ネタバレ?感想 浜弓場双 『おちこぼれフルーツタルト』5巻

おちこぼれフルーツタルト 5巻 (まんがタイムKRコミックス)
おちこぼれフルーツタルト 5巻 (まんがタイムKRコミックス)

 大体の内容「この新ユニットも破壊されてしまった! おのれディケイドォ!!」。というくらいにディケイドにとばっちりしかない感じで全然いつものように振れる漫画。それが『おちこぼれフルーツタルト』5巻なのです。
 今回はとうとう始まったドル園第一回戦を、クリームあんみつとモノクロティラミスと戦うことになったフルーツタルトの面々。ここで新ユニットとして分割統治が始まります。
 しかしその初手、イノさんとニナさんのユニット、カップるの最初のステージで、イノさんがトイレに行き忘れるというまさかの事態。折に触れてトイレに行くのが基本芸だったイノさんが、ここにきて大失態の様態。はたしてカップるは上手く印象に残れるのか!?
 という、鳴滝さんでなくてもディケイドにあたりたくもなる、そんな惨状でした。この危機が一転して、というのはいいんですが、でもあなた99%って何の目盛りが減ったんですかねえ!? というのでもうこの漫画は……。
 この漫画のやらかしはいつものことですが、それでいてアイドル活動には、素直なのよー。るーーーー! と言いたくなる、そんな側面もあるのがこの漫画の恐ろしい所であり、そこがあるからギリギリこの漫画がキャラットでやれている訳です。
 ですが、その部分は今回はモノクロティラミス、つまりトネさんとオト元社長のユニットの登場がそれ。4巻で一つ区切りがついたトネさんが、オト元社長、アイドルになる為にキャットプロを止めて新たにカナリアプロを立ち上げるという超展開をかましての再登場、と一緒にアイドルをやる、という格好になっております。
 これがかなりの正統派。フルーツタルトが汚れに汚れているので、じゅる、ではなくじぇらあ、とジェラシーかますくらい正統派です。ドル園一回戦の舞台を地元にして、地元票を得ようという姑息な手に出ていたフルーツタルトですが、その地元票をトネさんが持っていく展開となり、果たしてこいつらはまたあの絶望だねえ! に戻ってしまうのか!? という要らない心配すらしてきてしまいます。なったらなったでもうしょうがないんじゃないだろうか。そういう星の元なんだよ……。って絶望するくらい、フルーツタルトはもう駄目では……。となりますが、そこで上記の展開で覚醒したニナさんとヤバい意味でヤバいイノさんがやってくれるのですが、それが本当に奏功するか、ってなるわけねーだろ! となるので、本当にこいつら星の元が……。
 更にクリームあんみつも、所々で気持ち悪いムーブ、ロコさんがついつい嘔吐してしまうレベルのやつをかましたりするものの、実力派アイドルグループの実力をまざまざと見せつけたりもします。そこに、ロコさんへのあこがれというのが乗っている、というのが中々に良いポイント。その本人は底辺を彷徨っている感があるのは、お前らそれでいいのか? 感でもあるのですが、それでも目標として、となっているところは素直に綺麗だな、と思いまいした。それ以外がサルトる感じですけども。
 さておき。
 今回はドル園とは関係ない閑話もいくつかありますが、どれも頭おかしいの一言しかないので、俺にどうしろというのだ……。とポルナレフ顔です。特にホホさんラバーのほぼニート和歌さんの回は一事が万事ワカペースで、頭おかしいと思っていたけどそれ以上だな! 君は小説家になれるな! とせがさん台詞が出るくらいに訳の分からない回でした。こいつ頭おかいしぜ! でも眼鏡っ子だった頃のアナタがちょっといいと思いました。錯乱しているのは分かっている!
 そんな頭おかしいワカさんが、ホホさんが好きになった理由、も頭おかしいのです。ホホさんが大学の校門で餃子を焼いて食っている、というのを見て、きゅん、なのでもう何が何だか。この頃のホホさんは頭おかしかったんだなあ。というのをまざまざと見せつけて、しかしそんなホホさんが、ということでもう一回回ってワカさんがヤバイ、というのを提示してきます。一応、自分をさらけ出して、という部分もあるんですが、そのせいで本当に自分をさらけ出す(婉曲表現)ワカさんはやっぱり頭おかしいとしか言いようが無かったりします。
 さておき。
 カップるがしでかした、という状況で、果たして次につなげられることが出来るのか? もう無理でまた汚と太に戻るのもしょうがないかもな……。と匙をあっさり投げたくなるフルーツタルトの明日はどっちだ! とぶちあげて、この項を閉じたいと思います。