『まんがタイムきららミラク』2012年6月号 感想

今号の巻頭漫画感想

柊ゆたか『Good night! Angel』

 ゆりっぺの正体に肉薄する新聞部登場! やっぱり秘密があるなら新聞部辺りが暴かないとね!
 という事で順調に新キャラが増えていく『GNA』であります。パパラッチキャラはこういう裏表があるキャラをメインにするなら必要!絶対に必要!レベルで必要なのは論を待ちませんが*1、それでも今回の新聞部のキャラはだいそれているというか、仕事に対して命を掛ける、というのは聞くとかっこいいけど、三階から落ちそうになってそれを助けてもらって正体見たり、ってそれただの無謀だから。としか言い様が無い無茶な方となっております。あれで誰も来なかったら一人静かに大怪我から死亡までを取り揃える形になっていたと思うと、本気で今後が心配です。使命感強すぎると言うか、強すぎて無謀すぎるというか。最悪ぬっころす、という展開すらありえるよな…。ゆりっぺ達がそういうのしない集団だから良かったようなもんですよ。本当に今後が心配なキャラだ…。
 さておき。
 学校サイドの話が多くなってきているのは個人的に大変僥倖です。ノーマルな友達との交流も、少ないながらもしっかりあるのが大変好印象です。まあ、少ないですがね…。その辺はメインに三人娘が増えた影響は未だに続いていると言えましょう。三人娘は未だにメイン回無いというスポットもうちょっと当ててキャラ立てしたげても…。とは老婆心。とはいえ、ここまでそういうのが無くても細かい部分でキャラ立て自体は成立している辺りがこの漫画の非凡さと言えましょう。でも、もっときっちりしたのしたら結構な物見れそうだから、三人娘回も欲しいです、よ…。

個別チェック三連撃

眉毛『純粋欲求系リビどる』

 女の子が! 発情して! 襲い掛かる! という事で、月下美人の香りを嗅いだらリビドーを求めすぎてしまう状態になった三人娘から、貞操の危機! という事で逃げるリヒトとなりました。エロ展開なのになんかホラー調で、最初に逃げ込んだ先に既に待機してる三人娘は十分に怖いものがありました。でも、この漫画に求められている物である微エロはちゃんとあったので全く問題ありません! いつもと違う距離感(婉曲表現)によって、女の子に至近で触れる揉めるという超絶役得なリヒト君にきさんー! とか思いつつも、でもあれ結構マジで命狙われてる状況の上なので、自分が代わりたいかと尋ねられるとははっはは。と笑ってごまかしたい所です。
 さておき。今回は今まで居るのかいないのか曖昧模糊だった枕井家の家人が登場したのが個人的には大トピック。おかん! 若い! リヒト君似(事実的に言うとリヒト君が母似)でなんか可愛い! 俺得! と散々っぱら喜んだのは論を待ちませんが*2、今までにも三人娘が押しかける回があったというのにそん時は全くでなかったのはいったいどういうことだ!?ビリーっ!! と、心から叫び声をあげたくなります。その時は旅行か何かに行ってたんでしょう。そうそう、そうに違いない。と自分を騙すにも限界があるからちゃんとその辺どうしてなのか理屈明らかにしてくれませんかねー! とかなんとか。

西瓜割『メラン・コリー』

 亜民母登場! 亜民も大体一発決めてる感がある感の多い娘ですが、それに輪をかけてというか輪しか掛かってないと言うか、これが実際に一発決めている奴の実力…。と一発決まってるわけでもないのにそう思わされるアーパーぶりでした。何なん? 何なんこの人? とメラならずとも思わされる様はある意味完成度が高いお方です。そんな明確にボケとして屹立する亜民母が傍若無人するのが今回の肝となっております。というか、困ったらメラの西瓜割れば良いじゃない! というのはマジでメラ死んじゃうツモー! であると規定されているこの漫画では具体的な駆動力なわけですが、でも、本当に死んだらどうするんだろう…。いや、メインヒロインがいきなり死ぬ漫画ってのは目新しいかもしれない。目新しさにかまけると大概変な事になりますけどね!
 と言いつつ、今回の大オチのダイナミック明日への逃走の最後のコマでの説明見て、ああ、とうとう死んだ…。とか思ったのは内緒です。そんな展開ねーから! 目新しさにかまけ(略)! でも、今後はどうするのか。瓜ならなんでもいいっぽいから苦瓜の次は胡瓜か? 胡瓜なら比較的手に入れやすいだろうし…。でも、それだと西瓜から生まれた設定がどんどんと追いやられて忘れられてしまいそうだ。そうなればそうなればで変な味わいはあるけど…。死んじゃうのか、あるいは胡瓜装備で西瓜装備の事が追いやられるのか。予断を許さない展開です!←強引にまとめてみた

CUTEG『スイートマジックシンドローム

 眼鏡っ子キャラメルさんが凛々しい感じで、それで満足するしか、ないじゃないか…。というか、それだけで眼鏡欲が程よく満足した自分の眼鏡っ子好きに恐れ戦いたり。話の方はキャラメルさんが男装して遊びに行こう! というだけのお話だったんですが、それを程よく可愛いで済ませられるこの漫画の可愛いぶりは中々のものだなあ、と再認識。一癖も二癖も付けたがる人の多いミラク誌において、わりあい素直にそうする様は逆に新鮮味を感じるのでありました。とはいえ、地味に新眼鏡っ子とも遭遇してたりしているので、それがお話にどういう緩急を与えるのか、も余さず見ていきたい所でもあります。まあ、普通にゆるふわしてるのでも満足出来るけどな!

ご新規さん一喜一憂

庄司二号『TEI OH-!』

 ゲスト三回をきっちりこなし、見事新連載の枠を勝ち取った『TEI OH-!』の今回の内容は、なんか道場破りみたいな相手に戦いを挑まれ、戦い、そして勝つ話となりました。女性しかいない帝王部に男が体を使った勝負を挑む、ってどう考えても男の方は何考えてるんだといえる状況でしたが、ミズホさんが勝手に部の全員を巻き込んだんだからしょうがないな! という事で折り合いを付けてみたり。というかミズホさん、パワータイプなのに脳筋というより天然で、快活なんだけどどう見ても何も考えてない、というキャラ付けになった模様。灰汁の強い面々が揃っている帝王部ですが、ここまでアーパーだと流石に大丈夫なのだろうか、という老婆心が発露するのを止める事が出来ませんでした。絡め手に死ぬほど弱そうなタイプだよなあ…。でも、アッハッハ笑いながらパワーで無理やり乗り切るタイプでもあるか…。いいな、こういうキャラ…。
 さておき。
 ミラク初のゲスト上がり新連載『TEI OH-!』ですが、これを見ると『けいおん!』が切り開いた道はこんな裾野を作ったのか、という思いに囚われたりもします。基本的にオーソドックスな女の子わんさかコメディの呈ですが、そこでキャッキャウフフするのは女の子だけでいいのよ! という『けいおん!』辺りから顕著になった面構えにより、男全くいないで成立する漫画として起動している『TEI OH-!』を見ると、特にそんな感慨に。というか、帝王なんて男の子好きする言葉に対しているのが在籍してるのが全員女の子、というのが凄いよなあ…。ある意味、それがきららミラクなんだよね…。って言われると納得するしかない状態ですよ。

今号の巻末漫画感想

あfろ『月曜日の空飛ぶオレンジ。』

 アイエッ!? いつものズンルズルしたギャグノリじゃない!? いやあるにはある。小とぼけた所はあるけど、なんかシリアス要素が強い! アイエエエエエ! これにはたまらず俺も失禁!←落ち着け
 そんなわけで、今回はななみんの謎のタライ落とし技の秘密に肉薄する回という、え、あんた何言ってるの? という側面の強い回でした。いつものどうしようもなくとぼけた感は基本的に横溢するものの、節々で「それでは終わらないぜえ↑?」という面が見られて、そして締めの展開が更にシリアス度が高まりを見せる形に。こ、こは何事…? これが巻末神となった、『のぶオ』の実力だと言うのでしょうか。『のぶオ』おっかねえ…、『のぶオ』信用できねえ! 実際問題、この設定がどう活かされるのか、あるいは「こういう事も出来るんだぜえ↑?」という示威活動なだけなのかが全く不透明なわけで、たまにこういう爆弾をかましてくるのを考慮した上で巻末神に立ち向かわなければならないのではないでしょうか。そう考えると大変恐怖も感じますが同時に歯ごたえも感じれる事例でありましょう。『のぶオ』おっかねえ…、『のぶオ』信用できねえ!
 それはさておき今回の今回のヨシノですが、眼鏡割っちゃいましたね…。このまましばらくノー眼鏡っ子になるのか、あるいは直ぐに眼鏡が補充されるのか、予断を許さない所です。という冗句は置いておくとして、最愛の兄の行方不明にヨシノがどういう反応してるのか、が大変気になります。次回で今回の事がまるで何事も無かったかのようにスルーされる、という可能性もありますが、しかしそのスルーされる部分の裏に、色々思うところもあるのかもしれないと思うと大変重層的に今後の『のぶオ』が楽しめるようになるという気配も感じます。こんな楽しみ方を提供してくれるとは…。始まった当初はへっぽこ系だと思っていた自分の不明を恥じたい所です。あまりに恥じすぎて「一生どこへでも、付いていきます!」と、「女の心変わりは恐ろしいのー!」と言われそうな台詞を言いたいくらい。いやあ、マジやり手だわ、あfろせんせ。←過信

一応の総評

 今号のポイントは、『TEI OH-!』連載昇格とゲスト攻勢。『TEI OH-!』はちまりとですが上で書いたので省略。もう一つのゲスト攻勢に話のポイントを絞りましょう。
 もとより隔月連載が多いというよく分からない仕儀により、奇数月発売号はゲストが多いのですが、今回は更に『きしとおひめさま』が抜けたのでさあ大変。前号で置いてけぼりになっていた『城下町のダンデライオン』と『彼女は彼女だけど彼女じゃない』を再び混ぜ込んでの展開となりました。『城下町』はもうちょいじっくり見せていかないと、キャラ多いんだから! と思っていたので再登板大変嬉しゅうございましたし、『彼女』は回数こなせるような気がしない一発タイプながら、その設定のパワーで押し切る戦法に感慨を持ったりしました。他はそこそこ、という印象です。きらら他誌のゲストは大体そこそこ、なのですが、ミラクもその流れに乗るような形に感じますが、『城下町』辺りは十分連載狙えると思うんですけれども、さて…。
 しかし、ゲストが多いという事は当然誌面がブレブレな感じを受ける、という事で、今回のミラク誌もその例に漏れず、なんとなく満足度が低いように感じました。基礎の連載陣はかなり安定度を高めて、というか読む方も慣れてきてるんですが、やはりそれでももうちょいパワーが欲しい、とか。贅沢なのかもしれませんけども、もうちょいパワーのある連載が欲しいです。『のぶオ』のようなそうくるか! ってのもたまには欲しいよなあ、とか。ああ、贅沢な。

今回の掲載順変動

 掲載順がどう変動したのかのメモを残しておきたいと思います。作品の並び順は便宜上、第一回を基礎にしています。

作品名 vol'1 vol'2 vol'3 vol'4 vol'5 3月号 4月号 5月号 今回 位置±
リリィ 1 1 2 2 4 4 - 4 - -
桜Trick 2 5 3 3 3 3 3 10 2 +8
純粋欲求系リビドル 3 2 4 7 1 2 1 2 3 -1
夜森の国のソラニ 4 7 7 1 7 10 2 1 6 -5
メラン・コリー 5 3 13 8 5 12 15 16 12 +4
Good night! Angel 7 4 1 4 2 1 4 5 1 +4
月曜日の空飛ぶオレンジ。 8 8 17 3 11 19 18 19 19 ±0
Lisa Step! 9 15 16 13 6 16 11 9 10 -1
おきまりラブ 11 6 5 15 9 18 - 18 - -
きしとおひめさま 12 13 8 5 13 8 13 14 - -
Seed 13 9 19 19 18 - 17 - 18 -1
スイート マジック シンドローム 14 14 9 10 8 15 5 11 14 -3
福33三色バンチ 17 12 14 9 15 13 - 17 - -
tune! - - 10 16 - - - - - -
となりの魔法少女 - - 11 6 10 6 - 8 - -
くじらジュブナイル - - - - - 7 6 7 8 -1
幸腹グラフィティ - - - - - 9 7 6 5 +1
TEI OHー! - - - - - 5 10 3 4 -1

ゲスト枠

作品名 3月号 4月号 5月号 今号 位置±
そこにいず 11 9 15 - -
虹色教室 14 14 - - -
彼女は彼女だけど彼女じゃない 17 16 - 17 -1
城下町のダンデライオン - 8 - 7 +1
アイコト - 12 12 16 -4
なりきりイミテーション - - 13 9 +4
8'sエレジー - - - 11
もも色honey - - - 13
けーたいろいど☆コミュニケーション - - - 15
終了枠
  • vol'5
    • 『前から2両目』『にじげんめのうた』『ルンルルコミュニケーション』『るーてぃんルーティン』『びぎなーず9』(全てvol'1から)

*1:待て

*2:待て