『ウマ娘 プリティダービー』から勝手に考えた育てゲーのこと

この項について

 あれです。『ウマ娘』始めたんですが、色々となるほどなー。という部分があったのでダラダラとそれについて書いていく項です。本当にまだ始めたてで、素人に毛が生えた程度の存在でしかないのですが、やってみるとすげえなあ、と思うことが多く、そう言うのを形にして、まあ後から見てこんなこと考えてたんだなあ、ってする項でもあります。後、書くと記憶に長く定着する気がするので、それも込みです。

そもそもの育てゲーの話

 育てゲー、とそもそも聞いて、皆様は何を思い浮かべるでしょうか。私個人の話なら、兄妹が味方のエラーにぶちぎれつつしていたパワプロを思い浮かべますし、『ときめきメモリアル』みたいな自分を育てるゲームの方向もありますし、あるいはアトリエシリーズもある種の育てゲーという見方も出来るかと思います。
 ですが、やはり辿り着くのは『プリンセスメーカー』(以下プリメ)、となるのはどうしてもそれなりにゲームしてきた境地からは発されるもんのではないでしょうか。
 育てゲーというのはプリメが嚆矢であることは論を俟ちませんが、そこから脈々としてウマ娘に受け継がれているものと改変されているものとを考えると、ほえー、となるのです。
 そのほえー、と間抜け面する理由如何について縷々綴っていきたいわけですが、ではまずそもそも育てゲーってなんよ、という話になる訳ですよ。
 これについては実質的に育てゲーを称するゲームは少ない点と、しかし広義とするとかなり広範な範囲が育てゲーとなる点が挙げられると思います。先述、アトリエシリーズも育てゲーとも言える、というのはこの辺りにかかってくるところです。つまり、キャラクターあるいは何かを育てる要素があるなら、それは育てゲーと言える、ということでもあります。
 しかし、そういう育成要素と育てゲーは密接にあるけど、それを育てゲーと称することがない点が、育てゲーにおける謎と言えるでしょう。しかし、その話をするつもりでこの項を書いている訳ではないので、この話はここでおしまいです。育てゲーと言う要素は、結構色々なゲームに脈々と流れ、変わっているという文節だけが必要なのです。
 では、育てゲーの要諦は育てる事になる訳ですが、その育てる、と言う部分がたぶんに多岐にわたります。なのでもうちょいざっくりと切り取ると、数値を狙いまで上げる、というのが育てゲーの更なる前提だとすることが可能ではないか、という話をぶち上げてみます。
 通常のゲームでも、数値を上げる、という要素はあります。しかし、狙った所に落ち着かせる、というのはある意味で育てゲー特有の形になると断定したい所です。
 この地点において、プリメは革新的だった、という言い方も可能でしょう。ステータスを上げるゲームはありますが、最高まで上げるだけがその攻略ではない、というのが中々にマニアック。しかし、だからこそ育てゲーのエポックメイキングだったとも言っていいのです。
 この、狙いの所に育てるというのが『ウマ娘』ではどうなのか、という話をしていきたいと思います。

ウマ娘』と二面キャラクター性

 プリメは育てゲーの中では特段のエポックですが、しかし相当に年代の違うゲームでもあります。今やっても当然楽しいレベルなのですが、後代はそこにプリメがあるゆえにそこを外していかないといけない。同じ道は同じ奴しか通れないのです。
 となると、『ウマ娘』はどういうラインを通っているか、という話を俎上出来るかと思います。そこを言及するなら、『ウマ娘』は二面のキャラクター性を持って、新たな道を上っているといえるでしょう。
 キャラクター性、というのは大体分かると思いますが、そのキャラクター存在加減のことです。プリメは、貰ってきた娘さんを自分好みに育てる、というゲームですが、ゆえにその娘さんのキャラクター性というのは強くありません。と言うよりは、そのキャラクター性を付けていくゲームだと言えます。
 その点に対して、『ウマ娘』はキャラクター性のあるキャラクターを育てていく、というゲームです。しかも、そのキャラクター性はウマ娘としてと、元からいた元ネタ競走馬の存在感というキャラクター性の二面が。
 ウマ娘としてのキャラクター性は元ネタとしてありつつ、作品へのフィードバックという形で、つまり元を参照してこういうキャラ、という風に作られています。この部分で、ある程度この子はこういう子、という形がセッティングされている訳です。
 ここが、まず一つプリメとの違いです。全くノープランで育てていくのではなく、ある程度キャラクターというのに沿う形を提示されるのです。
 こいつはこういうやつだから、こうやっていけばいいか? というある種の目算を与えてくれる、というのが、この面でのキャラクター性の存在意義とも言えます。狙いが見えるので、ある種のチュートリアルというか、ガイドとして機能するということです。
 あるいは、やっててそういうやつだったな、という理解によってキャラクター性の認識度が上がり、確認するがゆえにそのキャラクターへの解像度が上がります。元から好ましいと思って選んでいれば、更に好ましくなる訳です。そういう意味では正道のキャラクター戦略と言えるでしょう。
 そこに、もう一段あるから『ウマ娘』は侮れません。それが、もう一面、実在の競走馬をモチーフにしている、と言う点です。
 これがどういう風に影響してくるかと言うと、ウマ娘としてのキャラクターとは違う、もう一面としてのキャラクター性が出てくるのです。こいつは元はこうだから、こういう育成がしたい。こういうレースに出ていたらというifを見たいという向きに。それが更にウマ娘のキャラクター性と絡まって、どっちの要素を、つまりウマ娘としてか、元の競走馬としてかを考えるか、という立ち上がり方をしてきているのです。
 で、単体でそれだけキャラクター性が混在していますが、これが更に他のウマ娘との関係性で爆上がりします。ウマ娘としてのキャラクター関係性と元の競走馬としてのキャラクター関係性が混ざり合ってくるのです。そういう部分も、育成に影響を与える、というので、育てゲーにキャラクター性をがっつり決め込むならどうするか、というのの一つ且つ最新の案件として、『ウマ娘』は建立されている訳です。

書きたいこと書いたから後はなんか書いとけ

 ということで、『ウマ娘』が育てゲーとして複雑な立ち方をしている、というのが書けたはずですが、最後にどうでもいい話をすると、ワタクシ、ゴールドシップ大好き侍。元はそこまで知りませんが、ウマ娘の方はもう嗜好にドストライクです。
 色々デカいのと訳の分からないことをするヤベーやつ、というのはツボにダイレクトアタック! なのです。これも秋田禎信魔術士オーフェンはぐれ旅 無謀編』の登場キャラクター、キース・真顔の変質者・ロイヤルのせいなんですが、それはさておき、このゴールドシップが育成にも癖があって堪りません。いきなりパワー育成以外一回禁止のイベントした時とか、やる気回復のイベントとか、こいつそういうやつだけどやつ~~~~! ってなりました。
 それもあって、この最初のプレイはゴールドシップらしい方向で選択していこう、という腹にもなるんです。育てゲーの難しい所は、どう育てていいか、というのが初手では分からないことです。どうすればいいのか、というのが全く分からない地点からスタートするのです。それゆえにキャラクター性を与えていくのが楽しいのですが、わりとゲーム玄人向きな部分がそこにはありました。
 ですが、ウマ娘は先にも書いたようにそのウマ娘のキャラクター性がその部分へのガイドとして機能しています。なので、わりと初手で手探りでもそのウマ娘らしさ、というのが出て大変楽しく進めております。まあ、本当にまだ序盤なので、ガイドがあっても手探り感半端ないですが。
 でも、だからこそゴールドシップの成長を愛でることも出来るのだ、とも思えます。分かんないなりにやっていく、と言う部分がちゃんと面白い、キャラクター性があるが故にそれが出来るというのが、『ウマ娘』が広くリーチしている理由の一端だろうなあ、などと考えたりします。
 ということで、今回の駄弁はここまで。さて、今日もトレーナー業やりますか。と書いて、この項を締めたいと思います。御清聴ありがとうございました。