感想 アカコッコ 『彼女がお兄ちゃんなったらしたい10のこと』2巻

彼女がお兄ちゃんになったらしたい10のこと (2) (まんがタイムKRコミックス)
彼女がお兄ちゃんになったらしたい10のこと 2巻 (まんがタイムKRコミックス)

 大体の内容「疑似家族というのも、よいものです。古事記にもそう書いてある」。そんな訳で(?)、楽しい疑似家族漫画もこの巻にて終了と相成りました。大変好きな作品だったので、所謂2巻乙なのに悔しい気持ちすら湧いてきますが、お話の方としてはきっちり綺麗に終わっているので、その点を持ってよきこと。と思うことにします。
 さておき。
 最終巻なので気持ちを抑えずにカカッと書きますと、マキさんとつぐみちゃんの百合歳の差疑似夫婦最高か、ってなりますよね。七瀬さんもだいぶこの環境に慣れて兄ムーブをしていくようになっているのもいいし、かりんさんの攻めは激強、守りは激弱。萌え。なとこも最高なんですが、マキさんとつぐみちゃんの関係性は最高以上、つまり「最ッ高だぜッ! チームサティスファクションの復活だッ!!」(カーン!)なレベルになっております。
 お母さんというには歳が低すぎる、だって10才のつぐみちゃんと、お父さんというには女性具合が過ぎる、だってダイナマイトボディのマキさんが、わりと葛藤なくすぐさま夫婦! しているというそれが尊いという言葉でしか表せないような、なんで俺に気持ちよく読書させるんだ! という無茶苦茶ないちゃもんを喝破させるレベルすらある、つまりとにかく堪らなく良い。五臓六腑に沁みるレベルで良い。
 そのロールを、最後まで全くお互いが疑問視しないでやっていくというのも堪りませんが、端々で二人がラブラブしている、のに特に理由は要らないよね、って感じで色々やってくるのももう駄目。タヒぬ。これが……、尊タヒか……。ってなってしまいます。こんな気持ちにさせてくれるたあ、いい度胸だなあ! ←誰お前
 さておき。
 ついついマキつぐみの話が長くなりました。そこも感想ですが、ここも感想です。
 つまり、お話の畳み方がベリーストロングだったという話をします。終わりが分かっていたからこその連続性です。
 まず、芽としては最終回から三つ前の回で、バカネタだった露天風呂用の穴! というのを終了二つ前にそこに樅木を植樹! してからのそれが倒壊して家が破損したので、かりんさんお母さんが、という流れの、要素の活用の見事さが白眉です。小ネタからカカッとつながっている! というのでまず驚き。
 そして、自然にかりんさんお母さんを登場させる流れになっている納得度も大したものですね。で、七瀬さん達が、かりんさんの大事な家族になっている、というのを、かりんさんがかりんさんお母さんにちゃんと言って、という風にきっちり提示しつつ、最終回を迎える。匠!
 そんな最終回は、一転していつものノリでやる、という風にみせつつ、この漫画の題名の意味へと話がするっと流され、ちゃんと決着するし、これからも。という風にする。やはり匠! な案件でした。本当に、匠……。
 ということで、所謂2巻乙だった『彼女がお兄ちゃんになったらしたい10のこと』ですが、アカコッコ先生のジョブとしては十二分の物だったかと思います。実際面白かったんですよ……。もっと見たかった……。そんな言葉を残しつつ、この項を閉じたいと思います。