感想 山東ユカ 『トリセツなカテキョ 1』

トリセツなカテキョ (1) (まんがタイムコミックス)

トリセツなカテキョ (1) (まんがタイムコミックス)

 大体の内容。「井原先輩による春吉改造計画! と思っているのか?(CV:島田敏)」。どっちかと言うと、春吉による井原先輩改造計画というべきでしょうか。本人は全くそのつもりが無いというか、そんな事俺には恐れ多いよ! という部分があるのがなかなか。基本的にはそういう方向に向かせているというのをバカだから気づいてない感じが微笑ましいです。
 さておき。
 この漫画がどういう漫画かと言う話をすると、一年学年が上の美人で眼鏡(重要)の先輩、井原先輩に自身のかなり悪い点数のテストを見られた春吉が何故か個人レッスンを受ける事に、という話です。基本それ以上の事はありません。個人レッスンってもエロい事もありません! 春吉はバカなのでエロい妄想でもコスプレが限界です。だから妄想上でもエロい事はありません! 正直に申しますれば、高校生の頃なんてエロ至上主義とでも言うべき心象風景を皆が持っているものであり(断定)、そこに至らないのはどうなのか、と思ってしまうのがこういう場合の通例ですが、しかし春吉のバカっぷりは有頂天で留まる事を知らないので、どうなのかというより、春吉なら仕方ないな! と思わせてくれます。キャラの勝利!
 それはさておき。
 基礎としては春吉がバカなので勉強を教えるというだけの漫画なのですが、春吉は本当にバカだけど良い奴なので、それにほだされていく井原先輩がマジ可愛い! という漫画でもあります。とはいえ、恋心なんてまだまだまだ(以下三十回繰り返し)な所がこの漫画の良い所。特にツンキャラというわけでなく、どちらかといえばクール系で人間関係に疎いタイプな井原先輩なので、それが速攻この女陥落(オチ)た! となると高く連なる峰としての井原先輩のキャラが暴落なので、その方向性を簡単にしないのは良いことだと思います。
 それにしても、井原先輩はマジ可愛いのでどうにかなりそうです。黒髪ロング+眼鏡+ちょっとしたSっ気、という素晴らしい複合技で、人と群れないというか接点持たない孤高タイプなのも合わさって素晴らしくふつくしい……。正直に申しませば、本当に内容と言う内容が特にない漫画なんですが、それゆえにキャラの立ち方が重要なわけで、それが井原先輩と春吉の二人の良い具合のバランスによって成り立っているというのは、大変素晴らしい事であります。ある意味、イマドキとはこういう事なのかもしれない。そういう風に思います。
 漫画としては最初の頃は年齢差というか学年差であれ、このまま行ったら井原先輩が受験年齢だkらこの漫画すぐ終わらね? と思ってたらサザエさん時空に連れ込まれて、今が何時なのかというのをしっかりと曖昧にしてきました。その手法、イエスだね! 単にそこまで続くと思ってなかったという事なのかもしれませんが! でもいいの! 井原先輩を長々見れるから!
 話、と言うほどの話はない漫画ですが、井原先輩が携帯を買いに行く回が個人的にマスト。付き合って欲しい、ってまあ、井原先輩ったら! と思うより先にそんなわけないよな…。と思わせる辺りが井原先輩と春吉の関係を如実に表している良い回だと思います。それでいて、ちょっとデレというか、同じ携帯にして教えて欲しい、って言っちゃう辺りも素晴らしい。井原先輩と春吉の関係を如実に表している良い回だと思います。
 ページ数が少ないから、次の巻が出るのが大変遠い未来ですが、それでもこの二人がどうなるかは見ていたいなあ、とかなんとか。