女だけど彼女じゃない 17
終了枠
  • vol'5
    • 『前から2両目』『にじげんめのうた』『ルンルルコミュニケーション』『るーてぃんルーティン』『びぎなーず9』(全てvol'1から)